かなり酩酊して書いている。
今夜、元高校教諭と飲んだ。
彼らはいい男だ。
ところがその内のひとりがこんな話をはじめた。
「俺が外出してさあ~。帰ったら校長がひどく怒ってんだよなあ~」
「ん?」
「生徒に罰として廊下に立たせていたんだ。そのことすっかり忘れて外出してしまった。帰ってみたら未だ立っている。それを見ていた校長からこっぴどくしばかれた。参ったよなあ~}
「それでーーー」
「そんな馬鹿なことしたをことがあったよ。校長には平謝りさ」
「校長からしかられるのは当然さ!それで?」
「いつまでも黙って立っていた奴に言ってやったさ、<おかしいと思ったら抗議しろ>って!」
え?みなさんはどう思う?
場は大笑いした後、
「あんたが生徒に謝るべきじゃないのか、校長に謝る筋合いのものじゃないよ!」
と言ってはみたが、どうもこれは屁理屈。場にそぐわない。
彼のやり方はウチナンチュウは理解できるらしい。
今夜の酒席は地方文化論?みたいなことから始まった。
その内に教育の話になった。
「3歩離れて師の影踏まず」論をやった。
子供にとって先生は絶対的存在であるのだ。先生も親もこのことを理解するべきである、ということで一致した。レッキとした革新系だと自負している教諭もいた、全員賛成だった。断っておくが自分は教育界とは全く関係ない。
酒席であるから、関連する話題なら、所嫌わず、話題選ばずの放談会である。
生徒立たせっぱなしの話題が出たのはそんな折である。
その時は、「沖縄文化の他県人にはわからぬ真骨頂だ」
と腹のそこから笑った。みんな笑った。
当人は至って真面目で、生徒思いの師である。
立たされっ放しにされた生徒は、真面目に先生の言いつけを守って、また叱られた。
酒の所為かやはり愉快な話である。
もう何十年にもなるが、件の先生とかの立ちんぼ生徒とは今でも交流があるという。
教育は理屈ではない。子供がどう感じるかだ。
カラオケばかりで馬鹿な夜を過ごす事の多くなったこのごろ、愉快な酒に浸った。
夜風が心地良かった。