詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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アメリカの政策に打撃を与えるイラン-中国協定(マスコミに載らない海外記事)

2020年07月26日 | 歴史
アメリカの政策に打撃を与えるイラン-中国協定
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-8bf17d.html
2020年7月24日 マスコミに載らない海外記事
http://www.asyura2.com/20/kokusai29/msg/166.html
2020年7月14日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 最近発表された中国-イラン協定は、二国間協定だが、確実に広範囲な帰結的意味を持つ世界的に重要な出来事だ。既に、対イラン武器禁輸を巡って、国連安全保障理事会で「アメリカ対他の国々」状況にある今、既にアメリカとの「貿易戦争」に巻き込まれている超大国中国が、イランと公式に戦略的提携に入る事実は、世界的な勢力の均衡が、どのように移行しつつあるかについて強力なメッセージを送っている。意義深いのは、中国とイラン両国は、たまたまアメリカが繰り返し、中核的国益にとって「深刻な安全保障上の脅威」と呼んでいる国だ。だから、これら二国が「まとまる」のは、単なる中国の一帯一路構想の延長、経済、貿易協定ではなく、益々、経済的、政治的、軍事的側面を持った長期的戦略的提携と見られる出来事になっている。

 協定が、直接アメリカ権益に、どのように打撃を与えるかは、かなり長期間、アメリカ制裁の標的だったイランのエネルギー部門に、中国が何十億ドルもの投資を狙っている様子から明白だ。予期通り、協定の発表は、既にアメリカで「非難」のコーラスを引き起こしている。なぜなら、中国がイランに何十億ドルも注ぎこめば、イランは、アメリカ制裁の影響をかわして、経済的、政治的生き残りを確保する可能性を得るだろう。

 言い換えれば、イランに対するアメリカの経済的、金融制裁の目的が、政権崩壊を強いることなら、中国投資は、それが起きないよう保障するだろう。同じ文脈で、アメリカ制裁の目的が、イラン経済活動のあらゆるドアを閉じて、世界の他の国々から切り離し、交渉の席につくよう強制することなら、これはほぼ確実に、もはや可能性ではない。

 これは大がかりな計画だ。「この計画は、偉大な一帯一路構想を含め、重要プロジェクトやインフラ開発で、イラン-中国協力のための基盤を整える。それは産業、観光事業、情報技術や通信などの異なる経済部門に対する投資を引き付ける機会だ」とイランのハッサン・ロウハニ大統領が内閣に語った。

 この協定は、確実にトランプ政権の「最大圧力」戦略の失敗を示すだけでなく、トランプ政権は、中国との大掛かりな「貿易戦争」にもかかわらず、中国の発展や世界に対する影響力の急速な拡大という潮流を止めることができないのを証明するだろう。今年早々、トランプ政権は、Covid-19は中国起源で、その蔓延がアメリカ経済を損ない「貿易戦争」更新が、永久に「中国の悪を芽のうちに摘む」というもっともらしい結論に達していた。

 実際、これは最初に、中国からアメリカ経済を切り離すことを狙った、より大きな戦略の一環だった。ブルームバーグの最近の報告によれば、トランプ政権の戦略は、オバマ政権が、最初にイランに制裁を課した際にしたものに似ている。当時、オバマ政権はグループや企業や銀行に、イランの銀行や企業から、資源を引き上げるよう強いた。政権は中国に対して、同じことをしている。四月以来、トランプ政権は、連邦年金基金に、ポートフォリオに大手中国企業を含むインデックスに投資することに警告を発していた。これはトランプ政権が、アメリカ企業を制裁から「守る」ことを狙った方法だ。アメリカの、あり得る切り離しは、中国をもう一つのイランに変えるための下準備だ。

 中国が進歩し続け、新たな協定に入る事実は、中国がアメリカが(誤って)計算したと思われるより既に遥かに強いことを意味する。アメリカの格好の餌食になるには、中国は既に余りに強い。

 極めて重要なことに、アメリカは、イランと中国に対する「戦争」で益々孤独だ。最も信頼できる同盟ヨーロッパは、中国とイランに対し、既に異なる路を進んでいる。ワシントン・ポストさえ報じるように、アメリカは既に、イラン-中国連合に、効果的に挑戦するため自由に使える十分な力がない「一国連合」だ。アメリカがイラン制裁問題を巡って首を絞めようとしていた国連は、既にソレイマーニ大将殺害を「違法」と宣言し、自身に有利なよう出来事の結果に影響を与え、具体化するアメリカの能力を低下させている。

 アメリカは益々国際的孤立に面しており、冷戦終結以来の世界体制のアメリカ一極支配に対する直接の打撃だ。この増大する孤立化の理由の一部は、アメリカ自身の頑固な態度なのだが、この孤立化の決定的な理由は、世界が既に変わり、多極システムに成熟していることだ。

 この文脈で、イランと中国がまとまるのは、中国の一帯一路が更に拡大し、強化するだけではない。それは、アメリカの一極支配体制が、今日の多極世界で、益々、無意味で、いかに、ばかばかしくなっているかを示している。アメリカの制裁は、称賛されないのみならず、ヨーロッパにも中国にも、終始、無視されている。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/07/14/iran-china-deal-cuts-at-the-us-policies/


美輪明宏がNHKで「『芸能人が政治に口を挟むな』なんて時代遅れ」 過去には安倍政権と支持者を「自分が戦地に行け」と一喝(リテラ)

