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『探偵オペラ ミルキィホームズ(第2幕)』

2012年04月10日 | 映像(アニメーション)


《あらすじ》
――二十一世紀。
『トイズ』と呼ばれる特殊能力を持つ探偵と怪盗、二つの存在が世界を賑わせている時代。世界は空前の『大探偵時代』をむかえていた。

せっかくトイズが戻ってきたのもつかの間、またまたトイズを失ってしまったミルキィホームズの4人。好敵手の復活を強く望むアルセーヌ(=アンリエット)は、ミルキィホームズがトイズを取り戻すようにと、陰になり日向になり4人をサポートするが、トイズが復活する気配は全くない。それどころか、4人は貧乏生活にすっかり慣れ、ダメダメ街道まっしぐら。遂にはトイズだけでなく、学院生活に一番大事なものもすっかり忘れてしまい・・・。


《この一言》
“「犯人は、あなたです!」 ”



ノーチェックだったのに、結局2012年冬アニメのなかで一番楽しみに観ていたのが、この『ミルキィホームズ』です。私は(第1幕)を観ておらず(第2幕)からの視聴でしたが、先の展開の読めなさ加減では他の追随を許さない作品でしたね。第1話からビックリしすぎて大変でした。最終回まで観ても結局どういうジャンルのアニメに属していたのか私には判断できません。シュールギャグ、ミステリ風味?といったところでしょうか。私はこういうのがものすごく好きです。
とにかく、徹底的にドタバタ喜劇。勢いの良さだけで強引に結末まで引っ張られたような気もしますが、あの一貫したテンションの高さには痺れましたね。突き抜けるような清々しさすら覚えます。


また、「探偵オペラ」というタイトルからも推測されるように、主人公の女の子たちは探偵(もしくは探偵を目指している)という設定のはずですが、これが少しも推理なんかしません(^_^;) 事件らしきものが起こっても、ミルキィホームズの面々はそれに巻き込まれるばかりで、ちっとも解決に貢献できない。…でも、ものすごく可愛いんだなあ!

ミルキィホームズのメンバー4人は、見た目はとっても愛らしい女の子たちですが、中身が実に個性的でそれが素晴らしく魅力的です。このあたりも、一見無難な「萌えアニメ」かと思わせて、激しく裏切られていい感じでしたね。割と全員変態・変人な感じです。それが逆に萌えるというか。キャラ設定としては、大変に高度なテクニックですね!

私が愛したのは、ミルホの中でも一番のお姉さんキャラ(たぶん)であるコーデリア・グラウカさん。



お花畑が大好きな夢見がち(暴走気味に)なお嬢さんです。口がハート型をしていて、転げ回りたいほどに可愛いっ!! 私はコーデリアさんのハートなお口を見るたびに、ホワワワワ~(´∀`*)な気持ちにさせられましたね。コーデリアさん、LOVE! 可愛いよぅ~~!!

それから、真直ぐで元気いっぱいでひたすらボケ倒しのシャーロック・シェリンフォード(通称「シャロ」)、人に稼がせたお金をFXに注ぎ込んでは大損をこく銭ゲバな譲崎ネロ、内気で心優しく読書好き(でも中身はエロ小説で妄想癖あり?)なエルキュール・バートン(通称「エリー」)。
ミルキィホームズの面々は、いずれも可愛らしいのです。探偵らしいことを微塵もできませんが、それでも彼女たちは立派な探偵になることを目指しているんですね。そこがまた可愛い。



ミルキィホームズと対立するのは、アルセーヌという巨乳美女がリーダーを務める「怪盗帝国」の面々。その正体は、ミルキィホームズの意外なほど身近な人物ですが、もちろん誰も気づきません(^o^;) トゥエンティというキャラの変態っぷりが、このアニメを許せるかどうかを大きく左右してしまいそうなほどに激しくて印象的でしたかね。

さらに、「G4」と呼ばれる警察による対怪盗事件捜査チームも登場します。メンバーはもちろん美少女4人組です。そしてもちろんこの「G4」のメンバーも一癖あるキャラクターばかりなのです。明智小衣(こころ)ちゃんの声優さんは、さぞかし大変だったろうなぁ…と思うことしきり。このアニメでは一番台詞が多くて速くて大変だったんじゃないでしょうか。


物語は、基本的には1話完結方式で進みます。タイトルは小説や映画などのパロディとなっており、アニメの内容もいくらか元ネタをパロっている部分もうかがえたので、その方面に深い知識をお持ちの方ならニヤニヤして見られるかもしれませんね。小説や映画以外にも、アニメネタ(ジブリからサザエさんまで。ムスカ先生らしき人が幾度か登場)や、漫画ネタ(から派生した「ジョジョ立ち」ネタとか)、時事ネタ(「DQスライム肉まん」が食卓にチラッと映ったり)などが盛りだくさんです。よくまあこれだけ詰め込むものですね!


(第2幕)は全12話。私はどれも面白かったですが、なかでもこれらのお話が気に入りました(というかショックを受けました)。


 ★第1話「野菜の果て」

 ★第4話「ミルキィホームズの寝相」

 ★第6話「エノ電急行変人事件」

 ★第11話「ラードの神」

特に、やっぱり第1話の「野菜の果て」の衝撃は凄まじかったなあ。どう反応していいやらサッパリ分からんかった…! 探偵アニメだと思って見てみたら、農業アニメだったでござる。みたいな(^o^;) けど正直言って、ミルキィホームズの女の子たちは、探偵になるよりも農業をやるほうが向いてそうじゃね?、とか物語の前提を最初から覆してしまいそうな気持ちになったけど、面白かったとしか言えない。

それから第11話の「ラードの神」も、ハチャメチャぶりが軽く常軌を逸していましたね。1分先の展開すら読めなかったわ…! まさかあの人物があんなに激変身するなんて、しかももしかしたらこのためにその伏線がこれまでにもずっと貼られていたんじゃないかしら、恐ろしいわ!! などと真剣に考えさせられそうにもなりましたが、そんなことを考える余裕もないほどに急展開の神回(まさにタイトル通り)でしたね。描写の気持ち悪さでも群を抜いていました…。いや、すごかった……

一番ミステリー風味を味わえたのは、第6話の「エノ電急行変人事件」でしたかね。珍しく探偵ものっぽかったです。ちゃんとオチもついたし。


ところで、私は第1話を観た時、「背景が小林七郎さんっぽい…」と思ったのですが、違う人でしたね。しかし調べてみると、小林さんは(第1幕)において美術監督をなさっていました。この方は私の好きなアニメの美術監督としてよく見るお名前です。『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とか『少女革命ウテナ』とか『怪盗セイント・テール』とか。超有名な美術監督なので、沢山の作品に関わっておられるのは当然ですけれども。落ち着きのある美しい手描きタッチの背景が印象的ですよね。やっぱり(第1幕)もいずれ観ることにしよう!



というわけで、私は個人的にものすごく楽しんで観た作品です。手放しにおすすめはできませんが、こういう作品がときどきあると、心が安らぎます♪






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