
群馬県と埼玉県の境にある鬼石町(現・藤岡市)。この町の南東面の山裾にかなり規模の大きいカタクリの自生地がある。一面に咲き競っている姿に艶やかさを感じる。カタクリの群生地を過ぎ、駐車場に戻る途中の草地に“柔らかな白い花”を見つけた。「アズマイチゲ」が咲いている。夕方近かったせいだろう、花は開いていないが、清楚な白が美しい。
「アズマイチゲ」はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。別掲で先週末に紹介した“キクザキイチゲ”と良く似ている。アズマイチゲは葉全体が長丸く、葉の先に少しくびれがる。これに対し、キクタイプは文字通り菊の葉のように深く切れ込んでいるので、容易に区別できる。
写真の個体は夕方だったせいか、花(花弁ではなく白い部分はガクだという)を開いていないが、開くと同じような形になる。ただ、葉の形容と同じようにアズマタイプの花も全体に丸みを帯びているように感じる。
アズマイチゲには西上州の山で出会うことが多い。尾瀬や戸隠高原で見たイチゲはキクタイプだったし、トキの島ではキクタイプしか見たことがない。“アズマ”を冠しているが、関東地方に多いということなのだろうか?アズマ、キクザキタイプを合わせ、私の好きな花として5本の指に入る。
参考までに、キクザキイチゲも掲載してみた。
