「盗まれた世代」を描いた
映画「裸足の1500マイル」
からクニの話に戻ります。

上の絵は「マキナニーと書かれた箱」
洗濯部屋でいつものように、おねしょ
で濡らしてしまったラグを洗っていた
クニは、自分たちの名字マキナニーと
書かれた段ボール箱に気がつきます。
「なぜ私たちの名字が書いてあるの?」
嫌な予感がしました。
しかし、シスターに質問することは
禁じられており、クニは動転します。
下の絵は「最後の列車」と題された絵
子どもたちだけが乗車していて、
外で見送るアボリジナルの大人。
クニはこの列車で、収容施設が
あったアウトバックの小さな集落
ウードナダッタを出て行きました。
自分の名字が書かれた箱を見ていた
ので、自分やきょうだいが帰れる
のかどうか不安に慄いていました。
母親に手を振ることはできず、
罰を恐れて泣くこともできず、
孤独に苛まれたクニは約9歳。
嫌な予感は的中します。
母親には「子どもは遠足に行った」
と告げられました。
クニは21歳で母親と再会します。
子どもを奪われてからの母親は
仕事の後、毎日違う木の下で
子を想って泣いていたそうです。

12人の子どものうち9人を奪われ
白人家族との養子縁組や里子で、
誰も戻っては来ませんでした。
1人はパプアニューギニアに送られ、
何人かは再会を果たせぬまま、
母親は50代でこの世を去りました。
「私が生い立ちを語るのは、一緒に施設に
収容されていた他の子たちのためです。
誇れるものがあれば、ともに癒されます。
楽しかった時、辛かった時、哀しかった時
すべてを赤裸々にしたいのです。施設では
非常に厳格に育てられ、母親が子どもに
絶対にしないようなこともされました。
創作が私の命を救ったと信じています。」
どんな状況の中でも諦めなかった
誇りと創作

子どもたちの活き活きとした表情
の意味が少し理解できました。
子どもたちは苦しみと寂しさの中に

小さな楽しみを見つけ出し
懸命に生きていきました。

過ちから学べる最良の教訓は、
繰り返さないことだと思います。
そのためには過ちをきちんと
理解することが欠かせません。

この展示がオーストラリア中の
子どもたちの目に触れ、世代を
超えて受け継がれていくよう
願って止みません。
=============
ここはしばらく2019年が続きますが
リアルでは大晦日ですね。
どうか良いお年をお迎えください。
新年もどうぞよろしくお願いします。
西蘭みこと
映画「裸足の1500マイル」
からクニの話に戻ります。

上の絵は「マキナニーと書かれた箱」
洗濯部屋でいつものように、おねしょ
で濡らしてしまったラグを洗っていた
クニは、自分たちの名字マキナニーと
書かれた段ボール箱に気がつきます。
「なぜ私たちの名字が書いてあるの?」
嫌な予感がしました。
しかし、シスターに質問することは
禁じられており、クニは動転します。
下の絵は「最後の列車」と題された絵
子どもたちだけが乗車していて、
外で見送るアボリジナルの大人。
クニはこの列車で、収容施設が
あったアウトバックの小さな集落
ウードナダッタを出て行きました。
自分の名字が書かれた箱を見ていた
ので、自分やきょうだいが帰れる
のかどうか不安に慄いていました。
母親に手を振ることはできず、
罰を恐れて泣くこともできず、
孤独に苛まれたクニは約9歳。
嫌な予感は的中します。
母親には「子どもは遠足に行った」
と告げられました。
クニは21歳で母親と再会します。
子どもを奪われてからの母親は
仕事の後、毎日違う木の下で
子を想って泣いていたそうです。

12人の子どものうち9人を奪われ
白人家族との養子縁組や里子で、
誰も戻っては来ませんでした。
1人はパプアニューギニアに送られ、
何人かは再会を果たせぬまま、
母親は50代でこの世を去りました。
「私が生い立ちを語るのは、一緒に施設に
収容されていた他の子たちのためです。
誇れるものがあれば、ともに癒されます。
楽しかった時、辛かった時、哀しかった時
すべてを赤裸々にしたいのです。施設では
非常に厳格に育てられ、母親が子どもに
絶対にしないようなこともされました。
創作が私の命を救ったと信じています。」
どんな状況の中でも諦めなかった
誇りと創作

子どもたちの活き活きとした表情
の意味が少し理解できました。
子どもたちは苦しみと寂しさの中に

小さな楽しみを見つけ出し
懸命に生きていきました。

過ちから学べる最良の教訓は、
繰り返さないことだと思います。
そのためには過ちをきちんと
理解することが欠かせません。

この展示がオーストラリア中の
子どもたちの目に触れ、世代を
超えて受け継がれていくよう
願って止みません。
=============
ここはしばらく2019年が続きますが
リアルでは大晦日ですね。
どうか良いお年をお迎えください。
新年もどうぞよろしくお願いします。
西蘭みこと