田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

リリのお手柄。ムカデを退治。 麻屋与志夫

2016-04-27 15:26:20 | ブログ
4月27日 Wed.


●なにか気配を感じた。かすかな音がする。リリは虚空を見上げ鼻をひくひくさせた。耳をぴくぴくさせていた。

●リリのこの動作をカミサンがみのがさなかった。こうした動きを猫がするときは、なにかいる。

●「キャア―」とカミサンが悲鳴をあげた。この世の終わりが到来したようなけたたましい悲鳴だ。

●その絶叫をききつけ、わたしは離れ座敷に急ぎ、引き戸を開ける。カミサンの指さすふすまの上のほうに。いた。ムカデだ。10センチ以上もある。わたしはあわてて、手にしていたバインダでムカデを叩いた。

●「噴霧器。ゴキブリ用でいい」とカミサンに叫ぶ。

●カミサンが持参した噴霧器――で、わたしがムカデに向かって吹きつけた。ムカデが畳におちた。

●多寡がムカデくらいで、なぜこんなに大騒ぎになるのかというと――。数年前のやはり五月のゴールデンウイークだった。わたしがムカデに刺された。ひねりつぶすのは、かわいそうだとおもい、ティシューでつかまえて、刺された。

●痛みはたいしたことはなかった。体がふるえだした。動悸が高まった。おどろいて、深夜であったが、お客に来ていた娘に上都賀病院まで連れて行ってもらった。

●「リリ。偉かったね。よくしらせてくれたね」カミサンはリリにほほずりして、ほめている。

●リリは病気でほとんど動けない。カミサンの寝床の裾の方に座ったきりだった。もしカミサンが刺されたら、そのショックで……心臓の弱いかのじょだ――。

●リリのお蔭でたすかった。なにもしないで、おまえは生きているだけだ。なんていったらバチがあたるな。

●リリちゃんありがとう。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
嬉しいです。 (種吉)
2016-04-27 22:09:46
こんばんは。遅くすみません。
りりちゃん、ずいぶん回復してきたんですね。
とても嬉しいです。
ムカデの毒は激しいものらしいです。
刺されずにすんで、良かったです。
返信する
Unknown (麻屋)
2016-04-28 06:15:53
その節はお世話に成りました。
回復したのならいいのですが。
また、病状が悪化しないかと、
不安な日々を過ごしてします。
このまま、いや、いますこしよくなって、
固形の餌を自分でたべられるようになればいいのですがね。
返信する

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