東京新聞
2014年8月29日
東京電力福島第一原発事故による子どもの健康被害を調べようと、東海村が実施した甲状腺超音波検診。筑波大付属病院(つくば市)で二十八日にあった最終結果発表会見で、検診を指揮した同大医学医療系の原尚人(ひさと)教授は「住民の方々に不安を与えるようなものは何もないと断言できる」と述べた。
東海村は二〇一六年度から、今回と同じ対象者の検診を再び行い、経過を見る方針を示している。原教授は「子ども自身や親には大きな不安があり、これだけでも深刻な健康被害と言える」とし、「今後、異常が増えないことを証明するのは、医学的に大事」と、再検診の意義を強調した。
調査の対象は、東日本大震災直後の一一年四月時点で十三歳以下だった村内の子どもたち。村が希望者を募り、対象者の64・4%に当たる三千八百二十一人が、一二年十一月から一四年三月にかけて受診した。
甲状腺内にできたしこりや、のう胞の大きさを調べ、67・3%が異常なし、32・2%が経過観察と診断された。五・一ミリ以上のしこりなどがあった残りの二十人(0・5%)を精密検査した結果、機能異常が一人に見つかり治療が必要と判断したが、放射線の影響はないという。また二十人のうち、一人は公表に同意せず「不明」と分類されたが、村によると、治療が必要ではない。 (妹尾聡太)
2014年8月29日
東京電力福島第一原発事故による子どもの健康被害を調べようと、東海村が実施した甲状腺超音波検診。筑波大付属病院(つくば市)で二十八日にあった最終結果発表会見で、検診を指揮した同大医学医療系の原尚人(ひさと)教授は「住民の方々に不安を与えるようなものは何もないと断言できる」と述べた。
東海村は二〇一六年度から、今回と同じ対象者の検診を再び行い、経過を見る方針を示している。原教授は「子ども自身や親には大きな不安があり、これだけでも深刻な健康被害と言える」とし、「今後、異常が増えないことを証明するのは、医学的に大事」と、再検診の意義を強調した。
調査の対象は、東日本大震災直後の一一年四月時点で十三歳以下だった村内の子どもたち。村が希望者を募り、対象者の64・4%に当たる三千八百二十一人が、一二年十一月から一四年三月にかけて受診した。
甲状腺内にできたしこりや、のう胞の大きさを調べ、67・3%が異常なし、32・2%が経過観察と診断された。五・一ミリ以上のしこりなどがあった残りの二十人(0・5%)を精密検査した結果、機能異常が一人に見つかり治療が必要と判断したが、放射線の影響はないという。また二十人のうち、一人は公表に同意せず「不明」と分類されたが、村によると、治療が必要ではない。 (妹尾聡太)