3月22日 日曜日
子猫のリリの大脱走
●ぽかぽか陽気の昼下がり。
突如なりひびく、カミサンの甲高い悲鳴。
「リリが外に逃げた」
「逃げたのではなくて、散歩にでかけたのだ」
「呑気なこといわないで」
カミサンがちょっと勝手口の引き戸を開けたすきに。
――リリはとびだしていった。
カミサンはすっかり取り乱している。
「ものすごく速いのよ。二階にいると思っていたの。かえってこなかったら、どうしょう?」
●春だ。
暖かな日差しのもとで思うぞんぶん跳びはねたい。
ねがいがかなった。
庭をかけまわっている。
「塀の外にはでないだろう。でても、ブラッキ―のにおいもする。じぶんのにおいもかぎつけられるから、帰って来るさ」
「パパはのんびりしていていいわね。リリ」
ようやくつかまえたリリを胸にだきしめて。
カミサンガリリと会話を交わしている。
●リリがニャニャニャとかわいい猫の鳴き声で応えている。
●すべて世はこともなし。
薔薇の芽もふくらんできた。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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ねがいがかなった。
庭をかけまわっている。
「塀の外にはでないだろう。でても、ブラッキ―のにおいもする。じぶんのにおいもかぎつけられるから、帰って来るさ」
「パパはのんびりしていていいわね。リリ」
ようやくつかまえたリリを胸にだきしめて。
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