横浜市青葉区に残された里山、「恩田の森」の四季の移ろいをご紹介するblogです。
恩田の森Now
初夏
26 May 2012
このところ暑くなったり肌寒くなったりと天気が安定しない日が続いた恩田の森でしたが、今日は最高気温が25度超えたようで、文句なしの「初夏」の森となりました。
白山谷戸のほとんどの田んぼで田植えが終わりました。この写真には写っていませんが、谷戸の下方にあるSさんの田んぼが、肥料は入れられたものの田起こしもされないままになっています。畑でも姿をお見かけていないので、ちょっと心配です。
マリー・アントワネットが好んで髪飾りにしたと伝えられるジャガイモの花。確かに美しいと思う花ですが、どうやらジャガイモの栽培を広めたいと云う夫君、ルイ16世の政策を反映してのことであったようですね。それはそれとして、いま時分、森の畑のあちらこちらで見ることの出来るジャガイモの花です。
雪の下の花が咲き始めした。半日陰の湿った土地を好む多年草ですので、農家の納屋の裏などで良く見かけます。上下左右対称のものが多い離弁花の中で、上下非対称のこの花は珍しく、また美しいものの一つですが花期はごくみじかく、高温が続くと来週にはもう見ることが出来ないかも知れません。
銭葵(ぜにあおい)の花が畑の端や道端で咲いています。調べてみると、江戸時代の元禄年間に観賞用として日本に入って来たようようですが、今では観賞用として庭で栽培されるよりも、道端で見かけることの方が多いような気がします。それにしても、江戸時代は「鎖国」であったと習ったはずですが、江戸時代に日本にやってきて帰化した植物の何と多いことでしょうか。
田んぼに水が入りました
19 May 2012
早いところでは先週あたりから水が入っていたようですが、白山谷戸の田んぼにも水が入り出しました。今日は雲一つない快晴となった恩田の森、田んぼに写る緑の森と青空とがとてもきれいでした。
虫取り撫子の蜜を吸いに来た揚羽蝶。撮り逃がしましたが黒揚羽もこの蜜を狙っていました。虫取り撫子はヨーロッパ原産で日本へは江戸時代に観賞用として渡来したものが野生化したようです。「虫取り」と云っても食虫植物ではなく、花のすぐ下の茎に蟻などの小昆虫が花に至らないようにするための粘液が出ていることからの命名です。蜜だけを吸い、受粉の役に立たない昆虫の侵入を防ぐのだそうです。
こちらはなるせの森の尾根道にあるエゴノキの蜜を吸うマツハナバチ。我が家のエゴノキにもこの黒い毛に覆われた大きく丸いマツハナバチが来ていました。花の蜜の在りかと蜜を吸う管の長さがちょうど良い具合だと云う事なのでしょう。
今日最後の一枚は、なるせの森番爺谷戸のOさんの畑で咲いていた春菊の花。日本では、春菊は葉を食べるものであることから、その花を見る機会はあまり多くありませんが、勿論キク科の植物ですので「菊の花」が咲きます。蕾を花も葉もコスモスに似ているなと思いましたが、考えてもみればコスモスもキク科ですから従兄弟みたいなものですから似ていて当然ですね。
二週間振りの森は、もう夏
13 May 2012
先週の撮影・更新を休みましたので二週間振りの森歩きとなりましたが、変化のテンポの速いこの時期故に、森の様子は先々週と大きく変わっていました。
森の緑がすっかり濃くなり、雑木林の中もうす暗くなってしまいました。すみよしの森のトトロの切通しも濃い緑に覆われて来ましたが、うす暗くなった切通しのところどころに落ちる木漏れ日はもう夏の強い光でした。
春先に咲くたくさんの花が終わると次は初夏の花。春の花よりは種類が少ないですがそれでも次々に楽しませてくれます。これは庭石菖(ニワゼキショウ)。「菖」の文字からわかる通りアヤメ科ですが、草丈はせいぜい15cm程度の小さな菖蒲です。アメリカ合衆国南部が原産とのこと。
雑木林の中で、吊花(つりばな。ニシキギ属の落葉低木)が、地味だけれど愛らしい花を咲かせていました。名前の通り細い柄の先に小さな花がぶら下がり、じっとしていてはくれない写真家泣かせの花です。
二つの小さな花の後は、葉も花も飛び切り大きなホオノキです。写真はなるせの森の「風の広場」に(おそらく)植栽されたものですが、辺り一面に良い香りを漂わせていました。
このページで紹介しきれない写真はblogの方に掲載しておりますのでどうぞのぞいてみてください。
Blog:郷秋<Gauche>の独り言
http://www33.ocn.ne.jp/~musica/essay_blog.html
お詫び:上記のblog及びFacebookで「いつもは正確な描写を心がけている「恩田の森Now」の写真ですが、今日は、ほんのり淡い感じの画像処理を施してみました。浦々と長閑な春をお楽しみ頂ければ幸いです。」とお知らせいたしましたのは4月15日のことで、今回掲載分はそのような加工はいたしておません。お詫びとともに訂正いたします。