おせっちゃんの今日2

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渋谷までお出かけ・・・パヴァロッティ―

2020-09-08 13:49:19 | 日記

わざわざ、お出かけというのも可笑しい渋谷までなのですが、コロナ禍の真中,ほとんどSTAY HOMEの日常ですから。

先月末だったと思いますが、新聞1面を使ってカラーで、三大テノール歌手パヴァロッティ―を広告していました。勿論本人であるはずはありません。どうも、残されている画像をうまく編集して、親しく付き合った人々の声で彼の生涯を掘り下げていくドキュメンタリーの映画のようです。
ああ、聴いてみたいな、と思いました。上映は澁谷文化村ル・シネマ1・9月4日です。すぐ近くです。行きたい思いは募りました。

でも、と抑える方向への気持ちも働きます。感染の恐れは少し下火になったとはいえ、老人にはリスクがあります。止めた方がいいかな。でも家に引っ込んでばかりいるのもあまりに寂しい。夜、飲みに出かけるわけではなし、これほど宣伝をしてやると言うからには、感染拡大防止の手立てはしっかりやっているに違いない。こちらもきちんとした態度で行けば、と肯定する思いが大きくなりました。

夫は、コーラスなど声を出すことが好きらしく、定年後カンツォーネの同好会、コーラスの同好会、それとは発声が違うのではと思う詩吟の会などにアチコチと出かけ、機嫌よく一人遊びをしてくれた居ました。
それがコロナ禍で、全てが中止になってしまいました。出かけるときは自転車を使っていましたが、最近転んで、お岩さん顔になってしまって、とうとうやめたのでした。
87歳になっています。その歳で、毎日おうち生活です。所在なくて、時間を持て余す⇒⇒⇒テレビを見ているとごろんと寝転がる⇒⇒⇒赤ん坊並みにうとうと寝てしまうばかりの生活になってしまうようです。
ボケてしまったとまでは言いませんが、ぼんやり、覇気のない、年寄り臭い生活になっていきつつあります。コロナも怖いが、こうした生活から来る認知症はまた怖いと思うことでした。

思い切って広告を見せて行ってみようか、と誘ってみました。思った以上に乗り気です。心なしか目が輝いてきたようです。コロナリスクも話し、コロナ対策は厳重に守らなければいけないよと言い聞かしましたが、行く行く、チケット取って見てと言います。
私も、コロナリスクより、鬱除けの方を取るほうに心を決めました。
チケットはらい太に頼みました。らい太もご一緒させてということに。

当日勇んで出かけました。会場では、マスク着用・アルコール消毒・体温測定・座席の市松座り・が徹底されており、安心の対策が採られているようでした。

写真は勿論撮れませんから、ロビーに備え付けられたチラシをスキャンしたパヴァロッティ―を下に載せます。

いろいろな人の観点で語られる彼の人柄は笑顔とともに、私を引き付けました。
温かい人柄だったようです。テノール三人組は、中の一人が白血病から生還した人でしたが、暖かく迎え入れて活動したようですし、戦火のもと悲惨な生活をする子供たちにも力を尽くし、優しく接したとのことでした。
そして何よりは、その歌声が与える圧倒的な力、存在感のある、厚い胸腹。
表現できないのがもどかしいですが。

そんな人にも、年齢は押し寄せるのですね。「高音が出ないね。彼もお仕舞だ」の批評も聞こえるようになったのだそうです。そんな時、本当に音楽が分かる人が「歳を重ねた、今でなければ表せない音楽である」と言ってくれたようです。
映画は老いの影をまとったパヴァロッティ―ではなく、朗々と歌い上げる彼の圧倒的な歌と笑顔で盛り上がって終わりました。

映画の中で、かなりの数の歌う場面が映されますが、人柄を語る言葉で歌は脇役になっていました。最後の3曲ばかり、心行くまで歌った彼と、それを高揚した気持ちで聞きほれた私どもとひとつになって満足して終わりました。

楽しい時間を過ごした私どもには、免疫力が増進されたのでしょうか、今のところ三人とも無事元気にしています。