田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ついてない日/閉じ込められた   麻屋与志夫

2014-04-12 11:58:39 | ブログ
4月12日 金曜日

ついてない日/閉じ込められた

●大江戸線の若松河田駅。
プラットホームから改札口のある地下二階にでるエレベーターに閉じ込められた。
乗るときから何か嫌な予感がカミサンもしていたという。
わたしもしていたが、膝が朝から痛んでいて温湿布をし、その上からサポーターを重ねている状態だった。
やはりエレベーターを利用しよう、と決めた。

●いつもは並んで乗るのだが、ヤンキー風の中年男がいた。
わたしが男の隣に、カミサンは向かい側に立っている。
ともかく、外に出たら七人の敵、あるいは災害というくらいだから、カミサンのボディガードを自負するわたしは諸々の気配りをする。

●比谷線も混んでいた。
カミサンのそばの男がダラダラ汗をながしていた。
風邪でもひいているのか。
その発汗は異常だった。
額から、もみあげのあたりからも汗がしたたり、顎にながれおち、ただごとではなかった。
こんなときでもないと、カミサンと手をつなぐことは絶えて久しい。
GGは照れくさかったが……。
これ幸いと嬉々として、カミサンの手をひいて奥の方に移動した。

●そこへきて今度はヤンキー中年男。
からまれでもしたら、たいへんだ。
わたしはあわただしく、ドアを閉め、改札地下二階へのボタンを押した。

●動かない。
「まちがいなくおしましたよね」
責任を感じてそばのサラリーマン風の男にいった。
「だいじょうぶ、見てました。まちがは、なかったです」
その男がふたたび押した。
びくとも動かない。
「閉じ込められた」ヤンキーが低くつぶやいていた。

●☎のボタンを押す。
「いま係はお手洗いにいっています」
とんでもない返事がもどってきた。
10ぷんくらい動きださなかった。
みんな暑いあついといいだした。
ストレスで呼気をあらげているひともいる。
「今開ける操作をしていますから」
というようなことしを言ってくれればいいものを――。
☎は通じているのだから――。
そうすれば助けに来てくれていると安心できるのに。
まだまだこういうときの、マニアルが不備だ。

●帰りは、東武日光線。
浅草発20時の特急。
その前の電車が豚との接触事故。またまた頓挫する。
「とんでもないトン(豚)ザだ」
などとジョークをとばしていたわたしだが、90分近く閉じ込められると、いらいらしてきた。
浅草にもどるばあいも特急券の払い戻しは無い、と車掌がほかの乗客にそっけなく応えている。
「ここまでのってきたのだから……」というように返事をしていた。
乗客は喧嘩腰の剣幕だった。
こういうときの、不測の際のマニアルが出来ていない。

●仕方なく、南栗橋からJR宇都宮線に乗り換えた。
宇都宮から日光線と乗り継ぎ、鹿沼駅についたのは23時過ぎ。
東武線で事故がなければ、21時30分くらいには新鹿沼駅に着く。2時間近い遅延。
もちろん、特急券の払い戻しは無かった。

●わたしたちの身に起きた災難。
こういうことは、どれくらいの確率で起きるのだろうが。

●理系女のあなた、計算していただけますか。



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古い怪談のある栃木。いま新しい怪談誕生。恐怖、戦慄保証付き

栃木には大中寺の七不思議がある。特に『馬首の井戸』や、秋成の日本吸血鬼物語の嚆矢(こうし)ともいわれている『青(あお)頭巾(ずきん)』は有名だ。―― その土地は、いま外来種ル―マニヤ吸血鬼の侵攻(しんこう)を受けている。吸血鬼監察官の文子と龍之介は敢然(かんぜん)とその敵に立ち向かう。龍之介のジイチャン翔太も愛する九(きゅう)尾(び)玉(たま)藻(も)と、命がけの抵抗をする。二組の恋人同士が最後にたどりついた境地(きょうち)、1000年の時空(じくう)を超えた愛の不滅(ふめつ)の物語。あなたは恐怖し、そして純愛に涙する。











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