日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎望郷(未来探偵ロクロ その7)

2024年03月25日 | ◎本日の想像話
 夕刻間近。約束の埠頭に車を乗り入れた。ミツオ達の乗船するフェリーはすでに停泊している。二人を待ち構えていた須田が近づいてきた。
「時間どおりですね」
「時間厳守がモットーなんでね」
「このフェリーに乗れば良いのですか」
 エリーが須田に聞く。
「船旅といいましたが、こちらの船に乗り込んでいただけますか」
 須田が指し示した方角には、車が10台ほど格納出来るほどの巨大なコンテナを抱きかかえた、空飛ぶカーゴがあった。
「海上を飛んでいくのか」
「そうです。なにぶん定期便の存在しない場所に行ってもらうために、なんとか手配しました」
「約3日間の生活はどうなりますか?」
「ご安心ください。乗客はあなた達だけです。あのコンテナの中は特別仕様になっていて、ガス、水道、お風呂、食材、すべて完備しておりますのでご安心ください。車を中に入れてすぐ出発です」
 係員と須田が車を誘導する。
 係員がコンテナの扉がゆっくりと開く。車を一台固定する場所が用意されていて、扉で仕切られている。ミツオは駐車位置に車を停車した後、車止めにより四個の車輪が固定された。下車したミツオは係員に室内に移動するように促された。
「では、よろしくお願いいたします」
 コンテナの扉が外から閉められる。その隙間から須田が声をかけている。ガチャリと重い音に続いて、ロックされる音がこだました。
 二人は仕方なく部屋へと続くであろう扉を押し開けた。

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◎望郷(未来探偵ロクロ その6)

2024年03月24日 | ◎本日の想像話
 ミツオは窓ガラスを下げて須田に話しかける。
「ちょっと確認したいことがありまして。ちょうど近所を走っていたもので、もしかしたらいらっしゃるかなと思いまして」
「今日は妻と子供がいますので、家の中はご遠慮ねがいます。依頼の件は妻には内緒なのです」
「ですよね。ひとつだけお聞きしてもいいですか」
「なんでしょう」
「須田さんは、エンジニアとおっしゃていましたが、具体的にはどんな仕事になりますか」
「毎日ミツオさんは見ていますよ。はるか上空へと物資を運んでいるエレベーターの設計及び、運行の管理に携わっております」
「それは驚きました。では昨夜お聞きした日時と場所に、エリーと一緒に行きますので、どうぞよろしくお願いいたします」
 ミツオは偵察に来た事実を取り繕うことで精一杯だった。
「せっかく来ていただいたのに誠に恐縮です」
 須田は申し訳なさそうな素振りでミツオを見送った。
 ミツオが住居兼、事務所に戻るとエリーもメンテナンスを終えて帰宅していた。
「須田はいましたか」
「エリーは何でもお見通しだな。家にいたよ。でも奥さんには内緒の案件と言われた。仕事は軌道エレベーターの設計らしい」
「あれが出来て5年も経っていません。当時、ブレイクスルーの発明があって初めて完成にこじつけたと聞いています。もしかして、画期的な発明に関与しているかもしれませんね」
「そうだな。いずれにしても、ちゃちゃっとやっつけてしまおう。簡単な仕事だな」
 ミツオは夜のとばりが訪れるにつれてまた飲みに出かけようとしていた。しかし、エリーに首根っこをつかまれた。
「昨日飲んだでしょう。今夜はだめです。家で飲みましょう。何が食べたいですか」
「いたたた。分かりました。パスタでお願いします」
 ミツオはエリーにヘッドロックされながらかろうじて答えた。

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◎望郷(未来探偵ロクロ その5)

2024年03月23日 | ◎本日の想像話
 一晩中飲み明かしたミツオは最悪な体調で目覚めた。エリーはメンテナンスに出かけていないようだ。ぎりぎりと痛む頭を抱えながら、台所へと向かう。
「一応、須田の家でも見ておこうか」
 ミツオは独り言をつぶやいて蛇口から水を直接飲んだ。
 着替えを終えたミツオは愛車に乗り込む。地面をタイヤで走る車はほぼいない。大多数の車は空を飛んでいる。しかも自動操縦で快適に目的地へと運んでくれる。現代では、車を自分で運転できる人間はいなくなっている。
 昨日もらった須田の名刺には肩書きは無かった。ただのエンジニアだと本人が言っていた。名刺の住所を地図帳で調べたミツオはクラッチをつないで走り出した。ここからそうは離れていない。
 立派な一軒家の前でミツオは車を止めた。表札は出ていない。小さな女の子と奥さんが庭の花に水をやっているのが小さく見えた。
「昨日はどうも」
 運転席のミツオは声をあげそうになるほど驚いた。窓をたたいて声をかけてきたのは須田だった。

