『よしきた、ジーヴス』 国書刊行会 2005/6/1
”Right Ho Jeeves”
P.G..Wodehouse(著)、森村たまき(翻訳)
原書初版発行 1934年
内容(「BOOK」データベースより)
お笑い街道ばく進中。英文学史上もっとも滑稽な数十ページといわれた奇天烈表彰式の章を含
む、天才ウッドハウスのナンバーワン長編
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
昨年の10月美智子皇后陛下(現上皇后)がお誕生日の回答文書にて、ご公務から離れられたら
推理小説等を読みたいとのお言葉があり、その中で”ジーヴス云々”に言及された直後から関連
書籍についての問い合わせが出版社、書店に殺到したの記事がありました。
その時はなかなか手に入らないだろうと暫らく時間を置き、そろそろ手元に回って来るだろうと
図書館を探しまして、ようやく手に取ることが出来ました。(要するにミーハーですね)。
ジーヴス・シリーズの一冊位は昔読んだ様な気もするのですが、何時もの事ながら霧の彼方。
エリザベス女王やブレア前英国首相も愛読されたというユーモア小説の最高傑作と言われた作
品ですが、そんな訳で、初読みのつもりで取りあえず手に取った作品です。
ヴ『よしきた ジーヴス』は『ウッドハウス・コレクション』(ジーヴス・シリーズ)全14巻の
中で『比類なきジーヴス』に続く2作目の長編。(何故か2作目から読み始めてしまった)
主人公はバートラム・ウースター(バーティー)とその執事ジーヴス。
人は良いけれど少々おバカなバーティーと天才執事であるジーヴスの名コンビはシャーロック・
ホームズとワトソンのコンビにも引けを取らない人気であった様です。
バーティーとジーヴスに加え、この作品の主な登場人物は、
ガッシー・フィンク=ノトル(バーティーの旧友にして 田舎に閉じこもりイモリに身を捧げる)
マデライン・バセット(ガッシーが一目惚れした 不思議ちゃん女性)
アンジェラ(バーティーの従姉妹)
ダリア叔母さん(バーティーの父方の叔母、アンジェラの母親)
トーマス叔父さん(ダリア叔母さんの夫)
タッピー・グロソップ(バーティーの旧友にしてアンジェラの婚約者)
アナトール(ダリア叔母さん宅の何より大切なコック)
等
概要は、
ダリア叔母さん、従姉妹のアンジェラと共にカンヌで2ケ月間の休養を終えてロンドンに戻った
バーティー。お気に入りの白いメスジャケットを持って帰った事が問題の1つになります。
金ボタンの白いメスジャケットはジーヴスのみならずダリア叔母さんにも不評なのですが、叔母さ
ん曰く ”ドサ周りのミュージカル・コメディーの第二幕に出て来るアバネシ―・タワーズに泊まっ
ている男性客のコーラス隊みたい” な、と分った様な分からない様な表現ですが、要は英国紳士の
日常的ドレスコードから大いに逸脱したシロモノであるという事で不興を買っているのです。
そして、
イモリにしか興味を示さなかった旧友のガッシーが珍しく田舎を離れガッシー邸を訪れた目的は、
一目惚れをした女性との付き合い方の相談(恋の仲立ち)でしたが、相談相手はバーティーでは
なくジーヴスでした。
ガッシーの問題に加え 従姉妹のアンジェラと婚約者でありバーティーの旧友であるタッピーと
の不和の仲立ち、ダリア叔母さんに頼まれたグラマー・スクールでの表彰式の演説等々事件は
次々と起こります。
白いメスジャケットをジーヴスから断固否定されたバーティーは、周囲の誰もが頼りにしている
ジーヴスの力を借りる事をせず、色々起こる事件を自力で解決しようと奮闘するのです。
しかり奮闘するもやることなす事がことごとく裏目に出るどころか益々自体を収集できない方向
に向かわせてしまいます。
ダリア叔母さんの悪口雑言は凄まじいけど、とてつもなく笑わせてくれます。 バーティーとの
