つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

「ハトの乱」にみる、麻生さんと鳩山さん その1・・

2009-06-14 | うんざりしてます
 1人気炎を吐いていた鳩山さん、振り上げた拳を下ろすタイミングを見失って、あえなく玉砕。麻生内閣の「生みの親」ともいわれる鳩山さんの事実上の更迭は、あの小泉政権の「生みの親」といわれた田中真紀子さんの更迭を思い起こさせる。
 鳩山さん辞任後に行われた麻生さんのぶら下がり会見では、めずらしくまともなことを言っていたが、「こうまで事態を混乱させたのはアンタの優柔不断さ、リーダーシップの欠如だよ」って、みんなが思っていることに気づいているのかいないのか、まるで人ごとのようだった。今朝、あるテレビ番組で、作家の塩田潮氏が麻生さんを評して、「陽気・強気・平気・ノーテンキ」と言っていたが、上手いことをいうと笑ってしまった。

 報道によれば、麻生さんは「西川に土下座させて謝らせるから…」と言って鳩山さんを説得したという。何様のつもりか、ずいぶんなことを言うとあきれた。もし鳩山さんがそれを受け入れた場合、今の麻生さんに、西川氏に土下座させるだけの力があるとは思えず、一体どうなったていただろうか。西川氏は「政治家に言われたくらいで辞任はしない」と、頑固なまでの強い信念をお持ちらしい。そんな人が土下座などするだろうか、するくらいならさっさと辞めてしまうであろう。しかし、もし仮に、土下座してまで謝罪しなければならない瑕疵の事実があるのなら、西川氏には、まず国民の前できっちり説明してもらわねばなるまい。
 いずこの世界でも、何か不祥事があると「申し訳ございません」と頭を下げて役職を辞任すればそれで問題ないと思っているようだが、ただ辞任で幕引きすればよいというものでもあるまい。「辞~めた」と放り投げるのは簡単だが、中途半端で引き受ける後任者はいい迷惑である。そういう無責任な辞任より、西川氏にはより一層業務改善に努め、郵政民営化を万全なものにする責任があることを肝に銘じてもらいたい。

 今回の騒動の発端は、「かんぽの宿」売却の手続きが不透明だということにある。しかし、2月には総務省から「かんぽの宿」入札経緯などの報告命令が出ており、その報告書によって総務省が精査したが、鳩山さんの言う「不透明で悪事をはたらいている」、「国民の財産をかすめとろうとした」などを裏付ける確たる証拠は出なかったという。ただ、「かんぽの宿」バルクセール仕掛け人の外資系経営コンサルタント会社に手数料6億円を支払ったという事実が明らかになったが、これは、真山仁の小説「ハゲタカ」のやり口そのものである。
 結局、「かんぽの宿」売却は白紙撤回されたが、この施設は雇用維持を条件に、2012年9月末までに売却または廃止することが法律で義務づけられている。が、今となっては、施設ごとの個別売却にしろ、一括譲渡にしろ、現在の経済情勢では批判を浴びないような価格で売れる見込みはゼロであろう。そして、年に50億円と言われる赤字を食い止めることはもはや至難の業といえよう。
 赤字垂れ流しの元凶は、旧郵政公社時代の経営に無知な官僚たちであり、親方日の丸主義で全国に「かんぽの宿」を建てまくり、工事過程において莫大な利益を懐にしたであろうと想像する。「かんぽの宿」は、そもそも簡易保険加入者の保養所として建てられたのであるが、それにしては建物も内装も設備も言うことなし、おまけに低料金ときている。私も「かんぽの宿」は山口県光・鳥取県岩井・岡山県湯郷と3箇所を利用したことがあるが、正直言ってこれでは赤字になるのも無理はないと思った。
 「かんぽの宿湯郷」にしては、だいたいどこの観光地でもよほどの高級ホテルでない限りテレビはまだ小さなアナログテレビを設置しているところが多い。が、ここでは50インチは優にあろうかと思うような大きな液晶テレビ、それもきっちり地デジ放送に変えてある。また、アメニティグッズにしても、歯ブラシセット・タオルセットは宿泊人数分より多く置いてあり、グッズを入れるカラーのビニール袋、シャワーキャップ、耳に湯が入ったときに使う綿棒まで至れり尽くせりで、これほど揃っているホテルは他には知らない。利用する我々にとってはこのサービスは有難いが、よくよく考えてみると、結局は自分たちの足を喰っているタコと同じだということに気づいたのである。(つづく)
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2 コメント

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保養所 (おくだっち)
2009-06-15 09:55:12
わが社の保養所は、近畿一円にありましたが、数箇所を残して閉鎖されました。
食事は原価、宿泊も損料程度で賄いさんや経費は全て会社持ちでしたが、この不況には勝てずの閉鎖です。
残ったところも、宿泊費など設備が維持できる金額にまで上がっています。

かんぽの宿は、利用したことがありませんので、よく分りませんが赤字にならない運用を考え、それが無理なら売却か閉鎖しかないでしょうね。

いずれにしても、膨大な中間マージンを得るような会社へ丸投げはちょっと酷いですね。
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Unknown (オールドレディー)
2009-06-15 10:08:55
♠おくだっちさま
採算が取れないと分かっていて建てられた「かんぽの宿」、それには官僚の利権が絡んでいたのでしょう。
それらの負の遺産を国が責任を持ってきれいに処分して民営化すれば問題なかったのでしょうが、民間会社に尻拭いをさせようとは無責任です。
商売でも損を覚悟でバーゲンセールをします。株でも塩漬けになるより損切りして売ります。ただ、その仕掛け人の「ハゲタカ」が問題でしたね。
国有財産の払い下げは馬鹿みたいな値が付けられます。いままでそうやって来たのですが、我々が知らなかったということです。
思惑や意図で左右される政治に不信感を覚えます。
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