2020年07月19日 | 歴史
美輪明宏がNHKで「『芸能人が政治に口を挟むな』なんて時代遅れ」 過去には安倍政権と支持者を「自分が戦地に行け」と一喝
https://lite-ra.com/2020/07/post-5530.html
2020.07.19 美輪明宏がNHKで「『芸能人が政治に口を挟むな』なんて時代遅れ」 リテラ

『おはよう日本』で「芸能人の政治的発言」について語った美輪明宏

 めずらしいことに、NHKが芸能人の政治的発言について取り上げた。17日放送の『おはよう日本』が「#検察庁法改正案に抗議します」に芸能人を多数参加したことをあらためて振り返り、世良公則、りゅうちぇる、美輪明宏の3人に「芸能人の政治的発言」問題についてインタビューしたのだ。

 世良は自らも参加した「#検察庁法改正案に抗議します」について「今度のことで、若者たちの人生や生きていることとか存在に、社会が直結して、なおかつ政治が直結しているってことを、ちゃんと理解できたんじゃないかなと思うんですよね」と振り返り、沖縄や多様性をめぐる問題などについて発言してきたりゅうちぇるは「日本という国に生まれてこれからここの国で生きていく。そんな中で自分の発言で何か変わるかもしれない。何か変わるきっかけになるかもしれない。この問題について知る若者が増えるきっかけになるかもしれない。そういう興味があるのであれば、調べてでも僕は、やっぱり発信していきたい」とあらためて宣言。

 なかでも、強く印象に残ったのは、やはり美輪明宏だった。美輪は戦後の言論状況について、「1960年あたりが一番盛んになりますよね。いろんな自分の思想とか、そういうものを作詞作曲して歌うようになりましたでしょ」とふりかえったうえで、こう語ったのだ。

「フォークの時代もそうだったけど。少しずつ少しずつ進化して、芸能人の人たちも、いろんなことを臆することなく意見を述べるようになったということで、『結構なこと』だと思いますよ。ただね、芸能人、芸能人とおっしゃるけど、それがもう差別化しているということなんですよ」
「『芸能人のくせに生意気だ』とか『芸能人が政治に口を挟むなんて』なんていうのは、もう時代遅れですよね」

 戦後の言論状況、とくにアーティストが社会運動に参加していた60年代を知る美輪にとっては、芸能人の政治的発言が是か否かなんて、「今さら何を言っているのか」というレベルの話なのだろう。

 実際、美輪自身はいまも政治的発言、政権批判を全く躊躇していない。安倍政権が集団的自衛権を容認し、安保法制を成立させようとしていた2015年には、ジャーナリスト・青木理との対談でこうした動きを徹底批判し、「安倍首相も自民党に投票した人もまず自分が戦地に行きなさい」と一喝したこともある。

 本サイトでは、当時、美輪の詳しい発言内容を記事にしている。問題は、芸能人の政治的発言の是非などではなく、メディアも含めてそれぞれがどう権力と対峙するのかであることを認識してもらうためにも、この記事を再録するので、ぜひ読んでもらいたい。
(編集部)

■美輪明宏「安倍さんも麻生さんも自分が鉄砲をかついで第一線に行っていただく」

2015年7月13日、本サイトで、スタジオジブリの宮崎駿監督が、外国特派員協会主催の記者会見で、安倍政権を痛烈に批判したことをお伝えした。同じく高畑勲監督もまた安保法制と改憲への動きに強い懸念を表明しているスタジオジブリだが、そんなジブリが無料で配布している小冊子「熱風」の2015年8月号で、ある人物が舌鋒鋭く安倍首相をこき下ろしていることは、まだあまり知られていないだろう。

 その人物とは、ジブリ作品にも声優として参加している、あの、美輪明宏だ。「熱風」で始まったジャーナリスト・青木理氏によるインタビュー連載で、第一回のゲストとして登場。「戦後70年」をキーワードにするこの対談のなかで、美輪は安倍首相らにこんな提言をしている。

「(人間は)失敗を繰り返してばかりいる。安倍さんや、石破(茂)さんや、麻生(太郎)さんにしても、みなさん、言い出しっぺの責任を取っていただいて、徴兵制になるならば、まずご自分が、年齢に関係なく、鉄砲を担いで、鉄兜をかぶって、まず第一線に出ていただく。それから、お子さんも、孫も、きょうだいも、それから娘さんのボーイフレンドも、全部一緒に連れ立って第一線に、まず最初に出ていただく。もちろん一兵卒でね」

 それほど戦争がしたいのならば、首相自ら親族も含めてお手本を見せてもらいましょう──記事を通読すれば、これは冗談でも皮肉でもなく、美輪の本気だということがわかる。ある年代より下の人たちからしてみると、あの紅花色の髪色と『オーラの泉』などでの“スピリチュアル”イメージが強いだろうが、今年80歳になった美輪は、長崎で原爆にも被爆している戦争体験者である。青木氏との対談のなかでは、むしろ冷徹なまでの口調で安倍政権の本質をえぐり、安保法制について、自身の戦争体験談を交えながら分析する。

「私は笑ってますね。学習能力がないということでしょう。第二次大戦と同じ。歴史に学んでいないんです。
 日本は、実は戦争ができない国、不可能な国です。大正10(1921)年に暗殺された原敬が言っていたように、日本には何の資源もない。石油も鉄もニッケルも、何も採れない。食料自給率もいまや40%を切って、ほとんど輸入に頼っている」