掛け合いは最高です。。
2人の電報でのやり取りが何とも言えず面白いのです。 散々酷い内容を書きながら 最後には「愛
をこめて」とか「敬具」とか(笑) でも、このダリア叔母さん、バーティーに対する愛も感じつつ、
しかしバーティの余りのダメ振りに遂に ”フン族の王アッティラ” 呼ばわり。 好きですね、ダリア
叔母さんのキャラは。
そんなこんなのバーティーの空振りの奮闘にもジーヴスは余り手も口も出していません。
しかし、最後にはオオトリ登場であっさりと事件を解決。 そして因縁の”メスジャケット”に対する
キツイお仕置きを含め大団円。
慇懃無礼な策士ジーヴスと お気楽おバカだけど人の良さで憎めないバーティーのコンビは最高
で、もう読み進む度に笑わされます。
会話に含まれる古典文学、聖書、詩などからの引用、比喩表現の面白さが損なわれる事なく翻訳され
ている事は驚きです。
翻訳者さんさぞ大変だっただろうとお察し致します。
原文がどうなっているのかとても気になり、久々に原書を読んでみたくなる作品です(と言っても、
多分無理だろう)。
兎に角、終始笑えます。
読みながら、ヘラヘラ、にやにや、時にはクスクスとなりますので、外出先では読めませんね。
怪しい人と思われそう。
頭や身体が疲れた時に気分転換、箸休め(?)に読むのに最適かな?と感じました。
このシリーズは全14巻あり、殆どが短編集ですので気楽に読めそうですよ。
尚、新しく出た翻訳本は文庫版となっています。
↓ 因みに次に読んだのがこれ(短編集です)
ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻(文春文庫)-2011/6/10
これから折に触れ順次読んでいくつもり。
追記:
後になって気付いたのですが、古い翻訳本では ”ジーヴス” 文春文庫版では ”ジーヴズ” と
なっていますね。 元は ”Jeeves” です。 どちらが正確なんだろう?
”Right Ho Jeeves”
P.G..Wodehouse(著)、森村たまき(翻訳)
原書初版発行 1934年
内容(「BOOK」データベースより)
お笑い街道ばく進中。英文学史上もっとも滑稽な数十ページといわれた奇天烈表彰式の章を含
む、天才ウッドハウスのナンバーワン長編
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
昨年の10月美智子皇后陛下(現上皇后)がお誕生日の回答文書にて、ご公務から離れられたら
推理小説等を読みたいとのお言葉があり、その中で”ジーヴス云々”に言及された直後から関連
書籍についての問い合わせが出版社、書店に殺到したの記事がありました。
その時はなかなか手に入らないだろうと暫らく時間を置き、そろそろ手元に回って来るだろうと
図書館を探しまして、ようやく手に取ることが出来ました。(要するにミーハーですね)。
ジーヴス・シリーズの一冊位は昔読んだ様な気もするのですが、何時もの事ながら霧の彼方。
エリザベス女王やブレア前英国首相も愛読されたというユーモア小説の最高傑作と言われた作
品ですが、そんな訳で、初読みのつもりで取りあえず手に取った作品です。
ヴ『よしきた ジーヴス』は『ウッドハウス・コレクション』(ジーヴス・シリーズ)全14巻の
中で『比類なきジーヴス』に続く2作目の長編。(何故か2作目から読み始めてしまった)
主人公はバートラム・ウースター(バーティー)とその執事ジーヴス。
人は良いけれど少々おバカなバーティーと天才執事であるジーヴスの名コンビはシャーロック・
ホームズとワトソンのコンビにも引けを取らない人気であった様です。
バーティーとジーヴスに加え、この作品の主な登場人物は、
ガッシー・フィンク=ノトル(バーティーの旧友にして 田舎に閉じこもりイモリに身を捧げる)
