平成16年2月校長連絡会
卒業式・入学式の適正な実施のために
~新実施指針に関する質問に答えて~
Ⅰ 関連法令等
1 通達の法的拘束力について
◎東京都総務局「東京都文書事務の手引き」(平成13年3月発行)には、次のように書かれている。
通達-通達とは、上級行政機関が、その機関の所管事務について所管の諸機関及び職員に対して発する一種の命令をいう。通達は、その内容により拘束力が生ずる点で通知とは異なる。
通知-通知とは、ある一定の事実、意思などを特定の相手方に知らせることをいう。つまり、ある事実、意志等を特定の相手方が認識できるような状態におく行為である。
2 学習指導要領の法的拘束力について
◎学習指導要領は、学校教育法第20,38,43,73条の規定に基づく文部省令(学校教育法施行規則)第25条の委任により制定されたものであり、法律を補充するという性格をもっている。
◎学習指導要領は、高等学校教育における機会均等及び全国的な一定水準の維持を図るために設けられた大綱的な基準である。学習指導要領の国旗掲揚条項は、法規としての効力をもつものであり、したがって、高等学校長を初めとする高等学校教育に携わる者がこれに従って国旗の掲揚、又はこれの指導にかかわる行為をしたときには、適法な職務遂行行為にあたる。(平成8年2月 大阪地裁判決)
3 内心の自由について
◎学校における国旗・国歌の指導は、児童生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるということが重要である。学習指導要領に基づく国旗・国歌の指導は、憲法、教育基本法に基づき、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者としての国民を育成することを目標として行っているものであり、憲法に定めている思想及び良心の自由を制約するものではないと考えている。
(平成11年7月 衆議院内閣委員会 文部大臣)
◎児童生徒、保護者、その他式典に出席する人に対して、憲法で保障されている「内心の自由」について、あえて開式前などに説明する必要はない。児童生徒は、社会科、公民などの学習で、日本国憲法については学習しており、第19条で思想・良心の自由が認められていることを知っている。
◎保護者に対しては、卒業式当日に説明するよりも、それ以前に機会を捉えて、学校教育における国旗・国歌の指導の意義について説明し、理解を求めるようにすることが大切である。
◎教員は、学習指導要領に基づき、教育指導を行わなければならず、教育公務員としての身分を有する以上、関係の法令や上司の命令に従わなければならない。よって、国旗・国歌に関する指導を行うのは、職務上の責務である。(地方公務員法32条)
4 職務命令について
◎地方公務員法第32条では、「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則、及び、地方公共団体の機関の定める規定に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と規定している。この「職務上の命令」を一般的には「職務命令」といっている。
◎学校教育法第28条第3項には、「校長は公務をつかさどり、所属職員を監督する」とある。このことから、教員は、法律を補充する性格をもっている学習指導学習指導要領に基づいて教育指導を行わなければならず、校長は職務命令を発することができる。
◎日頃から職員会議等の場を通じて、共通理解を図るよう努めてきたにもかかかわらず、国旗・国歌の指導を教員に求めることが困難な場合には、校長は、学校運営の責任者として学習指導要領の趣旨を実現するために、必要に応じ教員に対し職務命令を発することもあり得る。(平成11年8月 衆議院特別委員会 政府委員)
5 卒業式の実施にかかる権限と責任について
◎入学式や卒業式は、新しい生活の展開への動機づけを行う機会であり、厳粛かつ清新な雰囲気を作り出すよう工夫することが極めて大切である。その具体的実施方法については、各学校や、特に校長や設置者である教育委員会の判断にゆだねられている。
(平成11年7月 文部大臣)
◎学校教育法第28,40,51,76条により、入学式または卒業式は、学校長の権限と責任において行われる。
◎地方教育行政に関する法律第23条により、教育課程の管理は教育委員会の責務である。
◎都立学校においては都教育委員会が、公立小・中学校においては市区町村教育委員会が、学習指導要領に基づき、国旗の掲揚場所や卒業証書授与の方法を示すことは何ら法的に問題はない。
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卒業式・入学式の適正な実施のために
