田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

目に青葉山ほととぎす 初鰹  麻屋与志夫

2016-06-01 18:25:37 | ブログ
6月1日 Wed.

●「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」言わずと知れた江戸時代の俳人山口素堂の句である。

●初鰹は、残念ながら海なし県の田舎町に住んでいるので、期待通り味覚を満足させることはできない。

●青葉は――。「あらたふと青葉若葉の日の光」という芭蕉、日光の句がある。まさにその前日光高原とよばれる処に住んでいる。二階の書斎から見られる山の緑はみずみずしく、疲れた目をなごませてくれる。

●トッきょキョかキョくって聞こえてくる。ほととぎすの鳴き声。これがほととぎすの鳴き声なのだろうな。不安なのでYouTube で調べてみた。まちがいなさそうだ。まいにち聞いている初夏の風物詩。

●カミサンを誘ってベニマルまで買い物に出かけた。吹きわたる風がすがすがしく、爽やかで気持ちがいい。花ミズキもすっかり花を落とし緑の葉となった。緑の並木はずっと消防署のほうまでつづいている。一キロくらい、いやそれ以上あるかもしれない。そのうち、消防署のあたりまで歩をのばしてみたい。鹿沼はそろそろ梅雨にはいる。今のうちに、歩き溜めて置こう。などと、サモシイことを考えた。

●東武の快速で15分くらいで、日光だ。日光に行こうかな。などとカミサンと話しながら、せせらぎ公園を歩いてベニマルに着く。


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梅雨。リリの香りがしてくる。 麻屋与志夫

2016-06-01 07:28:19 | ブログ
6月1日 Wed.

●三毛の雌猫リリと別れてから、はや一月が過ぎた。ながいこと、何匹もの猫を飼ってきたが病気で死なれたのははじめてだった。それも一年と八カ月。ああしてやればよかった。こうしてやりたかったと妻と語り合えば、くやむことばかり。いまだに、ふたりともペットロスからぬけきっていない。

●リリはとくに妻になついていた。トイレや風呂にはいっている彼女をドァの外でまっていた。すこしのあいだでも、彼女がいないとさびしがった。寝る時もふたりで寝ていた。彼女にかかえられて、まるで子どもそのものだった。朝起きて妻の寝室にはいっていき、ふたりが頭をくっつけてすやすや寝ている。すべて世はこともなし、といった平穏なあさの情景を見下すのがすきだった。

●妻は孤閨のさびしさに、猫のぬいぐるみを抱いて寝ている。わたしは夜、小説をかいたり諸々の勉強をするので同じ寝床で同じ夢をみることができない。

●わたしにはブラッキ―がいる。でもブラッキ―が最近、妻の膝にホイッととびのるようになった。リリのいない寂しさをやわらげようとしてくれているようだ。妻はブラッキ―にときどきリリとよびかけたりしている。

●雨がふって、湿度が高くなるとリリのニオイがよみがえってくる。部屋の隅々の残り香がいっせいによみがえってくる。

●まだまだリリのことを忘れられない。

●これでいいのだと思う。むりに忘れることはない。わたしは売れない小説家。三文文士だが、このままリリの思い出に浸り小説を書くことを忘れる訳にはいかない。

●リリとの日々交流を、甘い感傷とともに胸に秘め、今日から執筆開始。

●妻はそうはいかないらしい。あれほど直射日光にあたるのがきらいなのに。リリのことを想いながら、庭の薔薇の世話を、むきになってしている。ああ、忘れようとしても、忘れなれないリリのオモカゲを忍んでいるのだと、すこし距離をおいて眺めている。小柄な彼女の影が草花の影にチラホラしている。まもなく鹿沼は梅雨にはいる。

  

「ねえ、パパ外に出たいよ。薔薇の花とあそびたいよ。パパはさんぽにいくの。あたしも、さんぽにつれてって。外に出たいよ」

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