「とにかく知力が足りないんです。あるのはやまいだれの方の『痴力』。それと情念。それだけ」

■「自衛隊の後方支援って米軍の兵站でしょ」「原発狙われたら一巻の終わり」

 美輪は、太平洋戦争は“横綱に赤ん坊が戦いを挑んだようなもの”として、日本が「知力が足りない」為政者によって、いかに無謀な戦争へと突き進んでいったか強調した上で、安倍首相が「またそれと同じようなことをやろうとしている」と言うのだ。そして、“現在の日本は世界最強のアメリカの手先になろうとしている”と指摘する青木氏に対し、こう返す。

「そんなに甘く考えたら大間違いですよ。だって、アメリカ国債を世界で一番持っているのは日本だったけれど、それが追い抜かれちゃって、中国が世界一になった。最近、中国がちょっと景気減速して日本がまた抜き返したけれど、それでも中国はアメリカ国債を大量に保有しています。アメリカ経済をガタガタにしようと思ったらできる。なのになんでアメリカが日本だけの味方をしてくれます? 甘いですよ」

 さらに、安倍首相が安保法制で法制化させようとする自衛隊による後方支援については、「要するに兵站でしょう」「その兵站を叩くのは戦争の常識です。そこらへんのシビアさというのは、戦時中の人間でないとわかりません。戦争ってそれぐらい卑劣なものですから」と断じて、さらにこう畳み掛けるのだ。

「もうひとつ、日本は(戦争を不可能にする)抑止力を自分たちで作っちゃったんです。原発です。日本の沿岸をなぞるように50数カ所も原発を作っちゃった。今は特攻隊の時代じゃない。ミサイルや無人爆撃機の時代です。原発を狙われたら一巻の終わり」

 美輪は、安倍首相が防衛力増強の重要性を語りながら、その一方で国防上の弱点である原発という“爆弾”を維持し続けているという矛盾を鋭く指摘。そして手厳しい批判を、安倍政権だけでなく、選挙で与党に票を投じた人々にも投げかけるのだ。冒頭に引用した“安倍首相とその家族自らが先に戦地へ行け”という発言は、こう続く。

「それから、それに賛成している選挙民の人たちも、ご自分が支持して選んだんだから、選挙民もまず一家を挙げて、どうぞ出征してくださいって。男の方たちは、ご自分が殺し、殺されにいきたいんでしょ。どうぞ、いらしてください。それだけですよ」

 そこで青木氏が、こうした国民に対して伝えたいことはなにか?と訊いても、「別にないですね。そのときにならなければ人間というのはわからないんです」と冷たく言い放つのだ。

■2014年衆院選の時点で安倍政権の危険性に警鐘を鳴らしていた美輪明宏

 美輪がここまで国民の責を問うのにはわけがある。たしかに安倍自民党は、先の衆院選でアベノミクスによる経済成長を掲げて議席を守った。しかし美輪は、安倍政権の真の狙いが安保法制であることを早くから見抜き、メディアを使って発信してきた。たとえば衆院選の直前、スポーツニッポンのインタビューではこう語っている。

「国民は経済問題ばかりに目を奪われてはいけません。実はその裏に日本の将来を揺るがしかねない重要な争点が隠されているのです。それは、『集団的自衛権』行使の問題です。(略)きっと首相は、国会で自分の都合よく安保関連法案を通すためには、この時期に選挙をしておくのが最も良いタイミングと判断したのでしょう。(略)ここで再び衆議院で安定多数の議席を確保しておけば、「国民からの信任を得た」と、任期の向こう4年間、首相はやりたい放題好き勝手に、きな臭い「積極的平和主義」とやらを進められると踏んだに違いありません。(略)
 いつの時代も犠牲を強いられるのは、弱い立場の人間なのです。こういう世の中で果たしていいのでしょうか。そういう流れを止めるのも、有権者みなさんの大切な1票に他なりません。よくお考えになり、投票所に足をお運び下さい。日本の未来を良くするも悪くするもあなたの責任なのですから」(「スポニチアネックス」14年12月12日)

 少なくともあのとき、国民は安倍政権の本質を見抜いていなければならなかったのだ。いち早く安倍政権が目指す「戦争のできる国」に抗ってきた美輪明宏だからこそ、忸怩たる思いで「殺し、殺されに行け」と強い言葉を投げかけるのだろう。

 美輪が言うように、「そのとき」になるまで、われわれは過ちに気がつけないのか。現在の安倍政権は、誰がどう見ても、完全に“暴走状態”に突入している。そんななか、われわれにできることはなにか。ひとつは、国民の声で安倍政権の支持率をさらに下げ、解散に追い込み、次なる選挙で自民党にだけは投票しないようにすることだが──。

(小杉みすず)

寺山修司、没後30年に思う――。 競馬を愛した偉人が残したもの。島田明宏

2020年07月19日 | 歴史
https://number.bunshun.jp/articles/-/422500?page=2
もっと認知されていい、“競馬の書き手”としての寺山。

「俳句、短歌、詩、ラジオドラマ、演劇、映画、評論、競馬コラム……。ジャンルを超えて表現し続けた寺山修司」(「読売新聞」'13年4月19日付)

「47年というその短い生涯の間に、文学、演劇、映画、競馬評論とマルチに活躍した寺山修司」(「日経トレンディネット」'13年4月16日付)

