すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

木曜日、だからね。

2009-01-22 19:26:05 | レンジャー
夫が一時帰国しました。

ええ。

敵意むき出しだった婆さんは、180度、人が変わっております。
おとなしいもんです。
息子の前では、シャンとするんだから、不思議よねぇ。

息子は、父親の言うことなら、とりあえず、聞く耳をもっているようです。
母である私には、相変わらずの、だんまり、で、
この一週間、会話といえば、
「定期買う金」
と言ったっきり、あとは何を聞いても話しかけても、
「ん・・・」しか、返ってきません。
果たして、その「ん・・・」は肯定なのか否定なのか、すら、
判断に迷う日々です。
夫がいる間に、いろいろ聞きだしてもらわねば、と思ってます。

さて、恒例の、木曜日のレンジャーへ。

今日は、REDサマに宛てて、私の近況報告です。

かなり・・・な私的なことなので。
ごめんなさい。
ねえ、キミは、今、どこにいるの?
何をしてるの?

楽しいのかな、嬉しいのかな。

キミの、そのテンションが、今一歩、掴みきれないのは、私に理由があるのかな。

夫が、帰国したよ。

キミのポスターもクリアファイルも、うちわも写真も、壁から外さずに、
夫を迎えてみたの。
かなり、私的には、冒険だったんだけど。
でも。
やっぱり、見て見ぬふりだったな。
帰国した日には、
な~んにも言わずに、普通に、部屋に入ってきて、
さっさと、一人、先に寝ちゃってたよ。
どっちを向いても、君の顔が、そこにあるのにね。
私のやることに、
やっぱり、興味はないのかな。

「あ~あ、パパ、かわいそう。あのベッドで、安眠できると思うの?」
って、翌朝、娘に私が叱られちゃった。
「さっさと外しなさいよ」って。

でも、まだ、外してないの。1枚も。

外せないの、どれもこれも。

夫と共にいるところを、キミに見られてる感があって、
なんとなく、恥ずかしい気分にはなるけど、

でも、独りの私を支えてきてくれたのは、キミのほうだから、

いなくなるのは、淋しすぎる、と思って。

夫が、「外せ」って言ったら、外すつもりだった。
そしたら、ちょっとは、私のすることに、興味をもってくれた証なのかなって。
だけど、言わなかった。
無視・・・まではいかなかったけど。
娘に、「なんだか増えたねえ」って、話しかけてたから。

私、ね。
改めて、感じたことがある。

やっぱり、どこかで、夫に愛されていたいんだなって。

いい年をしてって、笑う?

結婚までしてるやんって。
何が不満やねんって。
別に、浮気されてるんとちゃうやろ?って。

うん。

精神的な浮気ってことなら、
きっと、私の方が浮気してることになるんだと思うの。

だって、キミに、こんなにも恋してるもの。

でも、そうじゃなくて。

リアルに、現実の温もりを与えてもらうと、ね、
ああ、欲しかったのは、これなんだなって、思うんだよね。

手をつなぐ。
抱きしめてもらう。
「おはよう」「おやすみ」に応える声がある。
「いってらっしゃい」「おかえり」のキスがある。
「今日、何食べたい?」って、問いに、「なんでもいいよ」って返事がある。

そんな、あたりまえの風景が、
今、ここにあるから。
(ほんの、9日間だけれど)

また、何もない日々を迎えなきゃいけないことが、
辛くて、苦しいんだよね。

だから、キミに逃げてるんじゃないかとすら、思えてくる。

現実逃避・・・・・・なのかな。

そんなこと、ないよね。

夫は、普段とても無口なくせに、
私が言わないでって思うことほど、口にする。
肝心なことは、何も、言ってくれないのに、ね。

「伝わらないのは伝えようとしてないからや」って。
言ったのは、キミ・・・だった。

だから、伝えてみるんだけど、
思ったような反応が、戻ってこないってことは、
まだ、伝わってないってこと・・・?
それとも、
私が受け取ろうとしてないってこと?

愛されていたいの。

愛されてるって、感じていたいの。

でも、どうされてたら、愛されてることなのかって、
答えられなくて。

もう、いいかげん、
悟ってもいい年なのに、ねえ。
枯れてきたって、おかしくないのに、ねえ。

まだ、こんなにも、
夫を欲してるって、
自分でも、笑っちゃう。

あのね。

でも、だからといって、

キミに恋してる私は、ちゃんと、いるんだよ。

キミの言葉なら、どんなことでも、
感じ取りたいと思う私が、ちゃんといるもの。

キミの言葉に、キミを感じて、
泣きたいほど、せつなくなる私がいるもの。

自分でも、
説明のつかないことを、

キミに訊いてもしかたないことだって、分かってるけど。

ねえ。

夫と、キミと。

どちらがリアルで、
どちらが、フェイク?

