8日11時過ぎ、何となくチャンネルを変えたら、日テレの「打鐘! 北京五輪への道 駆けろ NEWヒーロー」というドキュメンタリー番組の、もう後半あたりだった。
前半は北京五輪に向けて日本代表の座を争うアスリート達に密着したものだったらしい。後半は、今年4月に競輪学校を卒業した92期生75名中、対照的な2人の若者に密着したドキュメントだった。
競輪学校で1年間みっちりと鍛えた肉体、技術、精神力を携え、プロの世界に…。そんなルーキーたちを待ち構えている第一関門が7月のデビュー戦だった。
千葉県出身の柴田洋輔(21歳)。92期生、在校成績1位。彼が競輪選手になると決めたとき、銀行勤務の両親は大反対だったという。競輪に対していいイメージを持っていなかった両親を説得してくれたのが祖父だったそうで、忙しい両親に代わり彼を育て、孫の夢を応援する良き理解者でもあったという。その期待に応えるべく彼は懸命に頑張り、競輪学校で在校1位という成績を見事収めた。だが、その祖父は昨年10月病気で他界した。
デビュー戦の日、祖父の遺影を抱いた祖母と両親たちが見守る中、見事1位に輝いたのである。そして、彼が始めて手にした給料は60万円超、大卒の初任給をはるかに超えた金額である。スポーツは実力の世界、見事なデビューを果たしたが、彼の次なる夢はオリンピックだという。
そしてもう1人、大阪出身の舟元権造(24歳)。92期生、在校成績73位。決していい成績ではなかったが、彼は生徒会長を務めていて、卒業式には卒業生を代表して答辞を述べたそうである。
舟元は6人兄弟の次男として生まれた。だが、彼が高校生の時に両親が離婚し、母親は6人の子供全員を引き取り育ててきたそうである。まだ中学生の妹もいる家族の生活は彼の肩に掛かっている。彼は、6人の子供を育てるため苦労した母に親孝行がしたい、何が何でも勝ちたいと言う。そして、妹たちには、大きな家を建てると約束したとか。インタビューに答える彼をみていて、現代の若者の中にもこういう親孝行で、兄妹思いの若者がいるのだと、何だかとても爽やかな感動を味わった。
大阪でのデビュー戦、家族が見守る中での健闘。しかしながら結果は8位、惨敗であった。そして、彼がもらった給料は、わずか3万円余り。東京で見事1位デビューした柴田とは天と地ほどの差で、まさに実力の世界の厳しさがうかがわれる。
アパートでひざを抱え、悔し涙で目を真っ赤にしている彼の姿には、こっちまで泣けてきた。だが、いつまでも泣いてはいられない。気持ちを新たにして家族が待つ自宅へ帰る。そんな彼を何事もなかったように笑顔で迎える家族。大阪人特有の軽口で冗談をとばす、そんな家族に囲まれて彼の気持ちもだんだんと晴れていった。
初給料は母にと決めていたという彼は、「少なくてごめん」と言いながら給料袋を渡す。それを受け取る母も泣いている。家族関係の希薄さが目立つ昨今、絆の強さを感じさせるすばらしい家族の姿に感動させられた。
あの朝青龍も、お金を稼いで親孝行したい、そういう悲壮な覚悟で日本へやってきたに違いない。だが、強くなればなるほどおのれも周囲も変わる。そういう中で大事なことは「初心忘れず」であろう。いつの日か競輪ファンの間で舟元権三選手の名がクローズアップされる日が来ることを祈りたい。
前半は北京五輪に向けて日本代表の座を争うアスリート達に密着したものだったらしい。後半は、今年4月に競輪学校を卒業した92期生75名中、対照的な2人の若者に密着したドキュメントだった。
競輪学校で1年間みっちりと鍛えた肉体、技術、精神力を携え、プロの世界に…。そんなルーキーたちを待ち構えている第一関門が7月のデビュー戦だった。
千葉県出身の柴田洋輔(21歳)。92期生、在校成績1位。彼が競輪選手になると決めたとき、銀行勤務の両親は大反対だったという。競輪に対していいイメージを持っていなかった両親を説得してくれたのが祖父だったそうで、忙しい両親に代わり彼を育て、孫の夢を応援する良き理解者でもあったという。その期待に応えるべく彼は懸命に頑張り、競輪学校で在校1位という成績を見事収めた。だが、その祖父は昨年10月病気で他界した。