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◎望郷(未来探偵ロクロ その4)

2024年03月22日 | ◎本日の想像話
 須田が帰った後、エリーとミツオは依頼内容の検討を行いがてら、道明寺のバーへと場所を移した。バーの扉をあけると、ヘッドホンをつけた道明寺が、何やら夢中で小さな端末をたたいていた。
「それなに?」
 ミツオはカウンターに座りながら聞く。
「不便利を楽しむって興味ある?」
「何それ。質問に答えてよ」
 道明寺がヘッドホンをはずす。
「佐々木も不便利を楽しむに同意してくれて一緒に楽しんでいる最中なの。この端末はモールス信号を送る機械。明日の昼食、何が良いのか聞いていたわけ」
「今日合った依頼人も。もしかしたら不便利を楽しむ一派なのかもしれない」
 ミツオがいつもの人造アルコールを胃に流し込む。胃にぽっと火がつく感覚を楽しみながらエリーに声をかけた。
「車ごと、フェリーに乗りこんでの船旅が依頼です。出発は明後日ですから、いただいたお金で一度メンテナンスに行かさせていただきます」
 エリーも心なしかうかれているようにミツオには見えた。

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◎望郷(未来探偵ロクロ その3)

2024年03月21日 | ◎本日の想像話
「言っていることは合っているみたいです。荷物の中身は危険なものではなさそうです」
 エリーがミツオの耳元でささやいた。
 事務所のテーブルにはちょっとした細工が施してある。天板上にあるものの中身を確認できる機械を埋め込んであるのだ。別室のモニターで確認できる。
「須田さん。そうは申されても、はいそうですかと言うわけにはいきませんよ」
 ミツオは腕を組み考え込む。その姿を見た須田が懇願する。
「お願いします。お礼は前金で精一杯させていただきますので……」
 須田は分厚い封筒を懐から取り出した。エリーとミツオは封筒に釘付けだ。ミツオは封筒に手を伸ばした。「今回だけお受けいたしましょう。詳細をお聞かせ願いますか」
「ありがたい」
 須田はミツオの手に封筒を押しつけた。一通りの打ち合わせをした後、須田はよろしくお願いしますと言い、帰って行った。
 ミツオとエリーは須田の背中を見送りながら、須田という男が何者なのか、調べてみる必要があると思っていた。

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◎乙女

2024年03月20日 | ◎本日の想像話
乙女心と「おにみみコーラ」
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◎望郷(未来探偵ロクロ その2)

2024年03月19日 | ◎本日の想像話
 ミツオはもみ手をしながら立ち上がる。
「親切丁寧、明朗会計、熱意が売りのロクロ探偵事務所はこちらでございます。本日はどういったご用件でございましょうか」
 テンションを上げたミツオには見向きもせず、男はうつむきがちに室内へと歩を進める。ミツオが椅子を勧めると、おずおずと腰を下ろした。
「私、須田 重雄と申します。研究職をしております。依頼は、この荷物をある人物に手渡しで届けて頂きたいのです」
 須田と名乗る男は包装紙に包まれた箱をテーブルの上に置いた。反応に困るミツオは、いつの間にか横に来た、エリーと目が合う。
「なぜ、送らないで手渡しなのです?」
「それは住所の無い場所にいるからです。ここから3日ほど移動していただきます」
「中には何が入っていますか」
 ミツオは用心深くちょいと押しながら聞いてみる。思ったほどの重量は無かった。
「ちょっとした小物と、手紙です。どちらかというと、手紙を届けて欲しいというのが本心です」

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◎望郷(未来探偵ロクロ その1)