どちらもリアルで、

結局、どちらもフェイク・・・なのかな。

「私」は、どこに、たどり着きたいのだろう・・・?

どこかへたどり着く日は、
やってくるのかな?

















一泊二日の無限郷観光に、お供します

2009-01-21 21:29:06 | 関ジャニ∞
TVガイド様。
私もその慰安旅行に連れて行って下さいませ。

浴衣姿のすばる君を、もっと近くで見ていたいの~

その姿で、どうか卓球など、やって頂けないでしょうか?

熱気を帯び、無駄に興奮し、次第にはだけていく浴衣。
飛び跳ねる細い足、
ラケットを持つ手、乱れる髪。

ああっ♪

想像しただけで、
それだけで、

身もだえしそうですぅ。
(病気か? おい)

で、汗をかいたので、もう一度温泉に入りなおしていただいて、

こざっぱりとしたところで、お休みになられてはいかがか、と。

ええ、そうですわね。

お部屋は、大部屋でも楽しゅうございましょうが、
ここは、
くじ引きで部屋割りをいたしましょうか。

どなたと相部屋が楽しいかしら。

大倉さまとでは、彼が、ムダに早く寝ておしまいになられそうですし、

かといって、ヤスダさまでは、いつまでも寝ないでしょうし。

丸山さまでは、暖房バンバンの上、加湿器ガンガンにかけられて、
かえって風邪をお召しになられては、一大事。

村上さまでは、やたらと筋トレを勧められそうな勢いですし。

横山さまでは、寝顔のほかにも、いろいろ写真を撮られそうですし、
(こちらといたしましては、大歓迎ですけれども)

ここは。

やっぱり。

錦戸さまと、枕をともになさって、
なおいっそう、
友情なり愛情なりを育てていただくといたしましょうか。

そのためのクジの小細工くらいは、
ちょちょいのちょいと、させていただきますわ。

朝のお目覚めは、
優しく、枕元で起こして差し上げたいのは、やまやまなれど、

二度目の寝起きドッキリも、捨てがたく。

いえいえ、早朝、まだ夜も明けきらぬうちに、
逢瀬を楽しむのも、慰安旅行ならではですわ。

混浴の露天風呂に、二人。
いったい、何をいたすと言うのやら。

ああ、
なんて素敵なシチュエーション。

朝の冷たい空気の中、
熱い湯に身を緩ませながら、
あなたの愛にのぼせないようにしなくてはなりませんわね。

露天では、うっすらとしていた、そのヒゲも、
身支度を終えられての風呂上りには、
キレイに剃られて、整えられて。

私の大好きなあごのラインも美しく。

うへへ・・・
(やっぱり、病気か?)


バスの中では、

ええ、思いっきり歌おうではありませんか

でも、いくら、「冬のうた集」とはいえ、
雪やこんこくらいは、歌詞がなくても歌えるのでは?

紙面からでは、あなたの声が聞こえないのが、
残念と言えば残念だけれども、

いいえ、
私の耳には、はっきりと聞こえてきますわ。

マイクもないのに、
大っきな、楽しそうな、歌声が。

どこかで、一音はずれてそうな、誰かの声すらも。






なんて、妄想してたら、また、もわもわっと浮かぶカケラの山。

今度は、ちゃんとお話にしてから、UPしようっと。
そうね、
観光協会会長から、全員分のお便りが届いたら、
に、しましょうかしら。










STORY.14 pray 後編

2009-01-21 13:22:53 | 小説
昨日の続きから。

後編になります。

あとがきにかえて、少しだけ。

このお話を書いた当時は、精神的に、結構、辛くて、
すばる君の歌声だけを支えに、日々を乗り越えていました。

私が妄想の中にいるとき、
大抵の場合、すばる君と同年代にまで、私は若くなってます。
年齢詐称も、いいとこなんですけど。
なので、等身大の年齢の私だったら、
彼と、どんな恋の途を辿っているのだろう、
と、想ったのが始まりの、このお話は、
だから、
私の中では、今のところ、一番大切なお話になってます。

