麻生総理がテレビ生出演・・・

　ついに麻生内閣の支持率が１９．２％に下落、これは森喜郎元総理以来８年ぶりのことだそうだ。これには安倍元総理や福田前総理は、内心小躍りするほど喜んでいるのではないだろうか。政権を投げ出して集中砲火を浴び、悔しい思いをしてきた自分たち、麻生さんの人気が上がるのはおもしろくないと思うのは世の常である。「安部・福田よりまだヒドイ麻生！」などと麻生さんの悪口を聞くたびに、腹の中ではほくそ笑んでいるに違いない。政界とはそういう世界ではないだろうか。

　１２日、５時前からのＦＮＮスーパーニュースに麻生総理が生出演した。メインキャスターの安藤優子が国民の聞きたい話題について鋭く迫った。また、「ミゾウユウ」と誤読した画像や、「さもしい」発言の画像など、麻生さんとしては不愉快で見たくないであろう画像を次々に見せながら、なかなかシビアな質問をぶつけていたのが痛快だった。
　支持率の下落についてどう思うかの質問に、麻生さんは、景気が回復しないことに国民が不満を持っているのではないかと、麻生さん自身への不信感など全く感じていないようであった。
　そして、２兆円の定額給付金については「評価しない」が７０．５％だと聞かされても、定額給付金は経済対策だ、消費を刺激する効果があると言い切る。そして、定額給付金はもっと他の使い道があるはずだが変えるつもりはないかという一般からの質問に、経済対策総額７５兆円のうちの２兆円だ。それだけを取り上げられるのは…。麻生さんはたったの２兆円だとは言わなかったが、他には十分な手当てをしているのだから２兆円くらいでガタガタ言うな、私にはそんなふうにも聞こえたのである。
　木村キャスターが、自分は高額所得者だがもらうつもりだ。“さもしい”と言われるだろうかと皮肉をチクリ。総理はどうしますかと聞くと、それは個人の問題で、まだ時期も決まっていないのに今からもらうかどうかなんて言えないという。すかさず木村キャスターが、人にはもらえと言って、自分は分からないではちょっと…。と、またチクリ。　

　また、宮崎県知事が画像で出演。定額給付金はやるなら昨年末に、スピーディーにやっていればよかったが、遅きに逸した感がある。どうしても実施するなら年度内に間に合わせて欲しいというと、麻生さんは、政府としての準備は終っているのだから、あとは地方自治体の準備次第であると、相変わらず地方自治体への丸投げ方式は変わっていない。
　なお、解散・総選挙について、宮崎県知事は、お互い歩み寄って一日も早く予算を成立させるべきだ。それには定額給付金を切り離すか、民主党の言うように話し合い解散かの２つに1つしかないのではという。だが、麻生さんは話し合い解散は考えていないという。

　また、３年後の消費税引上げについて、麻生さんは、財源を使いっぱなしにしておくのは無責任、後世に借金を残さないためには何らかの対策が必要。そのためには景気回復を条件に３年後には消費税引上げをやらなくてはならないという。だが、３年後には首相でないかもしれないのに、消費増税を言うのは無責任では？ と聞かれると、（その時の首相が）責任を持って経済状況を良くした上で、消費税引上げをきちんとやらないといけないと答えた。そのときの首相がやることなら、何も今から言及することもないと思うのだが…。
　１６年に成立した年金制度改革関連法で、安定した年金財政を確立する目的で２１年度までに国庫負担率を３分の１から２分の１に引き上げることになっている。引き上げ分は２兆３０００億円程度、これは消費税率１％を引き上げれば充当できるそうである。だが。現在では消費税引上げなどもっての外、結局は「埋蔵金」の活用が検討されているというのだが、財源確保が困難だというのなら、こういうことに定額給付金の２兆円を充当すればいいのである。
　麻生さんの言うこととすることにはブレがあるといわれるが、全くそうである。後世に借金を残さぬためというなら、国民が評価しない施策のために２兆円もの無駄遣いは止めるべきである。

　この番組中突然、渡辺喜美・元行改相が自民党を離党するというニュースが飛び込んできた。麻生さんは「個人の自由。追随するものはいないだろう」と平然と言っていたが、この渡辺さんへの支持が５０％を超えているということは、麻生内閣にとっても自民党にとっても、全く影響なしとは言えないのではないだろうか。

　最後に、一般からの質問。自分で総理としての資質があると思うかという質問に、麻生さんは、そういううぬぼれがなければ総理はやってゆけないと答えた。やはり麻生さんは“うぬぼれている”のである。