大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

東海村甲状腺検診「住民への不安ない」 筑波大教授会見

2014-08-30 12:09:31 | 原子力関係
東京新聞
2014年8月29日

東京電力福島第一原発事故による子どもの健康被害を調べようと、東海村が実施した甲状腺超音波検診。筑波大付属病院(つくば市)で二十八日にあった最終結果発表会見で、検診を指揮した同大医学医療系の原尚人(ひさと)教授は「住民の方々に不安を与えるようなものは何もないと断言できる」と述べた。
 東海村は二〇一六年度から、今回と同じ対象者の検診を再び行い、経過を見る方針を示している。原教授は「子ども自身や親には大きな不安があり、これだけでも深刻な健康被害と言える」とし、「今後、異常が増えないことを証明するのは、医学的に大事」と、再検診の意義を強調した。
 調査の対象は、東日本大震災直後の一一年四月時点で十三歳以下だった村内の子どもたち。村が希望者を募り、対象者の64・4%に当たる三千八百二十一人が、一二年十一月から一四年三月にかけて受診した。
 甲状腺内にできたしこりや、のう胞の大きさを調べ、67・3%が異常なし、32・2%が経過観察と診断された。五・一ミリ以上のしこりなどがあった残りの二十人(0・5%)を精密検査した結果、機能異常が一人に見つかり治療が必要と判断したが、放射線の影響はないという。また二十人のうち、一人は公表に同意せず「不明」と分類されたが、村によると、治療が必要ではない。 (妹尾聡太)

子ども、甲状腺がん57人 福島の37万人調査

2014-08-30 12:00:00 | 原子力関係
子ども、甲状腺がん57人 福島の37万人調査

2014年8月25日 朝刊 東京新聞


 東京電力福島第一原発事故による健康への影響を調べている福島県は二十四日、震災当時十八歳以下の子ども約三十七万人を対象に実施している甲状腺検査で、甲状腺がんと診断が確定した子どもは五月公表時の五十人から七人増え五十七人に、「がんの疑い」は四十六人(五月時点で三十九人)になったと発表した。
 福島市内で開かれた県民健康調査の検討委員会で報告した。地域による発症率に差がないことも報告され、委員会の星北斗座長は、現時点で放射線の影響がみられないことが裏付けられたとした上で、「今後、詳細な分析が必要だ」と述べた。
 調査を担当する福島県立医大は、今回初めて県内を四つに分けた地域別の結果を公表。検査を受けた子どものうち、疑いを含めた甲状腺がんの発症割合は、第一原発周辺で避難などの措置がとられた「十三市町村」では0・034%。県中央の「中通り」は0・036%、沿岸部の「浜通り」は0・035%と地域差はなかった。
 原発から一番遠い「会津地方」は0・028%とやや低めだったが、医大は検査を終了した子どもが、ほかの地域に比べ少ないためと説明した。
 国立がん研究センターなどによると、十代の甲状腺がんは百万人に一~九人程度とされてきたが、自覚症状のない人も含めた今回のような調査は前例がなく、比較が難しい。
 疑いも含めた甲状腺がんの子ども計百三人のうち、最年少は震災当時六歳。原発事故から四カ月間の外部被ばく線量の推計値が判明した人のうち、最大は二・二ミリシーベルトだった。