彼の昔を知れば知るほど、
彼が乗り越えてきた時間の重さに涙し、
愛しい気持ちが募るばかりだった、あの頃。
TVに映る、
変顔で、おちゃらけているばかりの、彼。
カッコつければ、いくらでもカッコつけれるジャニーズという枠の中にあって、
その姿は、あまりにも自由がすぎていて、
私には、どこかにムリがあるような気がして仕方ありませんでした。
それは、不意に真顔に戻った時の、彼の表情とのギャップが、
そう思わせていただけのことかもしれません。

どちらにしても、
あのころとは比べようも無いくらいに、
なお、いっそう、
私は彼に恋をしてます。

どうか、この恋心を、笑わないで。

一瞬の夢を、見させて。



夢の続きは・・・






ふと、冷たい感触に、彼は、目を覚ました。

ほんの一瞬前まで、その腕の中に抱いていた、
かすかに甘く、刺激的な香りが、

彼の身体に、うっすらと移り、
自分の体臭と同化していく、この時間が、

彼は大好きだった。


なのに。


その日は、別の香りが、彼の感覚を刺激した。

冷たい、と、感じたものが何なのかを見定めたくて、
彼は、目を開けた。


そこに、あったのは。


彼の髪を撫でながら、
優しく微笑んでいる、
大好きな女性の顔だった。

身内以外では、唯一、信頼できる女性。

いつも優しく、いとおしく、
包み込むように、彼に愛情を注いでくれる女性。

他人に甘えるってことが、どんなことか、を。

こんな自分でも甘えていいんだってこと、を。

損得なく理屈なく、教えてくれた女性。

どんな無茶をしても、
どんな悪態をついても、
どんなに無愛想にしても、

ただ、そこにいて、

自分のそばで、自分が解決の道を辿るのを、
見守ってくれる存在。

母親以上に母親的でありながら、
決して、母親には抱かない感情を抱かせてくれる存在。

彼女がいなければ。

果たして、今の自分が存在していたかどうか、すら、

彼は、明確に答えられない。



それほどに大切な彼女の顔を見上げ、彼は、問いかけた。

「どうしたん? 何、泣いてんの」

「いやね、泣いてなんかないわよ」

「だって、哀しそうやん」

彼は身を起こして、
彼女の頬を流れる涙を、手のひらで拭った。

「ああ・・・・・・」

彼女は、気まずそうに微笑んで、
彼の手に、自分の手のひらを重ねた。

彼の右手の甲にある、旧い傷痕に触れて、
彼女は、ふと、
彼の過去に、想いを馳せる。


      この子は、今も、この傷痕に縛られているのだろうか・・・・?

      あの頃の彼が無かったら、私たちは・・・・・・


「大丈夫? また、オレ、貴女を哀しませるようなこと、した?」

彼女は、慌てて、かぶりを振る。

「嬉しかったのよ、キミに逢えて。
 こうして、少しの時間でも、キミを独占できて」

「ごめん、な・・・」

「なにが?」

「もっと、一緒におる時間、あるとええのになあ。
 そしたら、淋しくないやん」

「誰が、淋しいの?」

「え? 貴女は淋しくないん! オレは、めっちゃ淋しいとき、あんのに」

彼は、心底驚いたような表情で、彼女の顔を覗き込んだ。

「淋しくて、貴女にいて欲しい時って、あんねん。
 確かに、ここんとこ、身体は忙しいし、
 頭は、考えなあかんことばっかりやし、
 仕事のスケジュールかて、
 これ以上はムリやろってくらい、詰まってて、
 めっちゃ充実してるって言えば、してんねんけど。