 これらを見ておわかりのように、寺山のプロフィールを紹介するとき、競馬に関する文章を書いていたことは、決まって最後にポツンと加えられる程度だ。

 が、競馬の著書だけでも、『馬敗れて草原あり』『競馬無宿』『競馬への望郷』『旅路の果て』『山河ありき』『競馬放浪記』『さらば、競馬よ』など数多く、また、競馬ファン以外にも広く読まれている『書を捨てよ、町へ出よう』の第2章「きみもヤクザになれる」などは半分ほどが競馬に関する内容だ。さらに、1頭だけだが、馬主として南関東でユリシーズという名の競走馬を所有したり、競馬特番のナビゲーターをつとめたりと、彼の活動全体に占める「競馬」の割合は、かなり大きかったはずだ。

 競馬ファンとしては、世界的なクリエイターとして評価されている寺山が競馬をこよなく愛していたということが、もうちょっと認知されてほしいと思う。
没後30年を迎え、沸き起こった「寺山ブーム」。
寺山修司 てらやま しゅうじ
1935年12月10日、青森県弘前市生まれ。劇団「天井桟敷」を主宰したほか、詩人・歌人、エッセイスト、映画俳優など様々なジャンルで才能を発揮した。1983年5月4日、敗血症のため47歳で死去。没後30年の今年は、関連書籍の出版や寺山作品の上演が全相次いでいる。

 去年、寺山の享年を追い越した私の世代から、もう20歳ほど上のいわゆる団塊の世代までで、寺山作品を読まずに競馬の文章を書いている人はいないと思う。寺山はそのくらい大きな存在で、実は、この連載コラムのシリーズタイトルも『書を捨てよ、町へ出よう』を想起させる「書を捨てよ、競馬場へ行こう」にしたいと思っていたのだが、ボツになった。

 それはさておき、今年に入ってから5冊以上も寺山の関連本が出版されたり、書店でフェアが行われたり、映画祭「幻想と詩とエロチシズムの『寺山修司◎映像詩展』」が開かれたり、寺山戯曲が何十件も上演されたり、寺山と天井桟敷のポスターの展覧会が行われたり、写真が広告に使われたり……と、没後30年を迎え、「寺山ブーム」が来ていると言っていい状況だ。

 先に引用した「日経トレンディネット」の記事には、「寺山の映画をマネた」と、顔を真っ白に塗って原宿を歩いている女の子たちがいたことが紹介されている。

 また、前出の「読売新聞」の記事にある、九條今日子元夫人の「30年前、こんな現象が起きるとは私は思っていませんでしたが、本人は予測していたんじゃないか。寺山が増殖していくようで、驚いています」というコメントも興味深い。

【次ページ】 寺山修司という存在を持つ競馬ファンの幸せ。
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政府は再度の緊急事態宣言を出せ - 第2波を起こした三つの感染ルート

2020年07月18日 | 歴史
https://blog.goo.ne.jp/admin/newentry/
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今日16日のモーニングショーで、玉川徹が東京新聞の報道を紹介していた。練馬区の保健所では、コロナ感染を疑う市民からの電話が鳴り止まない状態になっていて、PCR検査の順番が取れず、待機を要請されている事態だという。すでに3月4月と同じ状況になっていた。

小池百合子は、1日4000件のPCR検査数を鼻高々で自慢しているが、それでは全然足りず、東京では市中感染が広まっている。玉川徹が指摘したように、1週間単位で見たとき感染者数は倍、倍と増えていて、今週末から来週にかけて東京都の感染者数は400に膨らむ可能性がある。大曲貴夫の予測では、感染経路不明者の数は4週間後(8/11)に現在の16倍の1200人となり、さらに4週間後(9/8)には256倍の19200人になるという数字が示されている。4月中旬にニューヨークで1日の感染者数が最大だったときが1万1500人だが、それを凌駕する水準だ。何も対策を打たず、感染拡大を阻止しなければ、この予測どおりの結末になるだろう。


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第1波が起きたとき、感染者数は4月中旬まで急上昇のカーブで増加したが、同時にその過程は行政とマスコミが必死になって「人と人の接触を減らす」呼びかけをした刻一刻だった。小池百合子の「ロックダウン」発言が3月23日であり、それに触発され牽引されて政府が緊急事態宣言を出したのが4月7日である。西浦博が「42万人死亡説」の脅しを発したのが4月15日であり、山口那津男が官邸に給付金10万円の談判に乗り込んだ日と同じだった。

その間、テレビの報道番組は毎日毎回、繰り返し執拗に渋谷駅前交差点の現在の様子を映し、人出が減った現況を伝え、人と人との接触を8割減らす目標の必達を国民に訴えていた。外出自粛の厳守を呼びかけていた。その甲斐あって、5月に入って陽性者の数は急速に減って行く。5月中旬以降、「日本の成功」が喧伝され、5月25日に緊急事態宣言が解除される。スタバやユニクロやQBハウスが店を開け始め、市民生活は長い「戦時」から解放されて一息つく安堵の局面となった。


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最早、第2波の襲来は否定できない。今回の事態が厄介なのは、行政も専門家もマスコミも等閑に徹していて、危機を危機として認識することなく、市中の混雑を防止しようとせず、都市の人流をそのままにしていることである。経済の再開再興を旗印に、感染拡大を放置し、放置するどころかトランプ的に拍車をかける政策まで遂行していることだ。

