
里山に新芽が息吹き黄緑色に変わりつつある。当たっているかどうかは判らないが、林の芽吹きでも落葉低木のほうが早く芽を出し、花をつけるのではないかと思い始めた。背丈の高い木々が葉を広げ、日光を遮る前に受粉しようという魂胆があるのではなかろうか。
「クロモジ」はクスノキ科の落葉低木。高級な楊枝の材料として使われることで知られる。香料の黒文字油を採るほか、根や茎を薬用(養命酒などに加える)にも使うという。群馬の里山にはいたるところで見られる。
「アケビ」も花芽を膨らませていた。秋になり熟すと紫系に色が変わり、果実が割れて食べられることを知らせる。種が多く美味しくはないが甘い。新芽は山菜として食べられ、蔓は工芸品の素材として人気。また、茎は“木通”と呼ばれる生薬となり、利尿や消炎などに利用される。何だか役に立つ植物のようだ。

「モミジイチゴ」はバラ科の落葉低木。葉が椛の形に似ていることから名が付いている。食べると美味しい黄色い実をつけることから「黄苺=キイチゴ」の別名もある。沢沿いの日当りの良い場所などに多い。子供の頃、学校で食べた弁当箱を川で洗い、その中にモミジイチゴの黄色い実を一杯採って持ち帰ると喜ばれた。今の時代なら、お母さんが“ジャムに加工”したりするのだろうが、私の子供の頃はそのまま食べた。それでも甘くて美味しかった。
