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『ヒトラー最期の12日間』

2010年02月14日 | 映像

Der Untergang
(2004 ドイツ/イタリア/オーストリア)


監督 :オリヴァー・ヒルシュビーゲル
製作 :ベルント・アイヒンガー
脚本 :ベルント・アイヒンガー
出演者 :ブルーノ・ガンツ/アレクサンドラ・マリア・ララ


《あらすじ》
1945年4月20日、ベルリン。ヒトラーは56歳の誕生日を総統地下壕で迎えた。ソ連軍の猛攻により包囲網が狭まる中、ヒトラーはもはや実行不可能な攻撃命令を叫び続け、側近たちを追いつめていく。極限状態に陥った地下要塞の人々が酒盛りやパーティーに興じる一方で、地上のベルリン市街では兵士や市民が苛酷な戦闘に身を捧げ、命を落としていった。
戦況は刻一刻と悪化、いよいよ敗戦を確信したヒトラーはある重大な決意のもと、長年の愛人エヴァとささやかな結婚式を挙げる。それは"第三帝国"の遅すぎた終焉の合図だった…。

《この一言》
“ 自業自得だ ”




戦争映画は苦手です。気が滅入って仕方ない。でも、本作は私が以前から少し気になっていた映画です。予想していたよりは、ヒトラーが中心に描かれているということはありませんでした。邦題はインパクトがありますが、内容とあまり合っていないかもしれません。原題は「陥落」とかそういう意味なんだそうです。でも、ヒトラーの最期の12日間が描かれていることは間違いありません。じゃ、やっぱりいいのか。

色々と考えるべきことがあるような気がしますが、私は今はたいして深いところまでは考えられません。映画を観て思ったのは、ドイツが第二次大戦で負けたあと、軍の幹部たちは10年とか20年という長期間にわたって刑務所に入れられていたようですが、その長い年月の間に彼らはいったいどんなことを思ったのだろうかとか、20世紀前半は大きな戦争に挟まれていたけれど、当時を生きた人々はどうやってその悲惨に耐えていたのか、人間の心がどうやって度を超した自分たちの蛮性に耐えたのか(それとも耐えていなかったのか)とか、そういうことばかり気になってしまいました。

私は悲しいものの多くは美しいと思うのですが、どうやっても美しいと思えない悲しいもののひとつがこの戦争というやつです。どこにも美しさを見いだせない。どこまでも悲しいだけで。
世の中はなんて悲しいんだろう。こんなに悲しいのに滅んでしまわないのは、どうしてなんだろう。
世界は美しい。それはいつだってそうなのかもしれないけれど、その美しさは今のところ私たちから争いを遠ざけるには、あまりに弱過ぎる。世界も、人間も、どちらもいつだってどこかしら美しかったはずだ。それなのに、私たちはそれを手当り次第に破壊せずにはいられなくもなる。これは一体なんのためだろう。…私にはその破壊の欲求というものが全然分からないなんて言うつもりはないけれど。分かるから、分かるから、分からない。
美しいだけでは足りない。けれど、足りていないのはどちらだろう。この世界の美しさだろうか。それとも我々の、その美しさを十分に受け取るための力だろうか。
ああ、こんな考えでは全然足りない。こんなものでは全然迫れない。頭にくる。




とても滅入りました。
久しぶりに、とても不快になりました。





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