姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

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下剤の強さ(1) 岡崎外科姫路の肛門科のブログ

2017-08-02 13:32:19 | 便秘
暑い日が続きますね。熱中症に注意してください。濃い汗をかいたときは塩分の補充も必要です。

さて、刺激性下剤と言われる下剤については、薬局で簡単に手に入ることで安易に使われすぎています。当院では刺激性下剤を減らして、お腹の蠕動調節でここちよい排便になるように日々努力しています。学問的裏付けとして、刺激性下剤の強さを判定しています。今回兵庫県医師会医学雑誌に発表した内容から、皆さんにクイズ形式で説明してみましょう。難しい理屈は後回しにして、まずはご覧くださいね。

 まず市販の下剤のうち大変よく使われている、大正製薬の「コーラック」ご存知ですね。コーラックには何種類も派生品がありますが、ここでは「コーラック」についてです。コーラックは有効成分として1錠にビサコジル5mgが配合されています。ではこのコーラックの強さは、病院でよく処方される「プルゼニド」と比べてどのくらいの強さと思いますか?プルゼニドは1錠中にセンノシドA・B 12mgが配合されています。最近は後発品がたくさん出回っていますので、一般名でいうところのセンノシド錠、あるいはセンナリド錠と言われる、小さな錠剤が同じものです。両方とも服用されたことのある方が多いと思います。バリウムの検査のあとで、2錠出される薬は大抵は「これ」です。

 はい、それでは結果です。プルゼニド(センノシド、センナリド)の強さを10としますと、コーラックの強さは4.2になります。コーラックはプルゼニドの半分より少し弱いと言うところですね。

 それでは次の問題です。ビーラックA、ビュースルー(皇漢堂)、ウェストンピンク(小林薬品)、サトラックスエース(佐藤製薬)これらの強さはどうでしょうか?プルゼニドよりどうでしょう、コーラックと比べてどうでしょう?答えは次回に。

 日本大腸肛門病学会の雑誌編集委員に選ばれましたが、早速に査読の依頼があり、お仕事始めています。査読というのは、投稿された論文を評価し、合格不合格を決めるだけでなく、どこをどうすれば、さらに良い論文になるかを伝え、雑誌にふさわしい論文にしていく仕事です。医学的に正しいかどうかはもちろんですが、論文の筆者の個性まで踏まえて素晴らしい論文にすることが大切です。論文として掲載されることで、日本の大腸肛門病学が進んでいくのですから、とてもやりがいのある作業です。忙しいですが、がんばります。新しい学会の委員の一覧表はこちらです。

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