田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

思い出の小道  麻屋与志夫

2022-11-10 09:57:12 | ブログ
11月10日 木曜日
思い出の小路
●ひとは誰しも思い出の小路がある。
わたしの場合、ふるさと今宮神社の東側の小道だ。
西側はいま建築がつづいている市役所になっている。

●この東側の細く車も入ってこられない、もじどおり蛇行する日のあたらない小道がいまもかわらずのこっていることは奇跡にちかい。
なんでもかんでも壊して新しくするのが好きなこの街にしてはめずらしいことだ。

●昨日、わたしは妻と「まちの駅 新鹿沼宿」に干し柿にする蜂谷柿を買いにこの道を歩いてとぼとぼとでかけた。とぼとぼというのは、寒くなってきたので、宿痾ともいうべき足の痛みにたえきれず、常に前向きに歩いてきたが、その歩みは遅々たるものになっている。
立ち止まっては、もうおわりだ。
歩きつづけている。
いたわりながら歩く足元で赤さび色の枯れ葉がかさかさと寂しそうな音をたてている。
境内の北の隅にあったケヤキの古木は切り倒されてしばらく経つが、こんどは、根こそぎにされて石の柵が建てられた。
境内の樹木がすくなくなった。
見上げる八重桜の枝がバッサリと切られ、その切り口から樹液がふきだしている。
俳句になりそうな小景なのだが、わたしにはその技がない。

●日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ 
樹氷林男追うには呼吸足りぬ  寺田京子
この凄まじい句を目にしては下手気な句作はでない。
永田耕衣の句を読んで以来の衝撃だった。
俳句でこんなことを表現できるのか。
感動した。
そんなことを、最近俳句をつくりだした妻と話しながら歩いた。
この思い出の小道にまたあたらしい挿話がくわえられた。



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