
先週末。めったに無かったカミさんと久々の小旅行。滋賀県の琵琶湖の周辺を回った。比叡山を訪ねることは大きな目的のひとつだった。「親鸞」(五木寛之)を読んだばかりだったので、親鸞が主に修行の地としたと言う西塔や横川など、40年以上前の修学旅行の時とは違う感覚で歩いた。もうひとつ、修学旅行のときに撮った写真で、根本中堂の朱塗りの大きな柱が強く印象に残っていた。今回訪ねると、漆がはがれ、悠久の比叡山の歴史や国宝建築物を一段と荘厳に見せていた。どれくらいの周期で、塗り替えるのだろうか?
西塔の釈迦堂に下る階段の脇に、余り見たことの無い草花を見つけた。葉は山アジサイに良く似ており、ピークを過ぎているが日陰に薄紫の美しい花が目立つ。幹は草でなく明らかに木。早速、カメラに収めた。
平日でもあり、周囲は静寂。釈迦堂の前で庭を清めていた尼さんに、何を思ったのか花の名を聞いた。「あちらに咲いている半ですよね。見返草です」と近くに咲いていた花を示しながら教えてくれた。堂の正面、左右に植えられている「シャラソウジュ」「ボダイジュ」などのお話もうかがえた。
「ミカエリソウ」は、シソ科テンニンソウ属の落葉低木。私にとって珍しかったが、この花は中部地方以西に咲くというから納得。花がピークを過ぎており確認できないが、オシベの形から「糸掛草」とも呼ばれているという。余り陽が差し込まない場所に咲き、美しい花に振り返って見ると言うことから花の名がついたという。