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日常的に異形のモノを目撃する。
でも、ミイマにとってはことさらめずらしくはなかった。
ミイマも同族だったから。
ただ少しちがうのは、ミイマはwhiteだった。
異界をときおり目にする。
この世とはちがう。異次元の世界。似ているようでちがう。
キャメロン監督の「アバター」のような世界。
ミイマは悩んでいる。
それらの異界。
それらの異形。――がこの世界にまぎれこんできた。
GGと半世紀にわたって生きてきたこのリアルワールドに。
異界の、異形のモノがはいりこんでいる。
ひとびとの異常な欲望を強く刺激する。
人間を妖物に――疑似吸血鬼にかえる。
かれらはブラック・ヴァンパイア。
フイギァ・フェチ。
吸血鬼のフイギァを抱っこして幼児が育つ。
子どものころからみなれているから怖くはない。
だからといって、BVが無害だというわけではないのだ。
ミイマは「GG刀エクササイズ」の応接間で百子が連れてきた美香&香世に会っていた。
「おかげて、兆子も元気になったているものね」
「また、たすけてもらったの」
と兆子が但馬ソバ店に住みこみ店員となった少年Aの経緯を説明する。
「翔子もよろこんでいる。絶望視されていた純も快癒しそうだわ。すごい血清ね」
「くるわ。くるわ」
香世がふいにつぶやく。
「そうね。きたわ。いま道場にはいってきた」
「モニターをきりかえて。道場よ」
「OK。ミイマ」
玲加のこえだ。
「アイツラよ。アンデイがはなしていたBV」
ギターケースをもつている赤毛の男。
「あのなか、マシンガンじゃないよね」
「香世。マカロニ・ウエスタンの見過ぎよ」
「オネエ。わたしアンデイにれんらくするシ」
ミイマと一団となって応接室をとびだした。
百子と兆子は廊下をすでに走っている。ミイマがそれに続く。
美香&香世は交互にアンデイとはなしている。
すこし遅れる。
「すぐきて。たぶんアンデイのはなしていたBVよ」
「オネエ。アンデイと会えるね」
「ウレタンの刀なんて、にほんの剣道場にあわないね」
赤毛の男が道場の中央に仁王立ち。
「だから、ここは剣道場ではないの。美容を目的としたエクササイズなの」
麻衣が焦れながら説明している。
ウレタンの刀で叩かれても倒れるわけがないのに数人の練習生が床に横たわっている。
百子が麻衣を制した。
赤毛に近寄っていく。
戦う気だ。
「百子。わたしにやらせて」
美香が赤毛と百子のあいだに割って入る。
「お相手するわ」
「それ、まってたね。みててよ」
後のことばは控えている仲間にかけたものだ。
やっばり。と美香は声に出さないで思った。
「ジムだよ」
ヘンな挨拶。でも応えてあげる。
「但馬美香」
「おう。ラッキーね。但馬守の子孫ね。柳生流かよ」
「あんたら、JCの読み過ぎだシ」
「これ、ジャパニーズ・コミックの世界ね。ステキダヨ」
サッとジムがかまえた。やはりといべきか、ライトセーバーだった。
これで練習生はたたかれたのだ。
美香は指剣をかまえた。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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皆さんの応援でがんばっています。
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日常的に異形のモノを目撃する。
でも、ミイマにとってはことさらめずらしくはなかった。
ミイマも同族だったから。
ただ少しちがうのは、ミイマはwhiteだった。
異界をときおり目にする。
この世とはちがう。異次元の世界。似ているようでちがう。
キャメロン監督の「アバター」のような世界。
ミイマは悩んでいる。
それらの異界。
それらの異形。――がこの世界にまぎれこんできた。
GGと半世紀にわたって生きてきたこのリアルワールドに。
異界の、異形のモノがはいりこんでいる。
ひとびとの異常な欲望を強く刺激する。
人間を妖物に――疑似吸血鬼にかえる。
かれらはブラック・ヴァンパイア。
フイギァ・フェチ。
吸血鬼のフイギァを抱っこして幼児が育つ。
子どものころからみなれているから怖くはない。
だからといって、BVが無害だというわけではないのだ。
ミイマは「GG刀エクササイズ」の応接間で百子が連れてきた美香&香世に会っていた。
「おかげて、兆子も元気になったているものね」
「また、たすけてもらったの」
と兆子が但馬ソバ店に住みこみ店員となった少年Aの経緯を説明する。
「翔子もよろこんでいる。絶望視されていた純も快癒しそうだわ。すごい血清ね」
「くるわ。くるわ」
香世がふいにつぶやく。
「そうね。きたわ。いま道場にはいってきた」
「モニターをきりかえて。道場よ」
「OK。ミイマ」
玲加のこえだ。
「アイツラよ。アンデイがはなしていたBV」
ギターケースをもつている赤毛の男。
「あのなか、マシンガンじゃないよね」
「香世。マカロニ・ウエスタンの見過ぎよ」
「オネエ。わたしアンデイにれんらくするシ」
ミイマと一団となって応接室をとびだした。
百子と兆子は廊下をすでに走っている。ミイマがそれに続く。
美香&香世は交互にアンデイとはなしている。
すこし遅れる。
「すぐきて。たぶんアンデイのはなしていたBVよ」
「オネエ。アンデイと会えるね」
「ウレタンの刀なんて、にほんの剣道場にあわないね」
赤毛の男が道場の中央に仁王立ち。
「だから、ここは剣道場ではないの。美容を目的としたエクササイズなの」
麻衣が焦れながら説明している。
ウレタンの刀で叩かれても倒れるわけがないのに数人の練習生が床に横たわっている。
百子が麻衣を制した。
赤毛に近寄っていく。
戦う気だ。
「百子。わたしにやらせて」
美香が赤毛と百子のあいだに割って入る。
「お相手するわ」
「それ、まってたね。みててよ」
後のことばは控えている仲間にかけたものだ。
やっばり。と美香は声に出さないで思った。
「ジムだよ」
ヘンな挨拶。でも応えてあげる。
「但馬美香」
「おう。ラッキーね。但馬守の子孫ね。柳生流かよ」
「あんたら、JCの読み過ぎだシ」
「これ、ジャパニーズ・コミックの世界ね。ステキダヨ」
サッとジムがかまえた。やはりといべきか、ライトセーバーだった。
これで練習生はたたかれたのだ。
美香は指剣をかまえた。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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コメントありがとうございます。
おもしろく書けず毎日苦労しています。
物を書くのは、たった一人の戦いなんだなぁと、しみじみおもっています。