 なんか、・・・なんか足りんねん。ここ・・・・・・」

そういいながら、彼は、自分の胸、
心臓の辺りを、こぶしで軽く叩く。

「ぽっかり空いてる・・・ような気ィがして、たまらんようになるわ。
 なんでなんかなあ」

彼女は、彼の表情に浮かんでいる、
一時の不安や迷いや、淋しさや戸惑い、といったものに、
わざと気付かないふりで、

少し苦笑ってみせ、

「成長した、と、思ってたのになあ。まだまだ、コドモだったんだね」

彼の頭を、小さな子供にするように、

『いい子、いい子』といいながら、撫でてやった。


「うわッ、また、コドモ扱いされたッ!!
 もう、いいかげん、それ、やめてくれや。
 オレ、いくつになったか、知ってんの?」

彼は、彼女の手を振り払いながら、
拗ねた顔で、横を向く。

「25やで。
 もう、ええかげん、コドモちゃうって。
 第一、コドモやったら、貴女とこんな風に過ごさへんやろ?」

「年齢だけのことと、違うんだけど、な」

「じゃあ、なに? オレの、どこがコドモやって・・・」

少し声を荒げそうになる自分と戦うように、
彼は、幾分、普段より低い声でつぶやく。

「そりゃ、貴女に比べたら、年は若い、はるかに、若い。

 けど、でも、
 そんなん、オレのせいと、違うやん。

 これでも、オレ、貴女と逢うときは、精一杯、
 貴女に恥かかさんようにって、そう思って・・・・・・。

 ・・・・・・ムダか、それ。

 どうやっても、年の差は埋められんのんか?

 悔しい、な。

 なんで、もっと、早よ生まれてこんかったんやろ?

 せめて、もうちょっと、貴女に釣り合うくらいの・・・」



      年齢差。



それは、彼にとっても唯一にして最大の、
決して抜けない“トゲ”であり、“地雷”であった。



      コドモなのは、私の方かもしれないわ。
 この時期のこの子に、こんな不安、与えちゃいけなかったのに。


話題を変えなくては、と。

「このあとの仕事の予定は?」

壁の時計に目をやる振りで、彼から、目を逸らした。

「もう、今日は、おしまいや。
 ゆっくりしよう思うて、だから、貴女に連絡とったんやから」

「そっか・・・。じゃあ、どうしよ? 飲みなおす? それとも、何か、食べる?

 シャワー、浴びてきたら?

 この時間からだと、外に行くのはムリ、ね。
 冷蔵庫、何かあったかしら?

 アルコールなら、キミの好きそうなものは、全部、揃ってるけど・・・。

 簡単なおつまみくらいなら、そうねえ・・・」

幾分早口に、思いつくまま、
矢継ぎ早に喋りながら立ち上がった彼女の手首を、

咄嗟に、彼は掴んで、引き戻した。

足元のふらついた彼女は、そのまま、ベッドに倒れこんだ。




一瞬の静寂。



そのまま、彼は彼女の上に覆いかぶさり、
じっと、目を見つめる。


「好きやって・・・
 愛してるって・・・

 言ってもええんかな・・・?

 貴女の迷惑になるんかな。

 貴女は、ずっと、オレのそばにいてくれる?
 
 信じてくれる? 
 オレは、貴女のこと、何より大切なんやって。

 今の仕事、やっと、面白くなってきたとこで、
 忙しくもなって来たとこで、

 前みたいに、貴女に逢う時間、なかなか取られへん。

 それでも。

 大切なんは、貴女だって。

 貴女がいてくれるから、だから、オレ、
 なんだって、どんなことだって、
 乗り越えていける気、すんねん。

 ガキみたいに駄々こねてんの、自分でも、よう分かってる。
 でも、
 このまま、貴女がどこかへ行ってしまいそうで、
 オレから離れていきそうで、
 ・・・・・・怖い。

 好き、やねん。

 好きだから・・・。

 好きってだけじゃ・・・アカンの?」


彼は、彼女の耳元でささやきながら、

その細い腕で、彼女の身体を抱きしめる。

彼女の髪を掻き揚げ、
首筋に、接吻しながら、
 
そこに彼女がいることを、確かめていく。



彼女は。



彼に身を任せながら、
彼を安心させる言葉を、捜そうとしていた。

愛してる・・・

信じてる・・・

何回繰り返しても、
きっと、
彼は、満足しない。

言葉なんか、何の役にも立たない時って、あるもの。



崩れ落ちそうになる彼を救うのは、

千の励ましの言葉ではなく、
万の誓いの言葉でもない。

たった、ひとつ。

抱きしめてあげること、だけ。


その全身全霊で、

愛している、と、
愛されたい、と、

訴え続けている彼に、

応える術は、たったひとつ。



この身の温もりだけ。



      伝わるかしら・・・・・・・?



彼女は、言葉を交わす代わりに、
彼の背中に、精一杯、しがみついて見せた。


彼の瞳が、
彼女の顔を覗き込んで、



ようやく、



安心したように、微笑った。





FⅠN.




 
 



STORY.14 pray 前編

2009-01-20 12:41:59 | 小説
久しぶりの、小説になります。

でも、書いたのは、もうずっと前。
2007年の春先。
「ズッコケ・・・」が出て、47ツアーも始まろうか、という頃のものです。

だから、本編の中の年齢設定が、当時のまま、です。

これを書いた頃と、今と、
私の気持ちは、少しも変わっていません。

というより、
ますます、彼に対する思いは強くなる一方のような気さえします。

とりあえずは、読んでいただけますか?

