田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

刈り残された彼岸花 麻屋与志夫

2023-10-05 11:23:12 | ブログ
10月5日 金曜日
不意にビューンと音がする。
草刈り機だ。

この季節になると、まるで年中行事のように。
街のいたるところで、空き地で雑草の草刈りをする。

ともかく空き家が多い。
庭は草が生い茂っている。

草刈りをするのは賛成だ。
ただ、わたしが知らないだけで。
雑草と片付けてしまうがきれいな花をさかせているものもある。
刈り取られてしまうのは。
なにかかわいそうな気がする。

真紅の彼岸花が雑草の中に混じって咲いていることもある。
キバナコスモスが咲き誇っていることも。

それらもみんな、刈り取られて無残な姿をさらしているのはかなしいものだ。

今朝、散歩にでたところ――。
空き地で草刈りをしていた。
少し色あせはしてきた。
だがそれでもまだ赤く咲いていた彼岸花を。
狩りのこした作業員の方がいた。
その後ろ姿から後光がさしているようにかんじた。



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