◆ あまりにもひどい!日本の難民政策 (首都圏移住労働者ユニオン)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/a5/d36ad0f9dc28c44f2f7e83a765df8811.jpg)
6月20日は「世界難民の日」です。2018年末で世界の難民は7,080万人を超えており、昨年の6,850万人から170万人増えています。
誰が好き好んで、それまで築きあげた財産や家族との生活を捨てて、生まれ育った国を出るでしょうか。紛争や人権侵害などから、生きるためにやむにやまれず母国を逃れてきた人たちです。この人たちを保護・支援することは人道上当然のことです。
しかし日本政府の難民政策は「最悪!」と言いたくなるほどひどいものです。
◆ 認定率カナダ59.7% 日本0.2%
表1を見てください。世界とのあまりの差に愕然とします。
ドイツの14万7千人超に対して日本はたった20人です。
難民条約は世界共通なのに、なぜ国によってこんなに差が出てしまうのでしょうか。それは条約の解釈が国によって違うからです。
日本政府の認定基準は「母国の政府から個人的に狙われていること」「難民であるという証明を、証拠に基づいて本人がしなければならない」という世界の常識からかけ離れた前近代的なものであり、人権に全く配慮しないものだからです。
証拠を持って逃げてくる難民なんているでしょうか。日本政府は難民を人道上保護しなければならない対象ではなく、管理の対象と見ているのです。
また親日的とされる国からの難民は認定しないこともその一因です。その一番顕著な例はトルコから逃げてきたクルド人を1人も認定しないことです。(次ページ参照)
◆ 申請数は増えても認定数は常に2桁
世界の難民の数は増え続け、同本に逃れてくる人も増えています。数だけで見るわけにはいきません。1人1人に命があり、家族がいて、生活があるのです。申請が不認定になったからと言って帰ることなど出来ない人が多くいるのです。
帰国出来ず日本で生活する人達に、追い打ちをかける施策の主たるものが「就労の禁止」と「入管施設への収容」です。
★ 東京入管に1年8ヶ月収容されたトルコ国籍クルド人
イシルフセインさん(38歳)の場合
◆ 20歳から32歳まで、12年間も政治犯刑務所に入れられた人まで難民じゃないって、どういうこと!?
32歳で出所してからも常に監視がつく状態が続き、身の危険を感じて日本に逃げてきたフセインさん。たまたま1番早く来られる国が日本だったから来ただけでしたが、日本に来てから知り合ったクルド人女性と結婚し、2歳になる女の子にも恵まれ、難民認定を待っていました。
しかし数年後告げられたのは、「不認定」という結果と、またしても長期の収容でした。
入管に収容されている間、トルコ刑務所での苦しい記憶が蘇り、精神的に大変不安定な状態になり、一時は支援者と会うことすら拒んで、自傷行為を繰り返し、命の危険すらありました。
仮放免で家族の元に帰ることが出来、落ち着いてきましたが、仮放免中は就労が禁止されており、健康保険に入ることも出来ません。苦しい状況は続いています。
◆ これでは難民条約批准の意味がない
これほどはっきり自国の政府から迫害を受けた人まで難民と認めないのでは、難民条約を批准した意味がありません。
政治的思惑などは排除して、早急に人権が尊重された難民政策を作るべきです。
『LUM(Labor Union of Migrant Workers) ラム』2019年7月25日発行 第76号
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/a5/d36ad0f9dc28c44f2f7e83a765df8811.jpg)
6月20日は「世界難民の日」です。2018年末で世界の難民は7,080万人を超えており、昨年の6,850万人から170万人増えています。
誰が好き好んで、それまで築きあげた財産や家族との生活を捨てて、生まれ育った国を出るでしょうか。紛争や人権侵害などから、生きるためにやむにやまれず母国を逃れてきた人たちです。この人たちを保護・支援することは人道上当然のことです。
しかし日本政府の難民政策は「最悪!」と言いたくなるほどひどいものです。
◆ 認定率カナダ59.7% 日本0.2%
表1を見てください。世界とのあまりの差に愕然とします。
ドイツの14万7千人超に対して日本はたった20人です。
難民条約は世界共通なのに、なぜ国によってこんなに差が出てしまうのでしょうか。それは条約の解釈が国によって違うからです。
日本政府の認定基準は「母国の政府から個人的に狙われていること」「難民であるという証明を、証拠に基づいて本人がしなければならない」という世界の常識からかけ離れた前近代的なものであり、人権に全く配慮しないものだからです。
証拠を持って逃げてくる難民なんているでしょうか。日本政府は難民を人道上保護しなければならない対象ではなく、管理の対象と見ているのです。
また親日的とされる国からの難民は認定しないこともその一因です。その一番顕著な例はトルコから逃げてきたクルド人を1人も認定しないことです。(次ページ参照)
◆ 申請数は増えても認定数は常に2桁
世界の難民の数は増え続け、同本に逃れてくる人も増えています。数だけで見るわけにはいきません。1人1人に命があり、家族がいて、生活があるのです。申請が不認定になったからと言って帰ることなど出来ない人が多くいるのです。
帰国出来ず日本で生活する人達に、追い打ちをかける施策の主たるものが「就労の禁止」と「入管施設への収容」です。
★ 東京入管に1年8ヶ月収容されたトルコ国籍クルド人
イシルフセインさん(38歳)の場合
◆ 20歳から32歳まで、12年間も政治犯刑務所に入れられた人まで難民じゃないって、どういうこと!?
32歳で出所してからも常に監視がつく状態が続き、身の危険を感じて日本に逃げてきたフセインさん。たまたま1番早く来られる国が日本だったから来ただけでしたが、日本に来てから知り合ったクルド人女性と結婚し、2歳になる女の子にも恵まれ、難民認定を待っていました。
しかし数年後告げられたのは、「不認定」という結果と、またしても長期の収容でした。
入管に収容されている間、トルコ刑務所での苦しい記憶が蘇り、精神的に大変不安定な状態になり、一時は支援者と会うことすら拒んで、自傷行為を繰り返し、命の危険すらありました。
仮放免で家族の元に帰ることが出来、落ち着いてきましたが、仮放免中は就労が禁止されており、健康保険に入ることも出来ません。苦しい状況は続いています。
◆ これでは難民条約批准の意味がない
これほどはっきり自国の政府から迫害を受けた人まで難民と認めないのでは、難民条約を批准した意味がありません。
政治的思惑などは排除して、早急に人権が尊重された難民政策を作るべきです。
『LUM(Labor Union of Migrant Workers) ラム』2019年7月25日発行 第76号
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます