12日の記事から。【11日午後5時50分ごろ、滋賀県草津市野村の会社員男性(51)方2階から火が出ていると、近くのガソリンスタンド従業員から110番があった。火は約40分後に消し止められ、木造2階建て住宅の2階部分約60平方メートルが焼けたが、けが人はなかった。県警草津署員が駆け付け、現場近くにいた少年が火を付けたことを認めたため、現住建造物等放火容疑で逮捕した。
逮捕されたのは男性の長男の高校生(15)。容疑を認め、「人生を悲観していた」と供述しているという。】
人生80年、90年といわれる現在、そのうちの15年はほんの序の口だ。前途はこれから、自分の意志一つでどのようにでも開けてゆくであろうに、追い詰められた彼の心の内をだれも気付かなかったのか。たった15歳で「人生を悲観していた」などと、情けないというか、哀れといおうか、親の庇護の元にある子どもに「人生とは何ぞや」と考えさせるほどの理由とは何だったのだろう。
子どもと大人のはざ間で、心の闇から抜け出す思慮も分別もなく、悶々とする日々に耐え切れなくなったのか。でも、命を粗末にしなくて良かったと思う。「15歳の春」という、人生で一番輝かしいときにつまずいたことは残念だが、出直すには決して遅くはないよ。
話は変わるが、大阪市立桜宮高校の2年男子生徒(17)が体罰を受けた翌日に自殺した問題で、「体罰」の是非が論議されている。体育系では「体罰」を容認する教師やOBも少なくないという。この顧問に子どもはいるのだろうか? 47歳という年齢からすれば妻子持ちだろうと思うが、人の子に手を上げる人間は自分の子にも手をあげるという。果たして自分の子にも体罰を加えていたのかどうか、聞いてみたい。
自殺した生徒は3年生が引退した昨年9月、自ら立候補して新チームのキャプテンになった。同級生らによると、生徒は中学時代もバスケ部の副キャプテンを務め、口下手だったが、真面目で責任感の強い性格だったという。桜宮高校の体育科は部活に入るのが前提のようで、簡単に退部することはできないそうである。真面目で責任感の強い少年は死ぬより他に逃げ道がなかったのだろう。
市教委によると、【母親が生徒の様子がいつもと違うと感じたのは自殺の1週間前。 顧問からキャプテンとしての高い意識を求められていた男子生徒。顧問からリーダー論の本を借りて読むなど、必死に期待に応えようとしていたが、「うまくいかない」と悩み続けていた。
「たたかれるのがつらい」と相談された母親は19日夜、顧問と電話で話し合い、「厳しい指導のやり方は変えます。今後はちゃんとかみ砕いて話をします」と約束させていたそうだ。
また、遠方に住む兄から電話で「気持ちを手紙に書いて渡したら」とアドバイスを受け、生徒は19日、「今私の思っていること」と題し、顧問宛ての手紙をしたためた。翌日には学校に持参したが、チームメートから「こんなこと書いたら、また怒られる」と止められ、渡せずじまいだった。
「目が開かない」。21日の終業式の朝、生徒はこう不調を訴え、珍しく学校を欠席。部活も休んだ。しかし、翌22日は部活のために登校。練習試合に臨んだ。
「キャプテンだったら、ルーズボールは一番に取りに行け」。タイムアウトをとった顧問は厳しく生徒を叱り、頬や頭を何度もたたいた。練習後、生徒は教官室で顧問と一対一で面談。「キャプテンがしんどい」と打ち明けると、顧問は「じゃあ、Bチーム(二軍)でいいのか」と迫った。最終的に「キャプテンを続けるのか」という問いに、生徒は「頑張ります」と答え、面談を終えた。が、その時、顧問は「なら、殴られてもええんやな?」と念を押したという。
帰宅後、「今日も30~40発ぐらいたたかれた」「Bチームでいいのかと言われ固まって何も言えなかった」と母親に打ち明けたという。顧問は体罰は止めると母親と約束しながら、その3日後の22日にも体罰を加え、翌23日朝、生徒は自宅で首をつって死亡しているのが見つかった。】ということである。
