ぴあピアノ教室 in 目白

豊島区目白にある
小さなピアノ教室のページです。
日々の出来事を綴っています。

視唱の必要性

2009-08-02 21:38:31 | ピアノ教育
初見。
初めて見る譜面を、すぐさま演奏する力。

その昔。私はこれが苦手ではありませんでした。
ピアノでなら、可能でした。
でも、歌えと言われたら、恥ずかしいほどできませんでした。

最近、そんな頃の私とそっくりな子が来ました。
初見演奏はとてもしっかりできるのに、
初見視唱はからっきしダメなのです。
そして、私と同じく、絶対音感を持っています。
絶対音感を持っていると、新曲視唱なんて簡単?
と思われがちですが、これが全くダメなのです。
ま、浅~い絶対音感だからかも知れませんが。

昔の私は、弾けるんだからいいじゃないか、
と言い逃れをしていました。
が、やはり、どこか欠落しているのを感じていました。
そして、あれこれ考えながら色々トライし、
ある結論にたどり着きました。

和声感が欠落しているのだと。

音は鳴らせるけれど、次にどんなハーモニーが鳴るか全く予期できない上に、
想像もせずに演奏していたことに気付きました。
これは、和声の進行が理解できていないので、
演奏上の音の進みが、全く必然性のない演奏になります。

今現在弾いている和音、音が、
次のどんな和音を聴きたいがために鳴らしているか、
どこへ解決しようとしているのか、
全く理解できないでいました。

これに気付いてからというもの、
毎日毎日長調・短調合わせて24調の
様々な和声進行をひたすら練習し続けました。
そして、ある時、
自分でもびっくりするほど、新曲視唱が安易になっていたのです。
(そう、高校時代の私を知っている知人が、今の私の新曲視唱を聞いたら
きっと、すごくすごく、びっくりするはず!)

それと同時に、和音の持つ性格に耳が向けられるようになりました。
鳴らすだけの演奏から、音を聴く演奏に変わったのだと思います。

新曲視唱。
これだけを取り出すと、
ピアノを弾くのに、何の役に立つんだ!と思われがちですが、
和声感が身に付いているかどうかを見るのに、
こんなに簡単な方法はありません。
そして、新曲視唱が上手にできる人は、
和声づけも上手だし、和音もきれいに鳴らすように感じます。

今でも、私の和声感に対する劣等感は続いています。
まだまだ、不十分。

私の教室の生徒さんたちには、
是非とも総合的な音楽力を身につけさせてあげたいと
強く思いつつ、レッスンをしています。



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