The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版 『マスグレーブ家の儀式書』 : (3)

2017-08-23 |  ∟グラナダ版SH
グラナダ版 ”The Musgrave Ritual ”(3)

(1986年) The Return of Sherlock Holmes : S3E3 : 



・・・・・続きです(3)


再び庭に出る3人。
(謎解きモード突入となったホームズは、あのブランケット掛けていません。 それにしても
今回のマフラーがえらい長いんです(笑)
ホームズは元この場所にあった樫の木の高さはどの位であったかをマスグレーブに尋ねると、
64フィート(19.5メートル)あった、子供の頃家庭教師に三角方の勉強の為計らされたのだ
といいます。
ブラントンに同じことを聞かれなかったと尋ねるホームズに、「思い出したぞ」とマスグレーブ。

回想シーン。

庭に居たブラントンに不審を持ち(ここは私の庭だ・・・なんて料簡の狭い事を云う領主さま。笑)
何をしているのか尋ねると、やはりこの場所にあった樫の木の高さを猟場の番人と賭けをしていた
のだと言います。
作り話に乗せられてマスグレーブから64フィート(19.5メートル)だと聞き出し、してやったり
満足そうに、自分が賭けに負けたと言いながら去っていくブラントンは途中で意味ありげに風見
鶏を見上げます。

(風見の装飾には鶏と共に樫らしき物が取り付けられている!)

それを聞いたホームズは風見鶏を見ながら、「あれが樫の木だ! あの樫の木の上に太陽が来た
時の楡の影の位置を探れば良いのだ」と言います。

だが、もう楡の木は無いと言うワトソンに、ホームズは「問題ない。ブラントンにも出来たんだ。
我々にも出来る。答えは三角法にある」と言い屋敷に戻りながらマスグレーブに屋敷中にある釣
り竿を用意する様に言います。


ワトソンがロープに目盛りを作り、ホームズは木を削り杭を作ります。
そんな中マスグレーブが手持ち全ての釣り竿を持って来ると最適な釣り竿を選びワトソンが作った
ロープを釣り竿の根元に結ぶように指示するホームズ。
これらの道具と儀式書を持って再び庭に出る3人。


庭に釣り竿を立て、風見の樫と太陽の角度で釣り竿の影の長さを計るように指示するホームズ。
ロープで影の長さを計ったワトソンが、9フィート(2.7メートル)だと。
6フィート(1.8メートル)の釣り竿の影が9フィートであるなら?に、ワトソンが98フィート(30メートル)?
と言うと、マスグレーブが96フィート(29メートル)だよと訂正します。
(さすが三角法を熟知した御領主さま。 そして計算を間違えたワトソンを 黙って”だめだろう”の
目で見るホームズが良いんです)。

その距離をロープで測り杭を打とうとしたホームズは5センチ横にブラントンが付けたらしき跡を見つ
けます。そこから儀式書に則り歩数を計り始める3人。





(ここからのシーンはこのエピソードの見所、ホームズが先頭でキビキビとそして優雅に歩く、
その後を真剣に歩数を数えながらついて行くマスグレーブ、儀式書を読み上げながらしんがりを行く
ワトソン。オヤジ(もとい紳士)3人が真剣に謎解きに挑み姿はホンノリ微笑ましく、そしてリズミ
カルでありながらワクワク感もあり正にグラナダ版らしい雰囲気を醸し出しています。 好きなシーンです。)


そして、堀に行き当たります。 その堀の向かいにある建物にある扉に気付いたホームズはボートで堀を
渡ります(サー・レジナルドにボートを漕がせている。ホームズらしい(笑) 

ただ、この堀の部分は歩数に入らないんだろうか・・・? まぁ、固い事は言わずに(笑)


ドアから中に入った3人は、そこから(2かける2)4歩歩くがそこは何もない石の床が。

計算違いでは?と言うマスグレーブに「そんな筈は無い」と言うホームズ。儀式書を確認していた
ワトソンが指摘します。”and under”「”そしてその下に”だよ」

地下室があるか尋ねるホームズに、「勿論ある」とマスグレーブが言い、3人はランタンを手に
地下に降ります。

床にある四角い石の取っ手に結び付けられていたスカーフがブラントンの物である事に気付いた
マスグレーブ。


3人がかりで必死に石を持ち上げランタンで下を照らすとそこにはブラントンの遺体が閉じ込め
られていました。


遺体を運び出し、警察の警部に対応するマスグレーブとワトソン。

ワトソンは法医学を心得ている自分の見解として、遺体は死後2日、死因は窒息で外傷は無い
と告げます。
恐らく1人で降りて行き石の蓋が閉じたのだろうとマスグレーブが話すと、「彼はそこで何を
していたんだろう?」と言う警部に「執事の仕事は幅が広い。私には分らん」と言うマスグレーブ。
(適当には話をはぐらかしてる御領主さま)
そこへ、ジャネットが錯乱した様に駆け寄り、レイチェルが彼を殺して逃げたのだと叫びます。
不審顔の警部に、レイチェルはブラントンと婚約していた事、彼の失踪後病気で辞めた事を警部
に説明します。

地下室に戻ったワトソンとマスグレーブに ホームズは「実のところ私は自分の捜査に失望して
いる。 ここを発見した時事件が解決したと思ったが 君の祖先が何を隠したのか分からない」
と言いますが だが執事は見つかったと言うマスグレーブに、「どうして 彼は死んだのか? 
メイドはどう係わっているのか・・・」と考え込みます。

何でそんなに考え込むんだ(?)のマスグレーブに、ワトソンは小声で説明します。
「こういう時のホームズの癖なんだ。被害者の知的水準を想定しながら自分が同じ立場でどう
するかを考える」(正典ではホームズ自身がワトソンに語る形になっています)、それを横か
ら呆れた様な顔でしげしげをワトソンを眺めるマスグレーブ。
(そうなんだ・・・それほど彼の事を分かってるんだな?って感じで。そしてワトソンもチョット
得意気に説明している。ここもホームズとワトソンの関係がさり気なく描かれていて良いですね)

ここからホームズの頭の中で事件が再構築され、ブラントンの行動が推理されます。





・・・・・to be continued です。




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