― The Abominable Bride 『忌まわしき花嫁』 感想と検証 : (1) ―
↑ ヴィクトリア朝ヴァージョンタイトル画面。
DVDを観まして、色々感じる事が多く、気付いた点等に触れてみようと思います。
セリフ詳細はdicoさんがセリフ全訳挑戦して下さったので、今回は内容詳細には触れず感想、気になった点、
等に触れて検証してみようと思います。
実際にご覧になるまで遮断なさりたい方は申し訳ありませんが回避お願い致します。
兎に角一度観て直ぐに気付くことは、これまでのエピソードもそうであったのですが それ以上に正典、グラ
ナダ版のセリフ、シーンへのオマージュに満ち溢れている事に感動します。
モファティス両氏のシャーロックおたく度満載、遊び心満載といった感じを受けました。
特にこのエピソードは正典、これまでのシリーズ、グラナダ版を観ていないと関連が良く分からないのでは
ないかと思われます。
Sherlock Specialの制作発表時から何度も示されていた ”Goasts"、”More deep, more dark” 特に”goast"
が複数になっている点が明らかにされています。
作品を通して ヴィクトリア朝部分はかなり画面のトーンがダークになっているしよりグラナダ版に近い
雰囲気になっていました。
さて 作品を観て気付いた、 正典或は今までのBBC版、又グラナダ版からの引用、類似点等順次挙げて
みました。
”何故ヴィクトリア朝なのか?” に関しては、以前「妄想、推測」した事に殆ど正解、当たらずとも
遠からずって感じでしたね。
(自画自賛)。
今回のタイトル ”The Abominable Bride” については以前何度も書きましたが正典 ”The Adventure of
the MusgraveRitual” (マスグレーブ家の儀式書)の中で述べられている”Ricoletti of the club foot and his
abominable wife" (内反足のコレッティとその忌まわしい妻”と言う記述があり、これはホームズが過去に
扱った事件の名前とだけ記されています)。
導入部分はワトソンの回想、モノローグ → これも予想通り "A Study in Scarlet” or “A Study in Pink”
でのワトソンのモノローグ形式は正典及びグラナダ版で使われている手法ですね。
これも予想通り(しつこい)。 スタンフォードの姿もあったし、誰でも想像できましたよね。
↑
221B の外からのシーン。 これに至っては全くグラナダ版!
trailerで観た時からチョット驚く程で、グラナダ版をそのまま使ったのではないかと思われる程!
イントロテーマ音楽もそのままという拘り(?)
Speedy's Cafeは ”Speedwell's Restaurant and Tea Rooms" となっています。
↓
香水の香りで訪ねて来た女性がメアリーである事を指摘する :
ホームズは香水の論文を書いているし、BBC版の”The Hounds of the Baskervilles”、”His Last Vow”
でも香水に触れるセリフがありました。
映画版 ”Mr. Holmes”でも香水に関連する考察が使われていました。
香水には詳しいんです。ホームズは。
シャーロックが階段を昇って来た足音だけでレストレードだと分かる場面 :
”lighter than Jones, heavier than Gregson" (ジョーンズより軽く、グレッグソンより重い)のジョーンズと
グレッグソンは正典に何度か登場するアセルニー・ジョーンズ警部、とトバイアス・グレグソン警部の事ですね。
因みにジョーンズ警部は拙ブログで先日触れました 『モリアーティー』では大活躍でした。
レストレードがリコレッティ夫人の事件を説明するシーンで、221Bの居間が現場にあるかの様な設定、画面
構成は斬新で驚かされます。
↓
シャーロックのセリフ ”My Boswell is learning” (僕のボズウェルも成長したもんだ)
の”ボズウェル”は英国の伝記作家 James Boswellで、これは”A Scandal of Bohemia" ( ボヘミアの醜聞)
の中でのホームズの言葉 ”I am lost without my Boswell" (僕のボズウェルが居ないと困るんだ)に由来し、
又 ”The Great Game” で ”I'd lost without my blogger”(僕のブロガーが居ないと困る)にも引用
されていました。
”Elementary, My dear Watson” (基本的な事だよ、ワトソン君) は有名なホームズ語録の1つですが、
今回BBC版で初めて聞けました。
S1の時だったか、ゲイティス御大が 「Elementaryは現代の若者が使うには古臭い言い回しなので シャー
ロックには言わせなかった」と語っていたと思います。
マイクロフトはS1~S3で2,3回言っていましたっけ。
メアリーに届けられたカードに書かれた ”M” は一瞬モリアーティー(?)かと思ってしまったのですが
ハドソンさんから「誰から?」
と聞かれ「イングランド」と答えたと言う事は マイクロフトの事なんですね。、”Immediately” で呼び
出され嬉しそうなメアリー って事はメアリーとマイクロフトが何故繋がっているのか・・・。
↑
モルグでのモリーちゃんの姿は 昨年画像が出回った時点で 何かの冗談かと思ってしまいましたが、よく
考えてみるとこの時代の女性の地位(女性蔑視の状況下)を示す時代背景を表しているんでしょう。
そう言えば、今度書く予定をしている(頓挫してます!)『コナン・ドイルの事件簿』に於いても、何とか
医学大学に入学を許可された女子学生が周囲の偏見や迫害にあい男装をして通学する記述がありました。
まだまだ沢山ありますので、
・・・・・to be continued
