菊地成孔&南博によるデュオと、フラワーアーティスト東信による幽玄なる一夜 @LAFORET SOUND MUSEUM
恋する溜め息ってこんななのかもしれない。
もともと3月に予定されていたライブだったらしいが、地震の影響で今日に延期されたらしい。
私は3月の時点ではこれを知らなかったのだから、巡り合わせということにしよう。
カサブランカが妖艶に赤いライトで照らされた会場は、3人の誰かのファンである人々で埋め尽くされた。
3人の誰かに心射抜かれている人々は皆高揚しているようだった。
私はフラワーアートがメインでジャズを聞きに行った。
ジャズとは何なのか、それすらもよくわからないがなんとなく良さそう、というくらいだった。
東さんのおっかけみたいになっているが、まあそれも否めないのだが、菊地成孔さんも何年か前から知っている。
音楽は全然よくわからないのだが、菊地さんのエッセイを読んだことがあって、文筆家としての彼にとても興味があった。
「これから約70分もMCなしでセッションを続けるので、僕の予想ではこの会場の3割くらいの人が寝てしまうんじゃないかと思います。
でも僕らの音楽で気持ちよくなっていただいて眠ってもらえるのは大変光栄なことなので、どうぞ遠慮なく寝てください。
僕らは皆さんの寝顔を見ながら演奏するんで。」
と菊地さんは最初に挨拶をした。
映画館で2時間ずっと起きていることがあまりできない私が、言葉のない音楽70分の間ずっと起きていて酔いしれていた。
目を閉じて聞き入っていて、目を開けると、ライトの具合でステージを覆っている花たちが表情を変えている。
言葉のない音楽がこんなに身体に入ってきたことは初めてかもしれない。
息遣いがそのまま音として伝わる、その生の感じがとても心地いい。
私は最中にいろんな考え事をしたけれど、その考え事は長持ちせずに、音と響き合って宙に消えていった。
セッションが終わって菊地さんが喋る。
ウィットに富んでいて、会場の空気が彼に攫われる。
なんてかっこいい人なんだろう。
東さん本人にもお目にかかれた。
前に出ることを好まない方のようで、菊地さんに紹介されても会場の端で会場の視線を避けていた。
生のサックスと生のピアノ、生の花。
会場を出て私はしばらく、深呼吸と溜め息を繰り返して恍惚としていた。
恋する溜め息ってこんななのかもしれない。
もともと3月に予定されていたライブだったらしいが、地震の影響で今日に延期されたらしい。
私は3月の時点ではこれを知らなかったのだから、巡り合わせということにしよう。
カサブランカが妖艶に赤いライトで照らされた会場は、3人の誰かのファンである人々で埋め尽くされた。
3人の誰かに心射抜かれている人々は皆高揚しているようだった。
私はフラワーアートがメインでジャズを聞きに行った。
ジャズとは何なのか、それすらもよくわからないがなんとなく良さそう、というくらいだった。
東さんのおっかけみたいになっているが、まあそれも否めないのだが、菊地成孔さんも何年か前から知っている。
音楽は全然よくわからないのだが、菊地さんのエッセイを読んだことがあって、文筆家としての彼にとても興味があった。
「これから約70分もMCなしでセッションを続けるので、僕の予想ではこの会場の3割くらいの人が寝てしまうんじゃないかと思います。
でも僕らの音楽で気持ちよくなっていただいて眠ってもらえるのは大変光栄なことなので、どうぞ遠慮なく寝てください。
僕らは皆さんの寝顔を見ながら演奏するんで。」
と菊地さんは最初に挨拶をした。
映画館で2時間ずっと起きていることがあまりできない私が、言葉のない音楽70分の間ずっと起きていて酔いしれていた。
目を閉じて聞き入っていて、目を開けると、ライトの具合でステージを覆っている花たちが表情を変えている。
言葉のない音楽がこんなに身体に入ってきたことは初めてかもしれない。
息遣いがそのまま音として伝わる、その生の感じがとても心地いい。
私は最中にいろんな考え事をしたけれど、その考え事は長持ちせずに、音と響き合って宙に消えていった。
セッションが終わって菊地さんが喋る。
ウィットに富んでいて、会場の空気が彼に攫われる。
なんてかっこいい人なんだろう。
東さん本人にもお目にかかれた。
前に出ることを好まない方のようで、菊地さんに紹介されても会場の端で会場の視線を避けていた。
生のサックスと生のピアノ、生の花。
会場を出て私はしばらく、深呼吸と溜め息を繰り返して恍惚としていた。
