グラナダ版 シャーロック・ホームズの冒険 : 『踊る人形』 ”The Dancing Men” (最後&感想)
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ホームズは使用人たちを集め 誰か近所にエルリッヂと言う名の宿を知らないか
尋ねると下男のウォーカーがその名前の農場経営者が居ると答えました。
孤立した農場で今回の事件を知らない可能性は高いと。
ホームズは、ここに自分が居る事、事件の事は話さないように指示し書いた手紙を
エイブ・スレイニーに届ける様に依頼します。
「手紙を読んだ人物は駆けつけてくるはずだ」、と言い 召使のサンダースには、そ
の人物が来たらこの部屋に案内する様に。何事もなかった様に普通に振舞う様に
指示します。
そして仕事に戻るキング夫人には「夫人は無実ですよ」と安心させるホームズ。
マーティン警部は暗号を見て、「良く解読したな」と感心しますと、ここでワトソンの
出番です。
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それには法則がある。「解読のカギとなったのは一つの文字 ”E” だ。英語で一番
多く使われる文字だよ。 夫人の名前がエルシーだったのは幸運だった。2つ目の絵では
”E” だけではなく ”L", ”S", ”I” もあった。 二つのメッセージは何かを訴えて
るはずだ。 そこに ”T” と ”G” が加わり ”エルリッジに来い” だ」と まるで
自分が解明したかのように説明するワトソン(さっぱり分からないって云ってたくせに)
それをうっすら微笑みながら黙って聞いているホームズの表情はワトソンに対する信頼感と
スポークスマンにお任せという目に見えぬ絆の様なものが現れていて凄く良いシーンです。
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スレイニーが犯人なら直ぐに逮捕を とはやる警部ですが、ホームズは自分が呼び寄せた
ので今ここに向かっている筈だと言います。
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そこへサンダースが、男が近づいている事を知らせに来ると ホームズはサンダースに指示
しながら銃を手に扉の影に潜みます。
指示通りに書斎にスレイニーを書斎に案内するサンダース。(この子は大したモンです)。
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スレイニーが書斎に入った途端頭に拳銃を突き付けられます。
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(珍しくホームズ自身で拳銃を持ったケースですね)
すぐさま警部が手錠を掛けました。
(それにしても かなり ”髭髭”してますなぁ、このスレイニーは)
ホームズが 「エイブ・スレイニーだな?」と確認すると、「君は誰だ?」
「私の名前は知らないだろうが シカゴ警察と言えば覚えがあるだろう」とホームズ。
そして「悪い知らせがある。 キュービット夫人が瀕死の状態だ」と知らせると、スレイニーは
一時間前に彼女から暗号の手紙を貰ったのだから、と信じようとしません。
するとホームズは「解読されない暗号は無い」と言い、これまでスレイニーがエルシーに宛てて
書いた暗号を解読してみせます。
そして、エルシーがキュービット氏の死に絶望して自殺を図り危篤状態だと聞かされたスレイニーは
動揺して彼女に会わせてくれと懇願しますが ホームズは彼女は夫殺しの容疑が掛けられているので
その疑いを晴らせるのはお前だけだと諭します。
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自分に出来る事は真実を話す事しかないと スレイニーがこれまでの経緯を話し出します。
エルシーの父親はシカゴの大物(暗黒街の有力者)で、”踊る人形”は彼が作り自分たちが暗号として
使っていた。 エルシーと自分は婚約していたが 彼女はシカゴを嫌いヨーロッパへ逃げた。
彼女の結婚後ようやく居場所が分かり手紙を送ったが返事をくれなかった。
ホームズは冷たく「燃やしたんだ」と言います。
「彼女は幸せに暮らしていたんだ」とワトソン。
エルシーを連れ戻しに来たがメッセージを残しても音沙汰が無い為苛立って脅すことになった。
ところが昨日エルシーから手紙があり、夫が寝た後会って話をしようと言う内容だった。
エルシーは結婚してとても幸せだ。彼を愛している。 ヒルトンを巻き込みたくないから私の全財産を
渡すからこれで諦めてくれと懇願します。
婚約していたと言うスレイニーに、父親が勝手に決めた事だから帰ってくれと頼みます。
一緒に帰ろうともみ合いになった時キュービット氏が部屋に入って来て窓から逃げようとしたスレイニー
に向けて発砲。 スレイニーが撃った弾はキュービット氏の心臓を一撃し、死亡させてしまった。
それを見たエルシーは絶望して自ら頭を撃ち自殺したのでした。
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(すべてホームズが推理した通り)
スレイニーは無事逮捕されました。
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又難解な事件が起きたら是非ご協力を願いたいとお礼を述べる警部にそっけない顔を向けるホームズ
ですが、ワトソンから「手紙に何て書いたんだ?」と聞かれると「解読して見ろ」と穏やかな表情に
変わるシーンが印象的です。
ワトソンが暗号で書かれた手紙を解読すると ”Come here at once” 「今すぐにここに来て」。
「簡単だろ?」と微笑むホームズが良いです。
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最後にワトソンのモノローグで、語られます。
スレイニーは死刑を宣告されたが キュービット氏が先に発砲した事が考慮され情状酌量によって
減刑された。 キュービット夫人は完治し今も屋敷で静かに暮らしている。
と言う訳で、依頼人であるキュービット氏は残念ながら救えなかったものの 犯人逮捕、夫人が
救われたという事で一件落着と言う結びになっています。
最後にイングリッシュ・ホルンのテーマ曲と共に馬車が屋敷を離れていくシーンは郷愁を感じさせる
印象的なエンディングとなっています。
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このエピソードは謎の暗号解読、殺人事件、現場検証、犯人逮捕劇とミステリーに欠かすことが出来ない
要素が盛り沢山に含まれており、シリーズ中でも1,2を争う内容になっていると思います。
そして、ホームズとワトソンの関係が特に素晴らしく魅力的に描かれています。
キュービット邸に到着後ワトソンがホームズを紹介するシーン、ホームズの代わりに警部に暗号の解読に
ついて説明する時の満足そうに微笑むホームズ。
これらのシーンを見ていると2人の深い信頼関係を感じさせられ 素晴らして嬉しくなります。
何よりも 何度も繰り返しますが、この頃のジェレミーの美しさ、動作の機敏さ等は見ていてもぅクラクラ
するほどで 時にコミカルにと表情も豊かで生き生きと人間味にも溢れるホームズを演じていて好きですわ~!
又 何度か見返していると 初代バーク・ワトソンの素晴らしさも改めて感じさせられ 大勢の評価にもある
様に素晴らしいワトソンでした。
ホームズの頭脳を尊敬しつつ、同僚として自分の役割も十分承知しており 同じ立ち位置にいるワトソンだと
感じます。
何より、時にコミカルな表情、動き、お茶目な表情には和まされることもありました。
残念ながらS2「最後の事件」で降板しましたが、S3の「空き家の冒険」で2代目エドワード・ワードウィック
に交代と丁度いい節目でのスムースな交代だった様に思われます。
ワードウィック・ワトソンは別の意味でいい味を出した穏やかなワトソンです。
やはりホームズを敬愛しつつ、後姿を追っている印象があります。
そう言えば、昔TVでこのシリーズを見ていた時、ある日、あれ?ワトソン変わった?と思ったことを覚えています。
吹き替えも、長門裕之氏から福田豊士氏に変わったんですが、まぁ私とした事が良く覚えていた事!