3月4月の頃の空気感と全く違う。「感染防止と経済活動の両立」と言いつつ、実際には経済活動を重視した開放の流れで進んだのが、6月7月の日本の楽観に満ちた日々だった。空気は弛緩し、企業はテレワークをやめて社員を都心のオフィスに戻し、会社の飲み会が解禁され、テレビも出演者をスタジオに戻している。ウィルスからすれば、自由に活発に繁殖できる環境条件になっている。発表される感染者数は2週間前の感染実態だから、常識で考えて、大曲貴夫の予測が今後の推移の想定として正しいところに違いない。少なくとも今後3週間は、感染者は増え続けるだろう。東京都の感染者数は月末までに1000人を突破するだろう。


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政府は再度の緊急事態宣言を出すべきである。少なくとも東京と埼玉・千葉・神奈川については4月頃の厳しい自粛環境に戻すべきで、日本型ロックダウン、すなわち自発的非強制的な都市封鎖の措置に踏み切る必要がある。そうしないと、感染者数が指数関数的に増え、全国に感染が拡大して取り返しのつかない事態になる。米国やブラジルのような窮状になる。高齢者に感染が広がり、各地の病院と福祉施設で深刻な院内感染が起き、医療体制が崩壊して死者が急増する。

今すぐに強力なハンマーを振り下ろすことが重要で、第2波の勢いを止めることが急務だ。米国のように感染が深く蔓延して日常化すると、どれほどPCR検査を増やして陽性者の隔離を徹底させても、ウィルスの力に社会全体が征服されて人の力では制御できなくなってしまう。日本は人口の中の高齢者の割合が高く、加えて、過剰なリストラ(聖域なき構造改革)のせいで医療体制が脆弱だから、米国以上に悲惨な結末になりかねない。GoToキャンペーンなど論外で、緊急事態宣言の再発出こそすぐに決定して行動に移さなくてはならない。

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昨日15日の東京都のモニタリング会議で、杏林大の山口芳裕は、東京都は3000床のベッドを確保するべく各病院に働きかけているが、現状、1500床がやっとで、そこから増やすのに四苦八苦しているという話があった。大曲貴夫の見通しどおりに感染者数が拡大すると、来週か再来週には病床が埋まり、医療体制が逼迫し、救急搬送先がなくなるだろう。おそらく、その問題は東京都よりも先に埼玉県で深刻化しそうで、病院に入れず、ホテルにも入れず、自宅待機を余儀なくされる患者が溢れ、モーニングショーで話題になるに違いない。3月4月と同様、保健所に電話しても、しばらく自宅で様子を見てくれと冷酷に突き放され、検査を受けさせてもらえなくなるだろう。

PCR検査のキャパは以前より増えているが、医療体制の不備は解消されておらず、入院施設や医師・看護師のマンパワーの手当が全くできてない。重症者がこのまま増加すれば、すぐに医療崩壊に陥るのは確実だ。「4日間待つのだぞ」の子連れ狼的フレーズは使えなくなったとして、保健所はどういう言辞で門前払いするのだろう。

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第2波の押さえ込みはなぜ失敗したのか。感染の第2波はどこから来たのか。三つのルートがあると私は推測する。第一は、「夜の街」からのスピルオーバーである。感染症研の島田智恵によるスピルオーバーの説明は説得的で、もっとマスコミで光を当てて議論してよい。「夜の街」には感染症が蓄積し滞留しやすい性質があり、最後までウィルス消滅を阻む素地がある。歴史的一般的にその傾向がある。そこを根治しないと周辺に漏れ出るリスクがあり、疫学にとって「夜の街」問題は永遠のテーマだろう。

岡田晴恵は、新宿など「夜の街」のローラー検査を提唱し続けたが 採用されなかったと苦言を述べている。第3波に備えての教訓と課題ということになるだろう。第二は、国際線の空港ルートである。これは、大塚耕平が7月9日の報道1930で漏らしていた事実だが、特にある国からの航空便で顕著な数の感染者が出ているという。大塚耕平は国名を言わず、政府は情報公開をするべきだとだけ言った。松原耕二は国名を訊かなかった。普通に考えて想像するのは、米国だろう。議論は続かず伏せられた。

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思い返せば、春の日本での第1波も、武漢から入った最初のウィルスと、次に欧米から入った感染力の強いウィルスと、二通りがあると専門家が分析していた。そして児玉龍彦は、愛知県に最初にウィルスを持ち込んでクラスターを次々発生させたケースがハワイ旅行帰りの夫婦だった点に着目、イタリア経由で米国から侵入したウィルスが日本の感染の主役になったのだと看破していた。

武漢ルートは右翼が叩きまくったが、米国ルートについては誰も言及しなかった。第三のルートは、第二とも関連するが、米軍基地へ検疫なしで入った米兵の体内のウィルスである。沖縄では、今、大問題になっている。沖縄だけでなく、米兵はフリーパスでどこでも着陸でき、自由に接岸上陸できる。横田でも厚木でも岩国でも、横須賀でも佐世保でも。そこから繁華街に繰り出すことができる。歴史を振り返れば、幕末に大流行して28万人の死者を出したコレラも、安政条約が締結された1858年、長崎に停泊していた米海軍軍艦ミシシッピの水兵が発症し、そこから全国に感染が拡大したものだった。ミシシッピはペリー艦隊旗艦のサスケハナに帯同し、浦賀沖に現れた四隻の黒船の一隻である。


第二と第三のルートの監視と遮断も課題である。政府と米国に情報公開させないといけない。第二・第三のルートを放置すれば、国内でどれだけPCR検査して隔離を徹底しても、何の意味もない。