~新実施指針に関する質問に答えて~
Ⅰ 関連法令等
1 通達の法的拘束力について
◎東京都総務局「東京都文書事務の手引き」(平成13年3月発行)には、次のように書かれている。
通達-通達とは、上級行政機関が、その機関の所管事務について所管の諸機関及び職員に対して発する一種の命令をいう。通達は、その内容により拘束力が生ずる点で通知とは異なる。
通知-通知とは、ある一定の事実、意思などを特定の相手方に知らせることをいう。つまり、ある事実、意志等を特定の相手方が認識できるような状態におく行為である。
2 学習指導要領の法的拘束力について
◎学習指導要領は、学校教育法第20,38,43,73条の規定に基づく文部省令(学校教育法施行規則)第25条の委任により制定されたものであり、法律を補充するという性格をもっている。
◎学習指導要領は、高等学校教育における機会均等及び全国的な一定水準の維持を図るために設けられた大綱的な基準である。学習指導要領の国旗掲揚条項は、法規としての効力をもつものであり、したがって、高等学校長を初めとする高等学校教育に携わる者がこれに従って国旗の掲揚、又はこれの指導にかかわる行為をしたときには、適法な職務遂行行為にあたる。(平成8年2月 大阪地裁判決)
3 内心の自由について
◎学校における国旗・国歌の指導は、児童生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるということが重要である。学習指導要領に基づく国旗・国歌の指導は、憲法、教育基本法に基づき、人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者としての国民を育成することを目標として行っているものであり、憲法に定めている思想及び良心の自由を制約するものではないと考えている。
(平成11年7月 衆議院内閣委員会 文部大臣)
◎児童生徒、保護者、その他式典に出席する人に対して、憲法で保障されている「内心の自由」について、あえて開式前などに説明する必要はない。児童生徒は、社会科、公民などの学習で、日本国憲法については学習しており、第19条で思想・良心の自由が認められていることを知っている。
◎保護者に対しては、卒業式当日に説明するよりも、それ以前に機会を捉えて、学校教育における国旗・国歌の指導の意義について説明し、理解を求めるようにすることが大切である。
◎教員は、学習指導要領に基づき、教育指導を行わなければならず、教育公務員としての身分を有する以上、関係の法令や上司の命令に従わなければならない。よって、国旗・国歌に関する指導を行うのは、職務上の責務である。(地方公務員法32条)
4 職務命令について
◎地方公務員法第32条では、「職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則、及び、地方公共団体の機関の定める規定に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と規定している。この「職務上の命令」を一般的には「職務命令」といっている。
◎学校教育法第28条第3項には、「校長は公務をつかさどり、所属職員を監督する」とある。このことから、教員は、法律を補充する性格をもっている学習指導学習指導要領に基づいて教育指導を行わなければならず、校長は職務命令を発することができる。
◎日頃から職員会議等の場を通じて、共通理解を図るよう努めてきたにもかかかわらず、国旗・国歌の指導を教員に求めることが困難な場合には、校長は、学校運営の責任者として学習指導要領の趣旨を実現するために、必要に応じ教員に対し職務命令を発することもあり得る。(平成11年8月 衆議院特別委員会 政府委員)
5 卒業式の実施にかかる権限と責任について
◎入学式や卒業式は、新しい生活の展開への動機づけを行う機会であり、厳粛かつ清新な雰囲気を作り出すよう工夫することが極めて大切である。その具体的実施方法については、各学校や、特に校長や設置者である教育委員会の判断にゆだねられている。
(平成11年7月 文部大臣)
◎学校教育法第28,40,51,76条により、入学式または卒業式は、学校長の権限と責任において行われる。
◎地方教育行政に関する法律第23条により、教育課程の管理は教育委員会の責務である。
◎都立学校においては都教育委員会が、公立小・中学校においては市区町村教育委員会が、学習指導要領に基づき、国旗の掲揚場所や卒業証書授与の方法を示すことは何ら法的に問題はない。
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