知れば知るほど腹立たしくもあり、痛ましくてならない。毎日の体罰は苦しかっただろう。どんなに痛かったか、恐ろしかったか、理不尽な体罰が悔しかっただろうね。
昨今、話題になっているモンスターペアレントのような理不尽な抗議は目に余るが、子どもが30発も40発も叩かれていると知ったら黙っていられない。私が親なら、すぐに学校へ怒鳴り込んだだろうね。わが子が毎日叩かれているというのに、電話で話し合って、体罰を止めると約束したからと、おとなしく引き下がったという親御さんの気持ちは理解しがたい。
第三者だから勝手なことが言えるのかもしれないが、親子ともども、転校してもいいくらいの覚悟で学校や顧問に立ち向かっていたら…。過ぎたことを言っても仕方がないが、少年は顧問宛ての手紙を出すべきだったのである。それで体罰がよりひどくなったら、その時こそ、学校なり教育委員会なりに訴えて事を公にすればよかったのではないか。自分で命を断つ勇気があれば、どんな苦境にも立ち向かえたはずである。もう少し気を強く持っていてくれたら…、親ならずとも、そう思わずにはいられない。
自分の家に放火した少年も、親が心の闇に気付いてやっていれば…。また、自ら命を絶った少年も、体罰を知ったとき親がもっと強硬に抗議していれば…。後になって言えることだが、子どもが苦しんでいるとき、一番に気付いてやるべきは親であり、親が気付かないのに、赤の他人が気付くはずもなかろう。「社会で、地域で子どもを育てる」というのは理想であって、やはり子どもを守ってやるのは親以外にないと思うのである。
子供に相談を受けていて…残念に思います。
子供さんに対して親の期待も大きかったのでは。
何事も想定外の事に思いをはせなさ過ぎでは・・・
教師は自分の感情のコントロールが出来ず
無抵抗な者に憂さ晴らしをしているとしか思えない
一つ二つ殴った時に自分の心に痛さを感じないのかと、
体育会系で無い私には理解できない・・・
娘もクラブ活動で悩み、鬱寸前でしたがなかなか退部できず暫く寝込んだ事を思い出して・・
ご両親の心痛いかばかりかと同情しています。
桑田真澄氏の論文すばらしいですね。
顧問の名前も写真も、すでにネットにあります。
見るからに恐ろしい顔と体格に、抗えなかった少年の気持ちも分かります。
この顧問は殴ることに快感を得ていたのではないかとさえ思えます。
この顧問の家庭についてはマスコミは一切触れていませんが、子どもがいたらどう思っているのか気になりますね。
一つ拳骨でコツンというのなら、私にも覚えがあります。が、それも教師と生徒の信頼感があればのはなしです。
30発以上というのは、もう体罰ではありませんね。
★suri-ribaさま
いじめや児童虐待、教師の体罰など、すべて死者が出て初めて問題視されますが、これがおかしいです。
人が亡くなったあといくら議論しても生き返ってはきません。
昨今、政治家、教師、警察官など、人の模範となり導く立場にある人の犯罪が目立ちます。こういう社会で育つ青少年の将来が心配ですね。
桑田氏の持論に賛成です。ああいう人が指導者になればいいのにと思いますね。
少年達の心のうちを、もっと早く気が付いてあげたら良かったと思いますが…。
私の少年時代も、児童養護施設、里子、いじめ、児童虐待と辛い経験をして来ましたが、心のうちは誰にも話さなかった。
と言うよりも話せなかったですね。
だから、少年達の気持ちが少しは分かります。
少年時代に色々と経験されたのに、立派に成長されたことに感服します。
無責任な言い方ですが、死ぬ勇気があれば、何とかなるのでは、今はマスコミでもネットでも事を公にする方法はいくらでもあります。悔しさを残して死なないでほしい。
言うのは簡単ですが、誰にも言えないからこんな結果になるのですね。残念です。