渡部通信 : 高校生ビラまき弾圧事件

2020年07月18日 | 歴史
  ・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、
  ・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」
の渡部です。
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(少し長いです)
東京で、公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕された。
彼を支援する仲間たちが出した『校民日報』(1号、2020年7月15日発行)によると、
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 7月8日の朝、目黒区立第九中学校の近くで小山台高校の水泳授業のあり方を批判し、
生徒の権利を訴えるビラを配っていた現役高校生Iさんが第九中学校の高橋秀一副校長に
「公務執行妨害」の嫌疑で逮捕され、警察に連行されたのだ。・・
7月7日から目黒区立第九中学校付近でビラをまいていたIさんは7日のビラまきの際も、
高橋副校長にビラをまくことを執拗に妨害されていた。
これを踏まえ、8日のビラまきでは学校から離れた場所でビラをまいていた。
しかし高橋副校長はわざわざIさんのもとに来て、ビラ配布をやめるよう妨害を行った。
あまりにひどいため、Iさんが表現弾圧の証拠として撮影しようとしたところ、
高橋副校長が怒鳴りながらIさんにぶつかってきたのだった。
しかもなんとぶつかってきた高橋副校長は、Iさんに殴打されたと主張。
警察を呼び、Iさんを不当逮捕させたのだ。こんなめちゃくちゃな話があるのだろうか。
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ということである。
Iさんはその後、10日間の起訴前勾留となった。
<被疑事実>には次のように述べられている。
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被疑者は、令和2年7月8日午前8時頃、
東京都目黒区洗足1丁目8番13号青木方路上において、
目黒区立第九中学校の職員証を首から下げて同所を巡回していた
同校副校長高橋秀一(当時55歳)らから、
ビラを配ることについて注意を受けたため、
所持していた携帯電話機のカメラで同校教員を撮影しようとし、
その頃、同所において、被疑者が撮影するのを遮った前記高橋の右手を、
携帯電話機で殴打する暴行を加え、もって同人の職務の執行を妨害したものである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

また、勾留の事由としては、下記の2、3に当たるという。
 1、被疑者が定まった住所を有しない。
 2、被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある。
 3、被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある。

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昨日(7月17日)、勾留をさらに10日間の延長をするかどうか、
「勾留理由開示公判」が東京地裁で行われた。
緊急な連絡だったが、傍聴に48人が駆けつけてくれた。
(公安も10人余り配置されていた)。
しかし、傍聴席はコロナ感染予防で15席しかなく、抽選になった。
429号室の前は40程の警備がおり、物々しく、持ち込めるものは筆記用具だけだった。

公判では、最初に裁判官からIさんが氏名・生年月日・住所・職業について聞かれたが、彼はすべて黙秘した。
その後、裁判官は先に述べた「被疑事実」と勾留の「事由」を述べた。

それに対し、弁護士(3人)は、40項目以上のことについて釈明を求めた(「求釈明」)。
しかし、多くの項目について、裁判官は「答えられない」と述べたため、傍聴者の一人が「答えろ!」とやじったところ、裁判官は「退廷」を命じた。
すると、警備の職員が一気に大量に法廷になだれ込み、彼を押さえつけ退廷させるということがあった。

「求釈明」は、次のような構成からなっていた。
 第1、勾留状に記載された被疑事実について
 第2、被疑者に対する逮捕行為(逮捕前置主義について)
 第3、勾留の理由について
 第4、勾留の必要性について

ほとんどの所で、「答えられない」と述べたが、
いくつか答えたところがあるので、以下に箇条書きにしたい。

①「・・・青木方路上」とある場所は「第9中学校の構内か」については、
 「構内ではない」と答えた。
②「公道上かそれとも私有地か」については、
 「公道上である」と答えた。
③「公道上で巡回し、注意をする立場であったのか」には答えなかったが、
 「巡回しビラへの注意をしたことは適法である」と述べたので、
 弁護士は「本気か?」、「ビラには第9中学校のことは書いていないのに、
 また生徒に何もやっていないのに、なぜ注意できるのか。
 なぜ適法なのか理由を述べてもらいたい」と述べた。しかし、これには答えなかった。

また、「携帯で殴打」についても、「そのとき副校長は職員証を下げていたのか」、「携帯を奪い取ろうとしたのではないか」、
「携帯を触ったのではないか」、「どのような資料から殴打したと判断したのか」などについても明確な釈明はなかった。

「逮捕時」のことについても、「Iさんは逃げようとしたのか」
(彼は逃げもせず、警察の車に乗せられ初めて逮捕されたことを知った:接見弁護士)、「告知をしたのか」についても釈明はなかった。

そこで弁護士(3人)は、それぞれ、
・「公務執行妨害というでっち上げ事件だ」、
・「言論の自由を妨害するものだ。7月14日に家宅捜索も行われたが、
  押収されたのはそれ以前の無縁のビラ26点だけで、情報収集活動をしている。
  政治活動を鎮圧するものだ」、
・「裁判所は人身の自由を奪っている。証隠滅とか逃亡の疑いなどはない。
 勾留延期を棄却すべきである」と述べた。

以上のように、今回の事件は、高校生の公道でのビラまきに対し、
 ①ビラに直接関係のない副校長が学校の構外まで出てきて執拗に妨害し、
 ②それを撮影しようとした携帯を取り上げようとし、
 ③「殴打された」として警察を呼び、「公務執行妨害」で逮捕させ、
 ④高校生を勾留までしているという、
きわめて不当で異常な言論や表現の自由への弾圧事件である。

