The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『裏切りのサーカス』2011年

2021-06-23 | 映画
”Tinker Tailor Soldier Spy”


何で今頃この作品を?
なのですが、先日トム・ヒドルストンの新作ご紹介時に「ナイト・マネジャー」も久し振りに思い出し
たのをきっかけに 突然この作品も思い出しまして、久々に(もう何年振りでしょう?)観直してみ
ました。
当時感想を途中まで書きかけてはいたものの、なかなか纏められず途中断念していましたので、
随分時間が経ってしまいました。

この作品は、「ナイト・マネジャー」と同じく ジョン・ル・カレの1974年刊行の小説「ティンカー、テ
イラー、ソルジャー、スパイ」を原作としたイギリス、フランス、ドイツ合作の映画です。

リリース当時は、原作も読んでおらず、内容の予習もせぬまま ベネディクトが出演しているという理由で
取っついた経緯があったのですが、出演者の豪華さにひっくり返る程感動したものの、内容が複雑で一度
観ただけではサッパリ理解出来ず、DVDを購入して何度か観直し、3度目位(?)でようやく理解出来たと
いう・・・・。
後に色々な方の感想を見ていると、私だけではなく皆様大体3度位で理解出来たという意見が多く、あ~私
だけでは無かったんだ・・・と一安心(?)したものでした。

そんな複雑な内容の作品なので、概要はwikipedia から引用させて頂きました。

時は東西冷戦下。イギリス秘密情報部、通称「サーカス(ロンドンのケンブリッジ・サーカスに本部が
あることに由来)」とソ連情報部、通称「モスクワ・センター」は、水面下で様々な情報戦を繰り広げ
ていた。
長年の作戦失敗や情報漏洩から、サーカスの長官であるコントロールは、内部にモスクワ・センターの
二重スパイ(もぐら)がいることを確信。密かにマザー・グースの「鋳掛け屋さん、仕立て屋さん、兵
隊さん」の歌詞になぞらえたコードで幹部たちの身辺を探るとともに、「もぐら」に関する情報源と接
触するため、サーカスのジム・プリドーをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。

責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。
退職後ほどなくコントロールは死去。ほぼ同時期にイスタンブールに派遣されていたリッキー・ターの前
に、「もぐら」の情報を持つモスクワ・センターの女イリーナが現れる。彼女と恋仲になったターはイギ
リスに亡命させるため、サーカス本部に連絡するが、翌日イリーナはモスクワ・センターに発見され連れ
去られる。サーカス内部に「もぐら」がいることを察知したターはイギリスへ戻り、オリバー・レイコン
外務次官に連絡。彼は、引退したスマイリーに「もぐら」探しを要請する。

スマイリーは、ターの上司のピーター・ギラムと、ロンドン警視庁公安部のメンデル警部とともに調査を
始める。



監督:トーマス・アルフレッドソン
脚本:ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン
製作総指揮:ピーター・モーガン、ライザ・チェイシン、ロン・ハルパーン、ジョン・ル・カレ他

出演;
ジョージ・スマイリー:ゲイリー・オールドマン
コントロール:ジョン・ハート
バーシー・アレリン”ティンカー”「鋳掛屋」:トビー・ジョーンズ
ビル・ヘイドン”テイラー”「仕立て屋」:コリン・ファース
ロイ・ブランド”ソルジャー”「兵隊」:キアラン・ハインズ
トビー・エスタヘイス”プアマン”「貧乏人」:デヴィッド・デンシング
リッキー・ター:トム・ハーディー
ジム・ブリドー:マーク・ストロング
ピーター・ギラム:ベネディクト・カンバーバッチ









↑ 髪の毛ありのマーク・ストロング


↑ ブロンド、若いベネディクト←イケてます


↑ この様なヘアスタイルは珍しいトム・ハーディー



初めに書きました様に、大変複雑なプロットで 舞台もロンドンは勿論、ハンガリー、イスタンブー
ル(これは個人的に懐かしくて嬉しかった!)と移り、又時系列も入り組んでいるのでそれだけで
も追いかけるのが大変です。

味方の中の誰が”もぐら”(裏切り者)か、本人に気付かれない様に調査を進めるスリルは格別です。 
他のスパイドラマとは全く異なり、アクションシーンも少なく、謎を追いながら少しずつ真相を突き
止めて行く様子をじっくり、重厚に、渋いタッチで描いています。

殆んど表情を変えないスマイリーが渋くて・・・でも、そんなスマイリーも奔放な妻に対する苦悩が
見えます。 (この作品でゲイリー・オールドマンにハマり込みました)
途中メガネを作り変えるシーンがありますが、メガネを変える事で気持ちの切り替えも表しているの
でしょうか?

後半近く、ビル・ヘイドンとジム・ブリドーのシーン(ショックです)に流れる”ラ・メール”の曲が
切なく心に響きます。

このビル・ヘイドンとジム・ブリドー、又、ビーター・ギラムと同棲している男性の様に、スパイを
している男たちの切ない”愛”もさり気なく描いています。

兎に角、これ以上ない様な豪華な配役で、この顔ぶれを見るだけで感動します。

以前何度か書いた事があると思いますが、原作者のジョン・ル・カレ自身も実際にMI-5からMI-6に
属していたという経験もある為、リアルな視点から描かれているというのも見ごたえがあるとこ
ろですね。
尚、この作品にもカメオ出演していらっしゃるとこ事ですが、気づきませんでした。

↓ trailerはこちら
https://youtu.be/rlPhwE_LIEM

↓ 原作翻訳本はこちら
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ハヤカワ文庫)

ジョン・ル・カレ(著)、菊池光(翻訳)





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