前編です。

続きから、どうぞ。


彼は、心地よい疲労感に包まれて、まどろみの中にいた。

普段、彼自身は、それとは気付いていないが、
張り詰めた空気と緊張に身を置いている彼にとって、

それは、

ほんの束の間のやすらぎに身を委ねたあとの、
至福の時間ですら、あった。





不意に髪を撫でられても身動きできぬほど、
安心しきっている彼を見て、

彼女は、
愛しさが増すようで嬉しくもあり、

だが、その反面、
不安でもあった。


こんなに疲れている彼を見るのは、いつ以来だろう・・・


出会った頃の彼は、
とても、やんちゃな印象のある少年だった。

未来への期待に、目を輝かせていた。

不安など、微塵も感じさせないくらいに、
毎日が楽しかったのだろう。

彼女に対しても、
臆することなく接してくれた。

彼が人見知りだとは、思わせもしないほど、
なつこい笑顔で、

彼の母親ほどに年の違う彼女に、
まるで、
子猫のような甘え方だった。

時折、
どこか警戒心の強そうな表情を見せ、

無謀とも思えるほどに、やんちゃなとんがり方をして、

その将来を危惧させるようなことが、
なかったわけではない。


いつからだろう。


彼から未来への輝きが薄れ、

あんなに真っ直ぐに、他人を見ていた瞳は、
いつしか、

捨てられた子猫のように、

警戒して他人を寄せ付けない、
どこにいても、
どこからでも、
いつでも、
攻撃態勢にいるような、

それでいて、

怯えたような瞳に変わっていった。


それは、
仕事への期待や抱負に隠された、過剰な重圧感を、
彼自身が、背負いきれていないようにも見えた。

いや、実際には、
ただただ真面目に、彼なりに、
背負おうとしていたのだ。

自分とは無関係なところから発せられる、
無神経な言葉の数々や、
いわれなきバッシングに曝されて、

彼の神経は磨り減るどころか、
壊滅状態ですら、あった。

『やんちゃ』では済まされない無茶もした。

今まで、
友人で味方だと思っていた人々ですら、
彼を見放していく。

信じたいのに、

信じられない。

信じ切れない。

自分以外は、誰も彼も、敵になりえた。


全ては、悪循環だった。


疲れている、というなら、
あの時の彼ほど、
見るに忍びない状態だったものはない。

なにもかも、
全てを投げ出してしまいたい、と。

投げ出してしまっても、
おかしくはない、と。

それでも。

彼女の前では。

彼は、極力、変わらない態度をとろうとしていた。

強がって、
虚勢を張って、
言葉では、オトナぶったことを言いながらも、

彼女にだけは心配をかけまいとする姿が、

痛々しくて、
可愛くて、

愛しかった。


彼が望みさえするなら、


全てを捨てさせ、
なにもかもを許して、包み込んで、

その身の内に仕舞い込んでしまいたいほどの、

せつない感情に、

時間もかからず支配されていく自分に気付いて、

彼女は、少なからず慌て、困惑し、
動揺した。


あの時     


もし、
彼に全てを捨てさせていたら・・・・・・?

もし、
縋り付いて来る彼の手を、振り払っていたら・・・・・・?

もし、
彼のために、全てを犠牲にしていたら・・・・・・?

もし、
彼が、本当に望んでいることに、気付かずにいたら・・・・・・?


いま、ここに、こうして、

彼の寝顔を見ている幸福は、無かったのかもしれない。



      幸福・・・?



改めて、自分に問い返す。




      これは、幸福なの・・・?

      支払った代償は、決して、小さくは無かったのに・・・?



伸びた彼の髪は、
細く、柔らかく、
彼女の指にまとわりつく。


      いつまで、こうしていられるの?

      彼が、私を見捨てるまで・・・・・・?

      必要としなくなる日まで・・・・・・?

      年齢差は、如何ともしがたいわよね。

      今さら、あの頃には、戻れないし。

      ただ、彼を応援しているだけの、普通の・・・・・・




不意に流れ落ちた涙が、
彼の頬を掠めて、シーツに小さな染みを作った。

それはまるで、
ふたりの間にある、消えないしこりのようで。

彼女にとっては、象徴的ですら、あった。





後編へ続く。








レンジャー、GO ON! あとがきとオマケ

2009-01-19 21:56:04 | 妄想のカケラ・ショートストーリー 
嗚呼、やっと決着したぁ!