エドワード・ワードウィックに触れていたので 余談ですが・・・・
ワードウィックがワトソンを降板した理由が、このシリーズに拘束されると他の作品に出る機会が無くなるから
とか、撮影に縛られて家族と過ごす時間が犠牲になるからとか言われています。(真偽は分かりませんが)
そんな折、dicoさんから” Third Star”に出演しているトム・バークがデヴィッド・バークの御子息だと
教えて頂きました。 全然気付いていませんでした。
丁度良い折なので、二人の画像を並べてみました。
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トム・バークはRADA卒業の優秀な役者さんなんですね。
ついでなので、ジェレミーのご子息も・・・
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デヴィッド・ハギンズ氏です。 役者の道には進まず著述業をなさっているようですね。
因みにジェレミーの本名は Peter Jeremy William Huggins
余談ですが、例のソファひらりのシーンはこのご子息のアイデアだったと書かれていたのを思い出しました(有難う!)。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
最後に、踊る人形の暗号解読表がありましたので参考までに、
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”E”は正にホームズのポーズの通りです。
以上で終わります。
お付き合い頂き有難うございました。
← グラナダ版 『踊る人形』 : 3/4
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index
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ホームズは使用人たちを集め 誰か近所にエルリッヂと言う名の宿を知らないか
尋ねると下男のウォーカーがその名前の農場経営者が居ると答えました。
孤立した農場で今回の事件を知らない可能性は高いと。
ホームズは、ここに自分が居る事、事件の事は話さないように指示し書いた手紙を
エイブ・スレイニーに届ける様に依頼します。
「手紙を読んだ人物は駆けつけてくるはずだ」、と言い 召使のサンダースには、そ
の人物が来たらこの部屋に案内する様に。何事もなかった様に普通に振舞う様に
指示します。
そして仕事に戻るキング夫人には「夫人は無実ですよ」と安心させるホームズ。
マーティン警部は暗号を見て、「良く解読したな」と感心しますと、ここでワトソンの
出番です。
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それには法則がある。「解読のカギとなったのは一つの文字 ”E” だ。英語で一番
多く使われる文字だよ。 夫人の名前がエルシーだったのは幸運だった。2つ目の絵では
”E” だけではなく ”L", ”S", ”I” もあった。 二つのメッセージは何かを訴えて
るはずだ。 そこに ”T” と ”G” が加わり ”エルリッジに来い” だ」と まるで
自分が解明したかのように説明するワトソン(さっぱり分からないって云ってたくせに)
それをうっすら微笑みながら黙って聞いているホームズの表情はワトソンに対する信頼感と
スポークスマンにお任せという目に見えぬ絆の様なものが現れていて凄く良いシーンです。
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スレイニーが犯人なら直ぐに逮捕を とはやる警部ですが、ホームズは自分が呼び寄せた
ので今ここに向かっている筈だと言います。
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そこへサンダースが、男が近づいている事を知らせに来ると ホームズはサンダースに指示
しながら銃を手に扉の影に潜みます。
指示通りに書斎にスレイニーを書斎に案内するサンダース。(この子は大したモンです)。
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スレイニーが書斎に入った途端頭に拳銃を突き付けられます。
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(珍しくホームズ自身で拳銃を持ったケースですね)
すぐさま警部が手錠を掛けました。
(それにしても かなり ”髭髭”してますなぁ、このスレイニーは)
ホームズが 「エイブ・スレイニーだな?」と確認すると、「君は誰だ?」
「私の名前は知らないだろうが シカゴ警察と言えば覚えがあるだろう」とホームズ。
そして「悪い知らせがある。 キュービット夫人が瀕死の状態だ」と知らせると、スレイニーは
一時間前に彼女から暗号の手紙を貰ったのだから、と信じようとしません。
するとホームズは「解読されない暗号は無い」と言い、これまでスレイニーがエルシーに宛てて
書いた暗号を解読してみせます。
そして、エルシーがキュービット氏の死に絶望して自殺を図り危篤状態だと聞かされたスレイニーは
動揺して彼女に会わせてくれと懇願しますが ホームズは彼女は夫殺しの容疑が掛けられているので
その疑いを晴らせるのはお前だけだと諭します。
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自分に出来る事は真実を話す事しかないと スレイニーがこれまでの経緯を話し出します。
エルシーの父親はシカゴの大物(暗黒街の有力者)で、”踊る人形”は彼が作り自分たちが暗号として
使っていた。 エルシーと自分は婚約していたが 彼女はシカゴを嫌いヨーロッパへ逃げた。
彼女の結婚後ようやく居場所が分かり手紙を送ったが返事をくれなかった。
ホームズは冷たく「燃やしたんだ」と言います。
