つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

巧妙に仕組まれた天下り・・・

2006-03-05 | Weblog
 防衛施設庁を舞台にした談合事件で逮捕者が出たことから、同庁は、今年度の未発注分の建設工事の入札から、2002年以降に同庁OBが在籍している企業と、東京地検特捜部の捜査で談合があったとされる8件の工事の入札に参加した計178社を排除する方針を決めた。
 同庁では、現在、ほとんどの建設工事で入札を延期・中止しているが、予算は翌年度に繰り越すことが出来ないため、来週以降、疑惑を招くような企業を入札から排除する形で入札・契約作業を再開する方針を決めた。排除対象となる178社のうち155社には、同庁建設部があっせんする形で、OBが再就職していたという。

 防衛施設庁のOBは原則として退職後2年間は施設庁と取引のある企業への天下りを禁止されているが、この規制ができた平成12年の夏以降に退職した課長級以上のOB59人のうち13人が、いったん施設庁と取引のない民間企業や学校法人に在籍し、2年が過ぎると取引のある建設会社に天下っていたことが、今回のNHKの調査で分かった。
 関係者によると、こうした企業は天下り先の建設会社が手配したり、グループ企業だったりするケースが多いということで、5年前に退職した元技術審議官は、いったん学校法人に在籍したあと、この法人のグループ企業で談合にかかわっていた大手建設会社に天下っていた。今回の事件では、施設庁のOBが公益法人の防衛施設技術協会に在籍したあと、業界に天下っていた実態が明らかになっているが、特捜部は、ほかの民間企業をう回して天下るケースも繰り返されていたとみて、癒着の解明を進めているという。

 こういう記事を目にすると怒りを覚えるが、それ以上に、巧妙に仕組まれたやり方に、只ただあきれるばかりである。以前から天下り問題は大きく取り上げられており、良識ある国家公務員である官僚が、なぜそれが悪いことと認識できないのだろうか。そして、これほど公然と非難されている天下り官僚を受入れる企業も企業である。そういう企業を入札から排除するという今回の方針は遅すぎるとさえ思うし、その企業は向こう何年間は入札に参加できないシステムにするべきである。そしてこの際、大企業だけでなく、優良中小企業を何社かの企業体として入札に加えるよう、門戸を広くしてはどうだろうか。
 最高学府卒業の国民の模範たる、いい歳をした大人が、次から次へと繰り返すこの手の犯罪は、社会人として最も恥ずべきことである。こういう大人が、どうして若者や子どもたちに正しい教育ができるだろうか。善悪の認識もできない、官僚や企業責任者の懲りない面々には、厳罰をもって処すべきである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 太蔵センセイの初質疑録画・・・ | トップ | 退職金は誰のもの・・・ »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事