2024年03月18日 | ◎本日の想像話
 とある平日の午前中。何もすることのないミツオは事務所の窓際にあるサボテンに霧吹きで水を与えていた。窓の外を見る。世界は薄暗く、霧が空間を支配している。
 霧の世界にもランドマークといえるものが存在する。どこにいても見える巨大な構造物は、地上から上空へと光の道を残していた。宇宙へとつながるエレベーター。物資を宇宙ステーションへと運搬している軌道エレベーターと言われるものだ。暇を持て余すミツオは、忙しく働く人々に申しわけない気持ちに襲われる。しかし、そうは言っても仕事はない。
「私にもメンテナンスの経費がかかります」
 エリーは自分の出来る範疇での、ネット営業をしながらミツオに嫌みを言う。
「サンシロー事案での臨時収入があるじゃない」
「たまりにたまった家賃、光熱費、車、私のメンテナンス経費。いつまであると思っているのですか」
「……」
 ミツオは返す言葉も無い。
 そのとき、事務所のドアが開いた。「ロクロ探偵事務所とは、こちらでよろしかったでしょうか」
 年齢50歳ぐらいの髪の短い短髪の男がそこにいた。


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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その35 おしまい)

2024年03月17日 | ◎本日の想像話
「新しい事業の一環として、記憶を操作するバイオペットを考えたのだが……」
 山岡はサンシローを見つめながら、頭をなでる。
「篠田のラボで成功したことは、生前の姿をそっくりに似せることだった。でもそのためには、オリジナルの個体の死が必要になる」
「その行為に意味はあるのか」
 ミツオが口を挟む。
「どうだろう。分からない。佐々木の行動から想像すると、長年寄り添ったペットが入れ替わってレプリカで目の前に現れる……あまり喜ばしい行為ではないのかもしれない。でもこいつは立派に生きている」
 山岡は佐々木に眠ったままのサンシローを渡した。
「あとは、お前達に任す。どうやら俺は年を取り過ぎたようだ」
 山岡親分は背を向け、去って行った。
 佐々木と残された子分達は、黙して頭を下げた。その姿勢のまま親分を見送るしかなかった。
 ミツオとエリーも黙って山岡親分の背中を見送った。


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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その34)

2024年03月16日 | ◎本日の想像話
「サンシローはこのままでは死ぬ。俺は、かすかな望みをかけて篠田に弱りつつあるサンシローを預けた」
 佐々木は浮遊している墓標に手を添える。墓標がかすかに輝く。直後、元気に動き回るサンシローの姿が空中に浮かび上がる。その姿を遠い目で見ている。
「手術が終わり、篠田の手に抱かれた姿を見たときには、うれしくて震えたよ。でも名前を呼んでもサンシローは無反応だった。手術は成功したと篠田は言っているがどうしてもそうは思えなかった。俺の事が分からない……。記憶は引き継がれていない。その疑心はいつしか親分への恨みへと変化していった」
「やはり、ここにいたな……」
 その場にいた全員が振り返った。そこには子分を引き連れた山岡がいた。腕にはサンシローが抱かれている。サンシローは眠っている。
 佐々木は涙を拭う。その姿を見た山岡は重い沈黙の後、決心したように口を開いた。
「佐々木よ、俺は決めたよ。俺は引退する。すべての権限をお前に託す」
 引き連れた子分に諭すように山岡は言った。

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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その33)

2024年03月14日 | ◎本日の想像話
 振り向きもせず、ただ一心不乱に進んでいた佐々木が地面に直立した。そしてしずしずと歩き出す。おそらく目的地であろう施設の門をくぐって入っていった。ミツオとエリーは一定の距離をあけてついていく。門には「篠田霊園」と書かれている。
 佐々木は霊園の一番奥まった墓石の前でうなだれていた。気配に気づいた佐々木が声をかけてきた。
「俺が、何をしたかったのかと思っているな」
「俺達なりに考えた」
 ミツオとエリーはうなずき合う。佐々木の瞳はうるんでいた。泣いているのかとミツオは思った。
「あんた達の想像した俺の動機を聞かせてもらっても良いか」
「その墓石は、サンシローのものだな」
 佐々木は驚きを隠せなかった。
「あんた以外とするどいな」
「サンシローは病気だったのか」
「そうだ、腎臓をわずらっていた。このままではいくらも生きないと篠田に言われた。なぜか山岡親分もその場にいて、新規事業の説明を受けた」
「それがバイオペットだったのか」
「篠田のラボを山岡親分が買い取った。そこで、生前の記憶を引き継いだバイオペットを作る計画だった」


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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その32)

