「キヨミ……」
かたわらにいるキヨミにだけきこえるように。
声をひくめた。
いや理沙子は恐れている。
「みて……アイツラには影がない」
さきほどまで影がぶれていた肥満男。
サターンの頭も。
影か消えてしまった。
「つうことは。こいつらアレ」
「理沙子。撤去だ」
タイミングよく舗道から、翔太の声がふってきた。
2
「そういわれても、すぐには信じられないよ」
駅の東。
宇都宮餃子会館にそろってはいった。
一段高くなった隅の席で理沙子がひそひそと。
一別以来の話をしながら。
キヨミの敵について解説している。
「理沙子は秀才だからさ。
操の生徒と宇女商のアタイではつりあわないと。
引いたんだよ」
「そんなのおかしいよ。
いままでだって、これからだってわたしたちチームだよ」
「うれしいよ。それでさぁ」
まだキヨミは旧交をあたためたかったらしい。
理沙子は吸血鬼のはなしにはいろうとした。
翔太が車から段ボールの箱をはこんできた。
「なんですかこれ。ボス」
「ボスじゃない。パートナーなの」
翔太がはこんできたのはVampire Hunter Kit だった。
さきほど理沙子が危ういところで投げたプチプチシートもある。
「ゲーム感覚だね」
「みなさんがあの連中と戦うとこ、みせてもらった。
半覚醒しているとみた。
またおそわれたときに必要となるから。
それにこれは覚醒者しかもたないシルバーリング。
使いかたは理沙子にきくといい。
ここの勘定はすませてあるから。
たべほうだいでいいよ」
「ねね。理沙子のあたらしい彼?」
3
餃子の匂いをたてて店をでた。
深夜だ。
ひさしぶりであったキヨミと理沙子は油断していた。
この時間こそ。
吸血鬼のいちばんあばれやすいことを――。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓

ああ、快感。
かたわらにいるキヨミにだけきこえるように。
声をひくめた。
いや理沙子は恐れている。
「みて……アイツラには影がない」
さきほどまで影がぶれていた肥満男。
サターンの頭も。
影か消えてしまった。
「つうことは。こいつらアレ」
「理沙子。撤去だ」
タイミングよく舗道から、翔太の声がふってきた。
2
「そういわれても、すぐには信じられないよ」
駅の東。
宇都宮餃子会館にそろってはいった。
一段高くなった隅の席で理沙子がひそひそと。
一別以来の話をしながら。
キヨミの敵について解説している。
「理沙子は秀才だからさ。
操の生徒と宇女商のアタイではつりあわないと。
引いたんだよ」
「そんなのおかしいよ。
いままでだって、これからだってわたしたちチームだよ」
「うれしいよ。それでさぁ」
まだキヨミは旧交をあたためたかったらしい。
理沙子は吸血鬼のはなしにはいろうとした。
翔太が車から段ボールの箱をはこんできた。
「なんですかこれ。ボス」
「ボスじゃない。パートナーなの」
翔太がはこんできたのはVampire Hunter Kit だった。
さきほど理沙子が危ういところで投げたプチプチシートもある。
「ゲーム感覚だね」
「みなさんがあの連中と戦うとこ、みせてもらった。
半覚醒しているとみた。
またおそわれたときに必要となるから。
それにこれは覚醒者しかもたないシルバーリング。
使いかたは理沙子にきくといい。
ここの勘定はすませてあるから。
たべほうだいでいいよ」
「ねね。理沙子のあたらしい彼?」
3
餃子の匂いをたてて店をでた。
深夜だ。
ひさしぶりであったキヨミと理沙子は油断していた。
この時間こそ。
吸血鬼のいちばんあばれやすいことを――。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓

ああ、快感。
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