つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

今年はマツタケが大豊作!・・・

2024-11-24 | 私事ですが

 黄色に枯れた山、一点の雲も無い青空にうっすらと有明の月が残っている。

 わがマンションと同じくらいの高さにあった空き家を解体中。工事はほとんど手作業で、2人の職人さんが屋根に上り瓦を投げたり、壁を壊していた。
 先月はほとんど休止状態だったが、11月に入ってまた始まった。みるといつの間にか「ミニ油圧ショベル」がきて仕事をしている。私はまったく気づかなかったが、大きなクレーン車が来て上げたらしい。

 手作業で壊した瓦や廃材をミニショベルが挟んで1か所に集め、すこしずつ下に滑り落とす。それを下のミニショベルがトラックの荷台へ載せて、いっぱいになるとどこかへ運んでいく。
 ほぼ解体工事は終わったみたい。あとはガラクタを片づけるだけだが、ここは更地にしても家を建てる人はいないだろう。もう草木もはえないだろうから、遠くから見ると頭のハゲみたいで景観がよくない。


 最近は松茸にはなかなかお目にかかれない。マツタケの旬は8月頃から11月頃まで、今年はマツタケの大豊作だったそうだが、とうとうお目にかかれずじまい。取り立てて食べたいほどはないが、マツタケの時期になると亡父を思い出すのである。
 亡父は裕福な家の道楽息子で、家庭を持ってもその性格は変わらず、まるで母子家庭みたいだったとは母の弁。だから父とどこかへ遊びに行ったという思い出はないが、たった一つ、マツタケ狩りに行ったことを覚えている。
 小学3年生のころだったか、町内の人たち何人かでマツタケ狩りにいくことになった。めずらしく父も姉と私を連れて参加した。今から80年ほど前の話である。どうやって行くのか、集合場所へ行って見ると、古びたトラックが1台止まっている。当時は商売人以外、車を持っている人はいなかった。老若男女20人ほどが荷台にムシロを敷いて座り、ホコリが舞う田舎道をガタンゴトン、揺られて行った。
 その頃はマツタケなんて珍しくもなんともなかった。小さな子どもでも簡単に見つけられるほど、そこら中に生えていた。私は初めてで夢中になって探した。やがて昼食時間になると持参した数個の七輪で火を起こし、あらかじめ用意していた野菜と牛肉ですき焼きを作る。男たちは車座になり酒盛りが始まる。今でいうすき焼きパーティーである。
 もうマツタケは食べたくないと思うほど、たらふく食べてお腹いっぱい! 残ったマツタケはみんなで分けて家に持って帰った。ウソのような話だが、マツタケを炒めて塩で味付けしたおかずだけというお弁当も珍しくなかった。八百屋に行くと皿にマツタケが山盛り、一皿いくらで売られている。いい時代だったなあ!
 それでも20年くらい前は、年に一度くらいマツタケをくれる人がいたが、今ではそれもなし。マツタケはまったく手の届かない超高級品、見ることすら叶わなくなった。マツタケの時期になると父を思いだすが、本音といえば父を懐かしむより、マツタケがたらふく食べられたあの時代を懐かしんいるのである。

 

 

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4 コメント

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Unknown (オールドレディー)
2024-11-26 09:42:39
★千菊丸 さんへ
こちらのスーパーでも見かけませんでした。コープにも掲載されてなかったかと。庶民の手の届かない品は売る気もないのでしょうね。
「香りマツタケ味シメジ」って言います。香りではお腹は膨れませんよね。
今日は雨ですが、暖かいです。おかしな気候で体調管理も大変です。風邪をひかないように。
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こんばんは。 (千菊丸)
2024-11-25 21:43:25
松茸、今年は余りスーパーで見かけませんでした。
それにしても、最近変な天気が続いて身体が怠くて仕方がありません。
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Unknown (オールドレディー)
2024-11-25 09:58:50
★sirousagi gamanohoさま
マツタケだけでなく、ふんだんに食べられたものに数の子がありました。そういえばサンマもイワシも今では高級魚です。以前より豊富にとれるようになったモノがあるでしょうか? 
人間のなせる業か、異常な自然体系のせいか。今では加工品がほとんどという食卓、寂しいですね。昔は良かった、と言いたくなりますね。
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解体キングダムばりの写真👏 (sirousagi gamanoho)
2024-11-24 15:59:26
オールドレデイさんほど豪勢な松茸パーテイはやった事有りませんが、それでも子供の頃は香りもお味も歯ごたえも、十分季節到来を知ることができました。
自然界からの恩恵をあだで返した人間の業!
とうとう松茸は遠い存在になってしまったようですね。
嗜好品と思えば無くても一向にかまいませんが
ちょっと寂しさが残る「松茸」への遠い思い出です、
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