原発避難親子の葛藤描く 保養所の生活、演劇に

2014-08-30 11:08:43 | 原子力関係
東京新聞
2014年8月29日 夕刊

原発事故による放射線の健康被害を心配する親子のための保養施設を舞台にした演劇が、九月に東京である。横浜市の劇作家篠原久美子さん(53)が被災地ボランティアの経験を基に書いた「羽衣House(ハウス)」で、東京・新宿の劇団「青年劇場」が演じる。篠原さんは「今も苦しみ、苦しめられている人がいることを忘れないため、光を当てて見えるようにすることが劇作家の使命」と、稽古を見守っている。(五十住和樹)
 篠原さんは震災後の二〇一一年四月から、宮城県登米(とめ)市や福島県飯舘村などへ月に一、二回支援のボランティアに通い、被災者たちの話を聞いてきた。中でも衝撃的だったのは、登米市の保養施設のスタッフが「ここに来る子たちは『この葉っぱ、触っていい?』『この土、平気?』などと、大人に聞いてくる」と話したことだった。
 「自由にどろんこ遊びもできない場所から離れて子育てしたい親の気持ちは、痛いほど分かる。一方で除染など古里のために頑張っている大人もいる」。どちらも「子どものため」なのだが、福島では対立関係に陥っていることが胸に突き刺さった。青年劇場から台本執筆依頼があったのは昨春。仮設住宅や保養施設などでの経験を基に物語を考えた。
 劇では、三人の子の健康被害を心配して福島を出て施設で暮らす母親と、除染が進み「家族皆で一緒に福島で暮らすべきだ。この施設(羽衣House)は、故郷を捨てない選択をした人を無言で責めている」と話す父親の言い争いが出てくる。篠原さんは「東京電力や原発が悪いとか、敵をつくっても解決しない。二項対立から新たな分裂が起きる。どうすれば分かり合えるのか、言葉を探すためにまず一緒の食卓につくところから始めた」と言う。
 演出は「臨界幻想2011」で被ばくの恐ろしさを描いたふじたあさやさんが担当する。篠原さんは「福島だけでなく中東の戦闘地域でも苦しんでいる人がいるが、東京では忘れられている。この芝居を見て思い出していただけたら」と話している。
      ◇
 「羽衣House」は九月十二~二十一日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで(十六日は休演)。前売り一般五千百五十円。問い合わせは青年劇場チケットサービス=電03(3352)7200=へ。
◆悩み共有の場 有効
 「羽衣House」のモデルの一つ、宮城県登米市の保養施設「手のひらに太陽の家」は、二〇一二年七月の開所から今年三月までに延べ二百四十組、約三千六百人の親子を受け入れてきた。
 運営する一般社団法人「くりこま高原自然学校」(同県栗原市)の佐々木豊志代表理事(57)は「線量が下がり周囲が『もういいだろう』と言う中で、お母さんたちの悩みや不安は相変わらず強い。ここに来て同じ思いの人と話すことに意味がある」と言う。
 放射線から逃れたいという親子が長期でも滞在できる保養施設は数少ない。活動報告によると、「放射能について夫婦が話すとけんかになり、子どもは親に気を使っている」「福島では『ダメ』『コラ』としかることが多かったのに、ここではのびのびと生活し、子どもが素直」「低線量の放射線の健康影響がはっきりしないから、一定期間の保養は有効で必要だと思う」などの利用者の声が寄せられている。
<「羽衣House」> 事故を起こした原発から300キロ離れた山間部にある施設「羽衣House」で、子どもたちが外出している間に内部が荒らされる事件が起きた。ネットには犯行予告とも取れる書き込みが。事件への対処をめぐり、立場や考え方は違うが子どもたちのことを懸命に考える大人たちの葛藤を描いたコメディー。

中間貯蔵、受け入れへ地元協議 知事と2町長が25日夕方

2014-08-30 11:00:00 | 原子力関係
中間貯蔵、受け入れへ地元協議 知事と2町長が25日夕方
2014年8月25日 13時33分 東京新聞

 東京電力福島第1原発事故で出た除染の廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、福島県の佐藤雄平知事が、候補地とされている大熊町の渡辺利綱町長、双葉町の伊沢史朗町長と、25日夕にも会談する。
 佐藤知事は、施設の建設を受け入れる方針を固めており、政府が示した総額3010億円の交付金の配分や、国有化となる土地の買収価格などについて、2町長と協議する見通し。
 大熊町と双葉町は、26日に町議会の全員協議会、27日には行政区長会議をそれぞれ開く予定で、両町長は議会や住民の意見を踏まえ判断する。

福島、被ばく対策不十分と提訴 親子88人、健康に深刻な不安

2014-08-30 10:07:37 | 原子力関係
東京新聞

2014年8月29日 18時54分
 原発事故の被ばく防止対策が不十分で精神的苦痛を受けたとして、事故時に福島県に住んでいた親子88人が29日、国や県に対し、1人当たり10万円の慰謝料を求め、福島地裁に提訴した。
 訴状によると、国や県は事故発生後、空間放射線量の正確なデータを速やかに伝えないなど、住民の被ばくをできる限り抑える職務上の義務を怠り、子どもに無用な被ばくをさせた。その結果、親子に今後の健康へ深刻な不安を抱かせたとしている。
 原告のうち、今も福島県に住み小学校や中学校、特別支援学校に通う計24人は、居住地の自治体に対し安全な環境で教育を受ける権利があることの確認も求めた。
(共同)

