「夫ですって、中島さん。こちらの女性は今夜、白黒つけようとしてますね。よほど確信があるようなそぶりです。今夜何があるのか、聞いてくださいよ」
イチは聞こえないのをいいことに言いたい放題言っている。
中島はしぶしぶ聞く。
「ちなみにどうして今夜、旦那をおいかけることになりましたか、差し障りなけれ……」
「私、今夜は出張で家を空けるといってあります。だから今夜なのです」
先ほどと同様にくい気味で女は返答する。
「なるほど」
「その出張というのは……」
中島はおそるおそる聞いた。
「もちろんウソです」
妻に罠をはられた夫の運命はどうなるのかなと思いながら、中島は前方のタクシーを追う。
イチは聞こえないのをいいことに言いたい放題言っている。
中島はしぶしぶ聞く。
「ちなみにどうして今夜、旦那をおいかけることになりましたか、差し障りなけれ……」
「私、今夜は出張で家を空けるといってあります。だから今夜なのです」
先ほどと同様にくい気味で女は返答する。
「なるほど」
「その出張というのは……」
中島はおそるおそる聞いた。
「もちろんウソです」
妻に罠をはられた夫の運命はどうなるのかなと思いながら、中島は前方のタクシーを追う。