今日の勉強会で演奏したのは、この曲。
クープラン(1668~1733年)、バロック時代のフランスの作曲家です。
ルイ14世の時、ベルサイユ宮殿の音楽家に就任。
この曲は、ルイ14世が亡くなってルイ15世が幼くして即位し、周りの貴族らに翻弄されるのを憂い、風に揺らぐ川辺の葦に重ね合わせたのだ、という原田先生のお話でした。
2月の旅行では、RER(パリ高速鉄道)に乗り、ベルサイユ宮殿へも行きました。
クープランが、ここでクラブサンの演奏していたとは!
写真も撮っていますよ~。これは、その中のプチトリアノンだったと思いますが・・・。
マリーアントワネットや皇室の姫君は、ここでクープランに習っていたのかも知れませんね。
ルイ15世の王女らは、それに見合う相手がなかなか居ず、一生をここで過ごしました。
図書室には様々な専門書がぎっしりあり、いつも本を読んだり、音楽を演奏したりしていたそうです。
これは、マリーアントワネットと王女・王子の肖像画
娘との2人旅。
行きの列車では、ミュージシャンが。
マリー・アントワネットは、こんな広大な田舎を人工的に作らせていました。
一見、きらびやかな宮殿ですが、息が詰まる想いもあったのでしょう。
この田舎の風景もどこか寂しげです。
牛や馬、ガチョウなどがいて、少し癒されました。
さて、この「葦」ですが、このような雅な世界の音楽なのです。
私はここに行っておきながら、原田先生のお話をお聞きするまでそれを全く思い出しませんでした。
左手のずっと続く16音符は、音楽の背景です。
風景画を描くように、空気感を表わさねばなりません。
2音ずつよく響きを聴いて、ハーモニーを作って行きます。
それには、テクニックが必要で、「毎日の練習12か月」が予備練習にぴったり。
右手の装飾音符はパンセというそうですが、優雅で特に前打音が付くと、さらに美しい。
曲の末尾のカデンツも、響きをよく聴いてバランスを取ると、とても上品な余韻で終わります。
勉強会から帰って家で弾くと、昨日までの自分と全然違う、生まれ変わったような演奏となりました。
こんなに優雅で美しい雰囲気のある曲だったんですね・・・。
音の響きをよく聴くことは、本当に大切。
それをコントロールするためのテクニックも必要。
改めて実感しています。
毎月、こんな勉強ができて幸せ。
思い切って、ベルサイユ宮殿にも行ってよかった。