デビュー戦の日、祖父の遺影を抱いた祖母と両親たちが見守る中、見事1位に輝いたのである。そして、彼が始めて手にした給料は60万円超、大卒の初任給をはるかに超えた金額である。スポーツは実力の世界、見事なデビューを果たしたが、彼の次なる夢はオリンピックだという。
そしてもう1人、大阪出身の舟元権造(24歳)。92期生、在校成績73位。決していい成績ではなかったが、彼は生徒会長を務めていて、卒業式には卒業生を代表して答辞を述べたそうである。
舟元は6人兄弟の次男として生まれた。だが、彼が高校生の時に両親が離婚し、母親は6人の子供全員を引き取り育ててきたそうである。まだ中学生の妹もいる家族の生活は彼の肩に掛かっている。彼は、6人の子供を育てるため苦労した母に親孝行がしたい、何が何でも勝ちたいと言う。そして、妹たちには、大きな家を建てると約束したとか。インタビューに答える彼をみていて、現代の若者の中にもこういう親孝行で、兄妹思いの若者がいるのだと、何だかとても爽やかな感動を味わった。
大阪でのデビュー戦、家族が見守る中での健闘。しかしながら結果は8位、惨敗であった。そして、彼がもらった給料は、わずか3万円余り。東京で見事1位デビューした柴田とは天と地ほどの差で、まさに実力の世界の厳しさがうかがわれる。
アパートでひざを抱え、悔し涙で目を真っ赤にしている彼の姿には、こっちまで泣けてきた。だが、いつまでも泣いてはいられない。気持ちを新たにして家族が待つ自宅へ帰る。そんな彼を何事もなかったように笑顔で迎える家族。大阪人特有の軽口で冗談をとばす、そんな家族に囲まれて彼の気持ちもだんだんと晴れていった。
初給料は母にと決めていたという彼は、「少なくてごめん」と言いながら給料袋を渡す。それを受け取る母も泣いている。家族関係の希薄さが目立つ昨今、絆の強さを感じさせるすばらしい家族の姿に感動させられた。
あの朝青龍も、お金を稼いで親孝行したい、そういう悲壮な覚悟で日本へやってきたに違いない。だが、強くなればなるほどおのれも周囲も変わる。そういう中で大事なことは「初心忘れず」であろう。いつの日か競輪ファンの間で舟元権三選手の名がクローズアップされる日が来ることを祈りたい。
残念ですがいまは競輪を知らない若い子にキャーキャー言われるようなカリスマ性のあるスターがいません。
プロ野球選手。高校球児、や他のスポーツ選手もゾクゾク挑戦してます。ハニカミ王子みたいな新星が出ればいいですね。
競馬に比べても、競輪、競艇のイメージは悪いです。プロスポーツには変わりないのになぜなのでしょうね。
どんな競技にしろ、名を成すのは容易なことではありません。ハングリー精神でがんばる選手は応援したくなりますね。
朝晩が少し涼しくなって来ました
柴田選手も舟元選手もいいお話でした。
競輪学校のある所は、静岡県ですよね?
以前近くに西宮競輪がありましたが、不景気でなくなりました。
テレビで競輪をやっていても、余り見ませんね。
競輪も、スター選手が出て来たら人気が上がる↑と思いますよ。
同じプロスポーツでも様々ですね。選手になってもそれで生活できるかといえば難しいでしょう。
それでも挑戦してがんばる人は好きです。まして親兄弟のためにがんばるのはステキです。
競輪のことはあまり知りませんので、何も言えませんが、レディーさんのこの文には引き込まれました。
ちょっとしたテレビニュースをこれだけの作品にするのは素晴らしい才能です。
今までからのブログを取りまとめて、製本し保存することをお奨めします。
私事ですが、最近ブログを書く意欲も薄れつつあります。矢張り年のせいですかね。
どんな人でも一生懸命生きている人は輝いてみえます。とくに何かに挑戦している姿には心打たれます。
毎日嫌なニュースばかりのなか、爽やかな出来事に出会うと、ホッとします。
今年の異常気候でお体の調子が狂われたのでは…。また涼しくなったらお元気も出るでしょう。
そこそこに頑張ってください。
見てらしたのですね。私は涙ポロポロでした。
今どきの若者に珍しく、爽やかな青年です。頑張って名を広めて欲しいですね。