「彼女は幸せに暮らしていたんだ」とワトソン。
エルシーを連れ戻しに来たがメッセージを残しても音沙汰が無い為苛立って脅すことになった。
ところが昨日エルシーから手紙があり、夫が寝た後会って話をしようと言う内容だった。
エルシーは結婚してとても幸せだ。彼を愛している。 ヒルトンを巻き込みたくないから私の全財産を
渡すからこれで諦めてくれと懇願します。
婚約していたと言うスレイニーに、父親が勝手に決めた事だから帰ってくれと頼みます。
一緒に帰ろうともみ合いになった時キュービット氏が部屋に入って来て窓から逃げようとしたスレイニー
に向けて発砲。 スレイニーが撃った弾はキュービット氏の心臓を一撃し、死亡させてしまった。
それを見たエルシーは絶望して自ら頭を撃ち自殺したのでした。
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(すべてホームズが推理した通り)
スレイニーは無事逮捕されました。
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又難解な事件が起きたら是非ご協力を願いたいとお礼を述べる警部にそっけない顔を向けるホームズ
ですが、ワトソンから「手紙に何て書いたんだ?」と聞かれると「解読して見ろ」と穏やかな表情に
変わるシーンが印象的です。
ワトソンが暗号で書かれた手紙を解読すると ”Come here at once” 「今すぐにここに来て」。
「簡単だろ?」と微笑むホームズが良いです。
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最後にワトソンのモノローグで、語られます。
スレイニーは死刑を宣告されたが キュービット氏が先に発砲した事が考慮され情状酌量によって
減刑された。 キュービット夫人は完治し今も屋敷で静かに暮らしている。
と言う訳で、依頼人であるキュービット氏は残念ながら救えなかったものの 犯人逮捕、夫人が
救われたという事で一件落着と言う結びになっています。
最後にイングリッシュ・ホルンのテーマ曲と共に馬車が屋敷を離れていくシーンは郷愁を感じさせる
印象的なエンディングとなっています。
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このエピソードは謎の暗号解読、殺人事件、現場検証、犯人逮捕劇とミステリーに欠かすことが出来ない
要素が盛り沢山に含まれており、シリーズ中でも1,2を争う内容になっていると思います。
そして、ホームズとワトソンの関係が特に素晴らしく魅力的に描かれています。
キュービット邸に到着後ワトソンがホームズを紹介するシーン、ホームズの代わりに警部に暗号の解読に
ついて説明する時の満足そうに微笑むホームズ。
これらのシーンを見ていると2人の深い信頼関係を感じさせられ 素晴らして嬉しくなります。
何よりも 何度も繰り返しますが、この頃のジェレミーの美しさ、動作の機敏さ等は見ていてもぅクラクラ
するほどで 時にコミカルにと表情も豊かで生き生きと人間味にも溢れるホームズを演じていて好きですわ~!
又 何度か見返していると 初代バーク・ワトソンの素晴らしさも改めて感じさせられ 大勢の評価にもある
様に素晴らしいワトソンでした。
ホームズの頭脳を尊敬しつつ、同僚として自分の役割も十分承知しており 同じ立ち位置にいるワトソンだと
感じます。
何より、時にコミカルな表情、動き、お茶目な表情には和まされることもありました。
残念ながらS2「最後の事件」で降板しましたが、S3の「空き家の冒険」で2代目エドワード・ワードウィック
に交代と丁度いい節目でのスムースな交代だった様に思われます。
ワードウィック・ワトソンは別の意味でいい味を出した穏やかなワトソンです。
やはりホームズを敬愛しつつ、後姿を追っている印象があります。
そう言えば、昔TVでこのシリーズを見ていた時、ある日、あれ?ワトソン変わった?と思ったことを覚えています。
吹き替えも、長門裕之氏から福田豊士氏に変わったんですが、まぁ私とした事が良く覚えていた事!
エドワード・ワードウィックに触れていたので 余談ですが・・・・
ワードウィックがワトソンを降板した理由が、このシリーズに拘束されると他の作品に出る機会が無くなるから
とか、撮影に縛られて家族と過ごす時間が犠牲になるからとか言われています。(真偽は分かりませんが)
そんな折、dicoさんから” Third Star”に出演しているトム・バークがデヴィッド・バークの御子息だと
教えて頂きました。 全然気付いていませんでした。
丁度良い折なので、二人の画像を並べてみました。
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トム・バークはRADA卒業の優秀な役者さんなんですね。
ついでなので、ジェレミーのご子息も・・・
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デヴィッド・ハギンズ氏です。 役者の道には進まず著述業をなさっているようですね。
因みにジェレミーの本名は Peter Jeremy William Huggins
余談ですが、例のソファひらりのシーンはこのご子息のアイデアだったと書かれていたのを思い出しました(有難う!)。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
最後に、踊る人形の暗号解読表がありましたので参考までに、
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”E”は正にホームズのポーズの通りです。
以上で終わります。
お付き合い頂き有難うございました。
← グラナダ版 『踊る人形』 : 3/4
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index