2024年03月09日 | ◎本日の想像話
 エリーはミツオが退出した後の話を説明した。佐々木が奥の隠し扉から現れたこと。狂言殺人を山岡親分にそそのかしたこと。そして山岡親分に銃を向けたが、サンシローに阻止されたことを話した。ミツオは首をかしげる。
「佐々木は一体何がしたいのだろう」
「分かりかねます。でも、もしかしたら、彼がどこに行くのかによって、分かることがあるかもしれませんね」
 佐々木の歩みは歩くスピードでは無くなってきた。そして、いよいよ走り出した。ミツオ達に気づいて駆けだしたというよりも、自分の移動スピードのもどかしさに耐えかねて走りだしたようだった。佐々木が走り出して10分以上たっただろうか、まだ追跡は続いていた。エリーはミツオの様子を心配して声をかける。
「大丈夫ですか」
「大丈夫だ。こう見えて、長距離走は得意なんだ」
 ミツオが言い終わった直後、前方の佐々木は飛び上がった。地上から7メートル以上のジャンプを繰り返し小さくなっていく。
「俺には無理だ」
 ミツオはエリーを絶望の表情で振り返る。
「大丈夫です」
 エリーはひょいとミツオをお姫様だっこして抱え上げた。驚くミツオを無視してそのまま飛び上がる。

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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その31)

2024年03月08日 | ◎本日の想像話
 佐々木は取り付かれたように前だけを見据えてどこかにむかっている。ミツオは慎重に後をつける。そのときミツオの背後に音も無く上空から青い影が舞い降りた。エリーだ。エリーはミツオが驚いて声を出さないように後ろから口を手でふさぐ。驚いたミツオの声は、エリーの手で見事に封じ込められた。エリーは前に回り込んで自分であることをミツオにアピールした。ミツオはもう一度驚く。
「佐々木に拉致されて大丈夫だったのか」
 ミツオはエリーの両肩を左右からゆさぶった。
「道明寺さんに助けてもらった」
「そうか」
 二人は佐々木の様子をうかがいながらひそひそ声で会話を続ける。
「実は私、山岡邸での出来事をドローンで見ていた」
「山岡親分は……」
 ミツオが一息ためる。ミツオの意図を感じたエリーが調子を合わせる。二人が同時に声をそろえた。
「死んでいない!」
「やっぱりそうか!」
「しー」
 テンションの上がったミツオをエリーがたしなめた。

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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その30)

2024年03月07日 | ◎本日の想像話
 人目を避けるように歩きながらミツオは考えていた。血まみれの山岡親分を目の前にしてあわてて逃げ出したが、はたして何があったのだろう。山岡の酒を口にした途端、起きてはいられない眠気に襲われた。意識を失う直前に見た光景は、満足げにこちらを伺う山岡の視線だ。あの視線は、思惑通りに事が進んでいることを確認する目だった。
 口にした酒に、薬を盛られたとみて間違いないと思った。そしてある可能性を考えた。もしかして山岡は死んではいないのではないか。なぜ山岡が、そんな事をする必要があるのか。理由は分からないが、なんだか、そう思えてきた。ミツオはくるりときびすを返して山岡邸に引き返すことにした。
 来た道をまっすぐ引き返しては、追っ手に遭遇するかもしれないと考えたミツオはすこし遠回りしながら山岡邸に近づくことにする。
 一本筋を違えた道に、見たことのある男がちらりと通り過ぎるのがミツオには見えた。相手はミツオに気づいてはいない。
「あいつは佐々木だ!」
 ミツオは佐々木の後を追った。


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◎おおざっぱに幸福(未来探偵ロクロ その29)

2024年03月06日 | ◎本日の想像話
 映像から、ダクトの出口らしきものが見て取れた。エリーは慎重にドローンを奥へと進める。
 ミツオが居た。そしてもう一人の人物は血まみれで倒れている。
 おそらく山岡親分だろう。ミツオが狼狽しながら部屋を出て行く後ろ姿が見えた。
(一体どうしちゃったの!)
 エリーは言葉を失い、呆然とした。結果的に思考停止に陥ったエリーのドローンは、しばらくその場にとどまる。
 むくりと起き上がる血まみれの山岡親分を確認した。
 エリーはおもわず声を上げた。  この後、佐々木が現れ、そして部屋から逃げ出していった。
 エリーはミツオを追うべきか、佐々木を追うべきか考えた後、地面を踏み込み、大きく跳ね上がる。山岡邸の屋根に登る。
 下を見ていると、佐々木が出てくるのが見えた。
 エリーは佐々木の後をつけることにした。


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