姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

質問いただきました

2010-07-13 15:17:27 | 裂肛(切れ痔)
質問いただきました、海外在住20代の経産婦のかたです。記述によれば、普通の便でも月に1-2回切れ、痛いのがつらいとのこと。クリニックではニトログリセリンを使う程ではないし、指が通るから狭窄も軽度とのことです。ドクターとのやりとりからある程度のレベルで診療されていることはわかります。従って記述を全て信用してのお答えになります。診てないので歯切れは悪くなりますがご了承くださいね。
排便コントロールのゴールは「月に1度も切れないこと」ですが、次善のゴールは「月に切れても1-2回」です。排便コントロールをかなりがんばっておられるのはよくわかります。それでも普通便で切れるのは「しなやかさ」が足りないからかもしれません。切れるのは実際の狭窄(皮膚レベルで物理的に狭い)のと括約筋攣縮(れんしゅく)(筋肉のしまり過ぎ)によるものだけではありません。切れては治りを繰り返すことで、裂肛部分が硬くなりしなやかさがなくなっても切れやすくなります。その場合は残念ながらニトログリセリンでもボツリヌスでも根治は期待しにくく、手術で硬くなった裂肛部分をとりのぞく必要があります。ただ普通便でも切れる状態で自己拡張をすすめることは、私はしません。どういう方法であれ、切れるとその度に少しずつ肛門は狭くなるおそれがあるからです。無効かもしれませんが、ニトログリセリンをためしてみる価値はあると思います。

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