
今年初めて見る「アカヤシオツツジ」。私の好きな花ベスト5の一つだ。西上州のどこかの山に、この花を見るために登ろうと思っていた。去年は天丸山ー大山を歩いた時に最初に出会った。今年は件東部の桐生市の北東、鳴神山(980メートル)の山頂で咲き始めていた。
「アカヤシオツツジ」はツツジ科の落葉低木。関東地方などに多く、千メートル前後の山の日当りの良い岩稜や尾根沿いなどに多い。周囲を含め枯れた風景の中に、淡いピンク色の五弁の花を柔らかく咲かせる。花の色は濃淡に差があるが、赤みが強い場合でも派手さを感じさせない。一枝に1個の花をつけることから“ヒトツバナ”と呼ぶ地域もあるそうだ。
アカヤシオツツジの多い尾根沿いは、この花が満開になるとふわりと雲が浮かび上がるように見え、周りが明るくなる。山頂から座間峠方面、裏の肩・コツナギ沢に向かい急坂を下りる尾根沿いはアカヤシオの高さ5-6メートルの古木が連なっており、満開になったらピンクのトンネル状態になるのではないか。
あいにくの薄曇りの天気、先に陣取っていた軍団パワーに山頂は快適とはいえなかったが、咲き始めたツツジの奥に連なる微かな山容が慰めてくれた。