にもかかわらず、閉廷後1時間程して、裁判所は
「勾留期間の延長」(理由:証拠解析・精査の未了。検察官による被害者、
 目撃者の取り調べ未了、処分決定のための補充捜査未了)という文書を出してきた。
明らかにこのでっち上げ事件を利用して、ビラまきなどに対する弾圧を強化しようとしていると考えられる。私たちは闘わなければならない
 ―――――――――――――――――――――――――――――――
「Iさん救援会」は、近く、彼が勾留されている碑文谷警察暑への抗議行動を行います。
 また、闘いが長引くことも考え、カンパ募集も始めました。
 <振替番号>00110-5-49424
 <加入者名>「全国集会・交流集会」で、「I君カンパ」と書いてください。
是非ご協力ください。
                       以上
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(おしらせ)
    『公開討論会「2020年コロナ禍と学校現場」』
   <日時>2020年9月6日(日)13:00~17:00(で借りています)
 <場所>しごとセンター・地下講堂
 <内容>①参加者からこの間の動きと現状を報告してもらう ②討論 ③提案 ④まとめ
   義務制、高校、特別支援学校、子ども食堂、学生、などの方々に交渉中。
 <対象>現場教職員をはじめ関心を持つ人々に広く集まってもらう。
 <資料代>500円
 <主催>都教委包囲首都圏ネットワーク

『憲法を変えた女たちーアリス・ポールと全国女性党』紹介

2020年06月25日 | 歴史
http://www.labornetjp.org/news/2020/1593072998883staff01

投稿者 : 中村久司(UK在住)
拙著『憲法を変えた女たちーアリス・ポールと全国女性党』
(デザインエッグ社)をご案内させていただきます

私は、日本で在職中は、全国税関労働組合組合員でした。英国では、勤務大学が大手兵器会社BAEと英国防衛省と一体となって、英米のNATO東方拡大の一環として武器輸出に加担している状況に反対する学内の運動を起こし、リストラの名目で、10年前に解雇されました。

本書は、女性参政権を獲得するために、
アメリカ合衆国憲法を変えた女たちの闘争を、100年以上前の英米の議会資料と、各地の新聞約120紙に基づいて描く、歴史ドキュメンタリーである。

アメリカの女性たちは、母親の世代から娘の世代へと引き継いだ72年間の参政権闘争の結果、1920年8月26日に、「アメリカ合衆国憲法修正第19条」を成立させ、参政権を獲得した。

この憲法を変える闘争の決定的な段階で、最も卓越した人物は、「オバマ大統領布告9423号」も断定しているように、アリス・ポールであった。

アリス・ポールと彼女が主導した全国女性党は、第一次世界大戦に一切協力していない。
協力どころか第一次世界大戦期間中を通して参政権闘争を続け、ホワイト・ハウスに張ったピケットも継続している。

アリスが主導した「憲法を変えた女たち」は、違法行為を一切行うことなく闘い続けたが500人前後の逮捕者を出し、168人が「繰り返して」投獄された。獄中では、多くの女性がハンガー・ストライキに入り、拷問を受け続けた。合法的なピケット中や、参政権を訴えるデモ中には暴漢から、獄中では看守の残忍な暴行に晒されることがあった。殉教者も一人出している。

今、なぜ米国の女性参政権闘争を振り返るのか?

米国では、2020年8月26日に、女性参政権獲得100周年を迎える。祝賀イベントを企画している多彩な団体は、「この100周年は、女性参政権獲得運動と今日の平等権問題との関連性を探究する比類のない機会を提供する」と、位置付けている。参政権闘争を振り返って現在の平等権問題に対処し、より平等な未来を創るのが、祝賀イベントの目的だ。

英国でも米国でも、歴史的・制度的な女性差別の典型は、女性に参政権がない事実だった。
この女性差別を、英米の女性たちは、警官の性的暴行をも含む暴力行使や、不当逮捕・投獄・拷問にも屈することなく闘い続けて撤廃した。しかし、その後も、有形・無形の女性差別が存在する。「ジェンダー平等」を実現し、「男女共同参画社会」を実現するためには、歴史を厳密に検証し、歴史から学んで、現代の不平等問題に適切に対処する方策を見出さなければならない。

日本では21世紀の今日に至っても、「英米の女性参政権獲得も戦争協力への褒美」という神話が広く信じ込まれている。

米国では、オバマ大統領が公文書で明示しているように、憲法を変えた女たちの主導者は英国でサフラジェットとして活躍し、逮捕・投獄・拷問を受けたアメリカン・サフラジェットだ。アリス・ポールの場合、英国のみで7回逮捕され、3回投獄されて獄中で55回拷問を受けた。

憲法を変えた女たちの多くは、米国・英国・ドイツなどで大学や大学院レベルの高い教育を受けた若い世代の女性だった。アリスの場合、ペンシルベニア大学で博士号を取得した後、26歳で米国の参政権運動を牽引し出した。彼女たちは、当時のウィルソン大統領と理論的・政治的に対峙し、違法行為を一切行うことなく、戦争協力も拒否して、歴史的偉業を成し遂げている。