マデライン・バセット(ガッシーが一目惚れした 不思議ちゃん女性)
アンジェラ(バーティーの従姉妹)
ダリア叔母さん(バーティーの父方の叔母、アンジェラの母親)
トーマス叔父さん(ダリア叔母さんの夫)
タッピー・グロソップ(バーティーの旧友にしてアンジェラの婚約者)
アナトール(ダリア叔母さん宅の何より大切なコック)
等
概要は、
ダリア叔母さん、従姉妹のアンジェラと共にカンヌで2ケ月間の休養を終えてロンドンに戻った
バーティー。お気に入りの白いメスジャケットを持って帰った事が問題の1つになります。
金ボタンの白いメスジャケットはジーヴスのみならずダリア叔母さんにも不評なのですが、叔母さ
ん曰く ”ドサ周りのミュージカル・コメディーの第二幕に出て来るアバネシ―・タワーズに泊まっ
ている男性客のコーラス隊みたい” な、と分った様な分からない様な表現ですが、要は英国紳士の
日常的ドレスコードから大いに逸脱したシロモノであるという事で不興を買っているのです。
そして、
イモリにしか興味を示さなかった旧友のガッシーが珍しく田舎を離れガッシー邸を訪れた目的は、
一目惚れをした女性との付き合い方の相談(恋の仲立ち)でしたが、相談相手はバーティーでは
なくジーヴスでした。
ガッシーの問題に加え 従姉妹のアンジェラと婚約者でありバーティーの旧友であるタッピーと
の不和の仲立ち、ダリア叔母さんに頼まれたグラマー・スクールでの表彰式の演説等々事件は
次々と起こります。
白いメスジャケットをジーヴスから断固否定されたバーティーは、周囲の誰もが頼りにしている
ジーヴスの力を借りる事をせず、色々起こる事件を自力で解決しようと奮闘するのです。
しかり奮闘するもやることなす事がことごとく裏目に出るどころか益々自体を収集できない方向
に向かわせてしまいます。
ダリア叔母さんの悪口雑言は凄まじいけど、とてつもなく笑わせてくれます。 バーティーとの
掛け合いは最高です。。
2人の電報でのやり取りが何とも言えず面白いのです。 散々酷い内容を書きながら 最後には「愛
をこめて」とか「敬具」とか(笑) でも、このダリア叔母さん、バーティーに対する愛も感じつつ、
しかしバーティの余りのダメ振りに遂に ”フン族の王アッティラ” 呼ばわり。 好きですね、ダリア
叔母さんのキャラは。
そんなこんなのバーティーの空振りの奮闘にもジーヴスは余り手も口も出していません。
しかし、最後にはオオトリ登場であっさりと事件を解決。 そして因縁の”メスジャケット”に対する
キツイお仕置きを含め大団円。
慇懃無礼な策士ジーヴスと お気楽おバカだけど人の良さで憎めないバーティーのコンビは最高
で、もう読み進む度に笑わされます。
会話に含まれる古典文学、聖書、詩などからの引用、比喩表現の面白さが損なわれる事なく翻訳され
ている事は驚きです。
翻訳者さんさぞ大変だっただろうとお察し致します。
原文がどうなっているのかとても気になり、久々に原書を読んでみたくなる作品です(と言っても、
多分無理だろう)。
兎に角、終始笑えます。
読みながら、ヘラヘラ、にやにや、時にはクスクスとなりますので、外出先では読めませんね。
怪しい人と思われそう。
頭や身体が疲れた時に気分転換、箸休め(?)に読むのに最適かな?と感じました。
このシリーズは全14巻あり、殆どが短編集ですので気楽に読めそうですよ。
尚、新しく出た翻訳本は文庫版となっています。
↓ 因みに次に読んだのがこれ(短編集です)
ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻(文春文庫)-2011/6/10
これから折に触れ順次読んでいくつもり。
追記:
後になって気付いたのですが、古い翻訳本では ”ジーヴス” 文春文庫版では ”ジーヴズ” と
なっていますね。 元は ”Jeeves” です。 どちらが正確なんだろう?