のり屋のバーサン日記

落語に親しみ、犬猫と和む…
何でもないけど、めでたい毎日

サゲに余韻を残さない昇太

2010-09-24 18:25:00 | 落語会に行ってきた
先日の春風亭昇太独演会で、
昇太版『抜け雀』(古典落語)のあまりの可笑しさに
衝撃を受けた。

『抜け雀』って、
こんなに笑える噺だったっけ???

以来、毎晩、就眠前に、
手持ちのCD、
故・古今亭志ん朝版『抜け雀』ばかり聴いている。

さすがに名人だけあって、
志ん朝師匠版も面白いけれど、
どちらかというと、いい噺、人情噺的な色合いが濃い。

「私は親不孝者。
 親を籠かきにしてしまった」

というサゲ(オチ)にも、
しみじみした余韻が残る・・・

そこで、ハッと気づいたことが…

昇太師の落語って、
ただでさえ早口なのに、
サゲに近づくと、
さらに畳みかけるように早口になる。

ときどき、サゲが聴き取れないことも…

それくらい、速攻、サゲる。

まるでサゲの決まり文句を言うのがイヤみたいに…?

サゲに余韻を残したくないみたいに…??

そのあと、仏頂面で高座を後にしたら、
ヤな感じに見えるだろうけど、、、
(↑あくまで、のり屋のバーサン個人の好き嫌い基準として)

昇太師の場合は、
満面の笑顔で愛想を振りまきながら、
ときには観客に手まで振りながら、
超ゴキゲン&颯爽と舞台袖に引っ込んでいく。

素早いサゲと
サービス満点な引っ込み。

そのあたりも独特のスタイルになってるんだなぁ

(そういえば…
 先日の会は28周年記念のせいか違ったけど、
 通常の昇太独演会のタイトルは
 『オレスタイル』だもんね)


落語好きは、みんな言う。

「落語は噺(ストーリー)を聴くのではない。
 演者(噺家)その人を聴く芸能なのだ」

まったくもって同感

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