中身のないお話なのに、一週間かかっちゃった(^_^;)

途中、結末が2種類浮かんでしまった時は、どうしようかと思いましたが、
打ち込んでるうちに、こうなりました。

次は、そろそろ、ちゃんとした妄想小説をupしたいと考えてます。

今日は、ゴールデン枠で、
ジャニーズなのに、なにげヘタレな中丸くんと、
にこにこマッスーを見て、家族中で、大笑いし、

さっきまで、トーマ君を見て、さわやかさに癒されてました。

落ち着いてTV番組を見れるのも、今夜まで。

明日には、CMの度にチャンネルを変える、せわしない夫が帰ってきます。

嬉しい反面、
どこかで、ちょっと、・・・なあたし。

今回は、なんにも起こらないといいなあ。

いや、でも、絶対に、ひと悶着あるに決まってるもんなあ。

私の愛は、彼に通じているのか否か。
それが問題なんだよねえ。

愛されてるって、カンジさせてほしいなあ。
一瞬でもいいから、
錯覚させてほしいだけなんだけどなあ。

私が一番大事なんだよって。

すばる君の愛は、カンジとれるのに、
肝心の夫の愛を感じ取れない妻って・・・

結局、似たもの夫婦って、こと?




それはさておき、
もう少し、妄想レンジャーにお付き合いください。

続きで、オマケです。


鍋を囲んで、にぎやかに食事中の、10人。

「すみません、僕らまで、ご馳走になってしまって」
「ほんとに、いいんですか?」

「ええねん、ええねん」

「今回の立役者やん」

「二人のおかげで、僕、ここに戻ってこれたんやから」

「がっつり食べてや」

「ちゃっちゃと食わんと、なくなるで」

「はふ、はふっ! うまい、これ、うまい!!」

「あかんわ~、めっちゃ、おいしいやん」

「遠慮しとったら、全部、なくなるわ。取ったろか?」

「あ、すみません」
「頂きます」

食事終了後。

「ところで、あの、ほいほい、なんで?」

「なにが?」

「そうやわ、あれ、最初に仕掛けたとき、なんも取れてなかったやん」

「だから、タイミングがずれてるとかって・・・」

「ああ、あれな」

「俺ら、なんもしとらへんわ」

「俺も、しとらんし。放っといただけやん」

「あ、僕、ちょっと、小細工したかも」

「なにやったん?」

「エアコンの設定温度、上げた」

「設定温度?」

「そう。エアコンさあ、20℃になってたやん」

「ああ、エコやからな」

「それを、ちょっとあげてェ」

「何度にしたん?」

「30℃」

「はあ?」

「なんて?」

「せやから、30℃」

「それ、あかんやん」

「エコに反してるがな」

「無茶するな、相変わらず」

「だって、Gって、暑いほうが動きが活発やんか」

「それは、そうかもしれないけど」

「オレンジの考えそうなことや」

「Gの出やすい環境を作ったってことか」

「おう! 頭、ええやろ?」

バコッ!!

「痛いって、ナスレンジャー」

「どついたれ、どついたれ」

「え~、なんでやあ?」

「おまえ、思いっきし、エコちゃうやんけ」

「まあまあ、そのおかげで、悪悪少年団も撃退できたわけやし」

「レッドは、知ってたん?」

「なにを?」

「オレンジが、温度上げてたん」

「しらんよ、そんなん」

「ほんなら、なんで、オレンジにGほいほい持って来いって言うたん?」

「いや、あの、あれって、粘ってるやん」

「粘ってる・・・?」

「あ! 粘着シート!!」

「Gが取れるんやったら、あいつらも捕まえれるかな、と・・・」

バコッ!!

「イタイ、イタイってーッ!」

「Gと、大きさが違うやんけ」

「どうしたら、悪悪少年団があの中に入れるん?」

「ええやんけ、うまいこと、いったやん」

「僕らの攻撃で、Gが大きくなること、わかってたん?」

「そこまで計算できひんやろ」

「偶然やったんや」

「さすが、レッド」

「いや、そこ、感心するとこちゃうやろ」

「そうやで。僕のお手柄やで」

「それもちゃうわ」

「やっぱ、オレンジ、あほやわあ」

笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑)) 笑))  ∞






END.