あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

沖縄の人情~やはり沖縄には泥棒はいない?~

2009年04月13日 17時54分18秒 | Weblog
伊計漁港。宮城島を過ぎて高い朱色の橋を渡ると伊計島である。
この橋は、宮城島と伊計島を結ぶ唯一の橋で、橋上からにる景色は絶景だ。高所恐怖症には歩いて渡ることはできない。
橋に到達するまでの道路に突き出した岩の庇は2億数年前の岩石だと言う。
写真は、そんなアプローチをたのしみながら、橋から数分、伊計ビーチを左にみて、右の小さな坂道を下ったところが伊計島の漁村である。静かな漁村だ。
運転もゆっくりとお願いしましょう。


 沖縄には泥棒がいない?というタイトルで一昨年かブログに書いた。そしたら、傘を盗まれたと言う投稿があった。そういえば、よく傘を持っていかれるなあと思い出した。傘を持っていかれた時ほど、頭にくる事はない。
大した値段でなくても、傘がないと歩いてはいけない。仕方なくタクシーを使う。考えてみれば、これも傘の値段の内だ。
雨降りはタクシーも通らない。踏んだり蹴ったり、いらいらも代金だ。

 ところが、先日、スーパーのATM機で会社や私用の預金通帳の入った小さな小物入れを忘れてきた。
忘れて来たのを気付かずにいたら、店を出て1時間ほどして、スーパーの管理人から電話が来た。
「預金通帳の入った布袋を忘れていませんか」
またやった。

 夕方、受け取りに行った。
若いガードマンに管理人室はどこかと訪ねた。
彼は携帯電話で何事かを話していたが、
「ちょっとここで待っててください」
そう云って、カートなどの整理を始めた。
急いでいたので、やきもきした。
しばらく待ったが何とも云わない。
「あのう、管理人室に行きたいのですがー」
「もう、ちょっと待ってください。もう直ぐ来ますからー」
えっ?来てくれるの?
寸時も待たずに中年の男性が小さな袋と台帳を持ってきた。
「いやあ、ありがとうございます」
受け取りの台帳に当たり前のようにサインして受け取った。
「よかったですね」
と男性。
「届けていただいたのは女性ですか」
「いや、男性でしたよ」
管理人の男性と若いガードマンに心からお礼を言った。

 届けてくれた人。
わざわざ事務室からもって来てくれた男性。
朴訥で純朴なガードマンの青年。

 これぞ沖縄。こんな親切を当たり前のようにやってくれる。
「ここで待っててください。管理人が持ってきますから」
「良かったですね。届けていただいたのは女性でした。お名前を伺ったのですが何も言わずに立ち去りました」
テレビのドラマならこのようになるのであろうが、
落し物が出てくるのは当然のこと、
管理人室がわからなければ持っていってやるのも自然のこと、
ここで待て、と言われたのだから待つのは当たり前。
 他県の皆さんわかりますか。
ええ、ええ。何となくこの辺りの呼吸がわかるのには15年はかかりますね。
今でも、わからないことがたくさんあります。
沖縄の風土なのか、人情なのか。
それともその人の個性なのか。

 あなたの経験、あなたの郷土の慣習、あなたの郷土の価値観で見ないで沖縄をみてください。
あるときは楽しく、ほのぼのとするものをみるでしょう。
もちろん、いい事ばかりではありません。
それが旅だと思うのですが。