山口県周防大島物語

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大龍寺と芳心院合併異論(意訳)

2022年07月15日 15時25分45秒 | 郷土史
芳心院と大龍寺の合併が決まり場所を大龍寺の地にすることになりましたら
異見がでました。

「芳心院の檀家の146軒の内137軒は芳心院より東(奥・奥畑)にある
ので、西の下(石井)にある大龍寺では遠くて不便です。
しかも大龍寺の本堂や庫裏は大変大きいので今後修理等が発生した場合は
我々の費用負担が余分にかかり迷惑です。
それに今回合併予定の大龍寺と光恩寺の檀家全部集めても108軒にしか
ならず、146軒の芳心院を吸収することは小が大を呑み込むことで
道理に叶いません。また有事の際は陣屋として使える要害の地です。」
と内々に申立てが芳心院側からありました。

それに対し大龍寺側からは
「大龍寺の檀家65軒、光恩寺の檀家43軒は大龍寺から下(西)にありますが
屋代村の中央に位置し、陣屋ではなく屯所としても使え便利です。しかもあの
芳心院の山の上の不便な所より、平坦な地にありますので参詣の都合等も
とても便利です」と主張する。

で、双方の住職に意見を聞くと、どちらの言い分も正しいですねと正論を述べ
はっきりしないが、双方の住職それぞれは、内心では自分の寺へ吸収
したいと思っているのが見え見えです。

【この報告書は両寺を束ねる、屋代庄屋の中原彦九郎から大龍寺住職玄英へ
 渡されたものです】


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