→ Sherlock : The Abominable Bride 感想と検証 : (2)
↑ ヴィクトリア朝ヴァージョンタイトル画面。
DVDを観まして、色々感じる事が多く、気付いた点等に触れてみようと思います。
セリフ詳細はdicoさんがセリフ全訳挑戦して下さったので、今回は内容詳細には触れず感想、気になった点、
等に触れて検証してみようと思います。
実際にご覧になるまで遮断なさりたい方は申し訳ありませんが回避お願い致します。
兎に角一度観て直ぐに気付くことは、これまでのエピソードもそうであったのですが それ以上に正典、グラ
ナダ版のセリフ、シーンへのオマージュに満ち溢れている事に感動します。
モファティス両氏のシャーロックおたく度満載、遊び心満載といった感じを受けました。
特にこのエピソードは正典、これまでのシリーズ、グラナダ版を観ていないと関連が良く分からないのでは
ないかと思われます。
Sherlock Specialの制作発表時から何度も示されていた ”Goasts"、”More deep, more dark” 特に”goast"
が複数になっている点が明らかにされています。
作品を通して ヴィクトリア朝部分はかなり画面のトーンがダークになっているしよりグラナダ版に近い
雰囲気になっていました。
さて 作品を観て気付いた、 正典或は今までのBBC版、又グラナダ版からの引用、類似点等順次挙げて
みました。
”何故ヴィクトリア朝なのか?” に関しては、以前「妄想、推測」した事に殆ど正解、当たらずとも
遠からずって感じでしたね。
(自画自賛)。
今回のタイトル ”The Abominable Bride” については以前何度も書きましたが正典 ”The Adventure of
the MusgraveRitual” (マスグレーブ家の儀式書)の中で述べられている”Ricoletti of the club foot and his
abominable wife" (内反足のコレッティとその忌まわしい妻”と言う記述があり、これはホームズが過去に
扱った事件の名前とだけ記されています)。
導入部分はワトソンの回想、モノローグ → これも予想通り "A Study in Scarlet” or “A Study in Pink”
でのワトソンのモノローグ形式は正典及びグラナダ版で使われている手法ですね。
これも予想通り(しつこい)。 スタンフォードの姿もあったし、誰でも想像できましたよね。
↑
221B の外からのシーン。 これに至っては全くグラナダ版!
trailerで観た時からチョット驚く程で、グラナダ版をそのまま使ったのではないかと思われる程!
イントロテーマ音楽もそのままという拘り(?)
Speedy's Cafeは ”Speedwell's Restaurant and Tea Rooms" となっています。
↓
香水の香りで訪ねて来た女性がメアリーである事を指摘する :
ホームズは香水の論文を書いているし、BBC版の”The Hounds of the Baskervilles”、”His Last Vow”
でも香水に触れるセリフがありました。
映画版 ”Mr. Holmes”でも香水に関連する考察が使われていました。
香水には詳しいんです。ホームズは。
シャーロックが階段を昇って来た足音だけでレストレードだと分かる場面 :
”lighter than Jones, heavier than Gregson" (ジョーンズより軽く、グレッグソンより重い)のジョーンズと
グレッグソンは正典に何度か登場するアセルニー・ジョーンズ警部、とトバイアス・グレグソン警部の事ですね。
因みにジョーンズ警部は拙ブログで先日触れました 『モリアーティー』では大活躍でした。
レストレードがリコレッティ夫人の事件を説明するシーンで、221Bの居間が現場にあるかの様な設定、画面
構成は斬新で驚かされます。
↓
シャーロックのセリフ ”My Boswell is learning” (僕のボズウェルも成長したもんだ)
の”ボズウェル”は英国の伝記作家 James Boswellで、これは”A Scandal of Bohemia" ( ボヘミアの醜聞)
の中でのホームズの言葉 ”I am lost without my Boswell" (僕のボズウェルが居ないと困るんだ)に由来し、
又 ”The Great Game” で ”I'd lost without my blogger”(僕のブロガーが居ないと困る)にも引用
されていました。
”Elementary, My dear Watson” (基本的な事だよ、ワトソン君) は有名なホームズ語録の1つですが、
今回BBC版で初めて聞けました。
S1の時だったか、ゲイティス御大が 「Elementaryは現代の若者が使うには古臭い言い回しなので シャー
ロックには言わせなかった」と語っていたと思います。
マイクロフトはS1~S3で2,3回言っていましたっけ。
メアリーに届けられたカードに書かれた ”M” は一瞬モリアーティー(?)かと思ってしまったのですが
ハドソンさんから「誰から?」
と聞かれ「イングランド」と答えたと言う事は マイクロフトの事なんですね。、”Immediately” で呼び
出され嬉しそうなメアリー って事はメアリーとマイクロフトが何故繋がっているのか・・・。
↑
モルグでのモリーちゃんの姿は 昨年画像が出回った時点で 何かの冗談かと思ってしまいましたが、よく
考えてみるとこの時代の女性の地位(女性蔑視の状況下)を示す時代背景を表しているんでしょう。
そう言えば、今度書く予定をしている(頓挫してます!)『コナン・ドイルの事件簿』に於いても、何とか
医学大学に入学を許可された女子学生が周囲の偏見や迫害にあい男装をして通学する記述がありました。
まだまだ沢山ありますので、
・・・・・to be continued
→ Sherlock : The Abominable Bride 感想と検証 : (2)