原発の安全と安心を取り戻すには(エネルギーを考える)

2014-08-30 10:00:00 | 原子力関係
原発の安全と安心を取り戻すには(エネルギーを考える)
2014/8/25付 日経新聞

 原子力発電所の再稼働に向けた準備が進んでいる。電力会社10社は計20基の安全審査を原子力規制委員会に申請し、規制委は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)に事実上の合格を出した。

 原発の稼働ゼロが長引けば化石燃料の輸入費がかさみ、日本経済や国民生活への悪影響は大きい。再稼働は欠かせない。そこで重要なのは厳格な安全審査に加え、事故への備えも万全にして国民の不安を拭うことだ。

事故に備え多重の盾を
 東京電力福島第1原発の事故で原子力の「安全神話」は崩れた。規制委が定めた新規制基準は事故が起こりうることを前提に、そのリスクを可能な限り下げるよう求めた。災害やテロで電源が失われたり、航空機が墜落したりする事態も想定した。

 安全の強化とは原子炉を頑丈にすることだけでない。国際原子力機関(IAEA)は多重の「盾」を設け、事故の影響を最小限にするよう求めている。「深層防護」と呼ばれる考え方だ。

 そのひとつが、事故が起きても大量の放射能が外に漏れないようにすることだ。格納容器の爆発を防ぐため、放射性物質を減らして圧力を下げるフィルター付きベント(排気)装置などがこれにあたる。もうひとつが住民を迅速、安全に避難させ、放射能の影響を最小限に抑える対策である。

 深層防護をすべての原発で徹底する必要がある。政府は原発から30キロ圏にある市町村に防災計画づくりを義務づけた。だが原発周辺の135市町村のうち、避難計画ができたのはおよそ6割にとどまる。東電柏崎刈羽原発(新潟県)や東北電力女川原発(宮城県)などでとくに遅れている。

 計画づくりを市町村任せにせず、国が防災の専門家を派遣してもっと支援すべきだ。国の対策づくりも、地震や津波など自然災害は中央防災会議、原発事故は原子力防災会議と、縦割りのままでよいのか。地震・津波と原発事故が同時に起きる複合災害も想定し、両組織の連携を考えるときだ。

 規制委や専門家も、事故のリスクについて国民に丁寧に説明する義務がある。原発に反対する人のなかには、ひとたび事故が起きると破局的な災害になるとの懸念がある。事故の頻度やその影響などリスクをどこまで下げられるのか。国民と対話を続け、溝を埋めていく努力が要る。

 原子力の安全と安心を取り戻すには、福島第1原発事故の完全な収束と着実な廃炉も欠かせない。

 敷地内では大量の汚染水が発生し続け、地下を凍らせて流出を止める「凍土壁」も予想したほどの効果を上げていない。汚染水対策はなお決め手がみつからない。

 廃炉は40年以上かかる長期戦になり、作業員をどう確保するかも重い課題だ。作業員は被曝(ひばく)と闘いながら厳しい作業を強いられている。労働安全衛生法では被曝線量が年50ミリシーベルトを超えると、それ以上働けない。

 東電は廃炉に必要な作業員を年1万人強と見込み、数年先までは確保できるとしている。

長期の人材確保が課題
 だが事故で溶け落ちた核燃料の取り出しなど、廃炉はこれから難関にさしかかる。長期的に人員を手当てする計画が不可欠だ。

 政府は汚染水・廃炉対策に1700億円弱の国費を投入した。東電の賠償資金を肩代わりするため設けた原子力損害賠償支援機構も改組し、廃炉を支援する役割を加えた。廃炉を東電だけが担うのは資金や技術面で限界があるにしても、国が場当たり的に東電支援を強めてきた印象は否めない。

 廃炉を着実に進めるには、世界から知恵と技術を集めなければならない。その責任を誰が負い、資金をどう分担するのか。国と東電の役割を改めて明確にし、国民にきちんと説明すべきだ。

 人材の確保は原子力全般で直面する課題でもある。福島原発の事故後、大学の原子力学科の志願者や原子力関連メーカーの就職希望者は急減した。政府はエネルギー基本計画で原発を「重要な電源」と位置づけたが、人材をどう確保するのか具体策を示していない。

 いまある原発の安全性の強化や廃炉だけでなく、国際的な核不拡散体制の堅持や核テロ防止を担う人材も必要だ。そうした人材を持続的に育てる方策を官民で真剣に考えるべきだろう。