<著者プロフィール>
1950年、岐阜県生まれ。元・名古屋税関職員。1975年に税関を辞めて渡英し、日英を往来の後、1988年からイギリスのヨーク市に永住。1994
年、英国ブラッドフォード大学大学院で日本人初の平和学博士号取得。在職中、ブラッドフォード大学平和学部と、ヨーク市のヨーク・セント・ジョン大学で、大学院国際通信教育プログラムと国際文化交流プロジェクトを担当。
2008年、日本国外務大臣表彰を受賞。
著書に『観光コ-スでないロンドン』『イギリスで「平和学博士号」を取った日本人』(以上、高文研)
『サフラジェット:英国女性参政権運動の肖像とシルビア・パンクハースト』(大月書店)など。2018年、『サフラジェット』で第13回「平塚らいてう賞」受賞。
歌集に、『The Floating Bridge: Tanka Poems in English』(Sessions of York) と『流刑のソナタ異端調』(デザインエッグ)など。
寄稿に『第9条:和文と英文の差異』(軍縮地球市民No3)『Peace Constitution of Japan』
(The Oxford International Encyclopedia of Peace) など。

LNJ Logo たんぽぽ舎メルマガ NO.3963~東京電力との対話で明らかになった現在進

2020年06月23日 | 歴史
たんぽぽ舎です。【TMM:No3963】
2020年6月20日(土)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせしま                           転送歓迎
━━━━━━━ 
★1.東京電力との対話で明らかになった現在進行形の
   問題点と東電の姿勢(下)
  ・福島第一原発汚染水問題
  増える原因は、失敗した「凍土壁」の間から侵入する地下水と建屋の破損した穴から雨水の浸入 
             山崎久隆(たんぽぽ舎共同表)
★2.6/24(水)講演会のお知らせ
   ~TRICK~
   朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人たち1923年関東大震災と朝鮮人、中国人、社会主義者らの虐殺
                渡辺マリ(たんぽぽ舎ボランティア)
★3.原発処理水の風評被害対策を 茨城の首長ら、国に要求…ほかメルマガ読者からの原発等情報3つ(抜粋)
                黒木和也 (宮崎県在住)
★4.東京電力本店前抗議(6/3)での申し入れ書です
コロナ対策・被ばく対策・汚染水対策等追及しています。 坂東喜久恵(原子力民間規制委員会・東京)
★5.新聞より2つ
  ◆「関電も森山氏を利用していた」「虫のいい話」
   「世間体のためのパフォーマンス」
   関電旧経営陣提訴決定に原発立地の福井・高浜町は…
     (6/16(火)0:54配信「産経新聞」)
  ◆再生エネルギー、コロナ下で脚光
   太陽光・風力、世界で発電伸びる 人員少数、感染対策で強み
(6月11日、日本経済新聞朝刊5面より抜粋)
━━━━━━━ 
※6/24(水)学習会にご参加を!
 TRICK-トリック「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち
 1923年関東大震災と朝鮮人、中国人、社会主義者らの虐殺
 お話:加藤直樹さん(フリーライター、編集者)
 日時:6月24日(水)19時より21時         
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円  「予約」は必要ありません。
 ※上記2つの学習会では「新型コロナウイルス」対策を致します。
  ・会場入り口に手指消毒用ボトルを用意します。 
  ・机の上に消毒液を噴霧しペーパータオルで拭きす。
  ・窓をこまめに開けて換気に配慮します。    
  ・「密集」しないように着席していただきます。
  ・体調に不安のある方は、無理に参加しないで下い。
━━━━━━━ 
※7/1(水)2つの抗議行動にご参加を!
1.とめよう!東海第二原発 20年運転延長・再稼働ゆるすな!
  日本原電本店抗議行動
 日 時:7月1日(水)17:00より17:45
 場 所:日本原電本店前(住友不動産秋葉原北ビル 台東区上野5-2-1)
     銀座線末広町駅4番出口より4分
 共 催:「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」
     「再稼働阻止全国ネットワーク」 TEL 070-6650-5549
2.「第81回東電本店合同抗議」東電は福島第一原発事故の責任をとれ!
 日 時:7月1日(水)18:30より19:30      
 場 所:東京電力本店前(千代田区内幸町1-1-3)
 呼びかけ:「経産省前テントひろば」070-6473-1947  「たんぽぽ舎」 03-3238-9035
 賛 同:東電株主代表訴訟など137団体

 ※「新型コロナウイルス」対策を致します。
  ・現場に手指消毒用ボトルを用意します。
  ・「密集」しないように参加者同士の間隔を空けて抗議します。
  ・体調に不安のある方は、無理に参加しないで下い。
━━━━━━━ 
 
┗■1.東京電力との対話で明らかになった 
 | 現在進行形の問題点と東電の姿勢   (下)(了)
 | ・福島第一原発汚染水問題
 | 増える原因は、失敗した「凍土壁」の間から侵入する地下水と
 | 建屋の破損した穴から雨水の浸入 
 └────  山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎福島第一原発汚染水問題
 増える原因は、失敗した「凍土壁の間から侵入する地下水」と
 建屋の破損した穴から雨水の浸入

 東電は、福島第一原発の汚染水について海洋投棄を前提に考えていますが、現段階ではあくまでも「国の方針に沿って」と、経産省が決定することであるとの立場です。
 私たちが検討を求めた「地下埋設」は「固化により体積が3~6倍となり貯蔵継続より敷地が必要」という立場ですが、これは認識不足です。体積が大きくなっても敷地投影面積は地上タンクよりも少なく出来ます。地下深く掘れば地上部分の専有部分を小さく出来ますし、重量構造物でなければ埋設保管施設の上部を使うことも出来ます。

 「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書」では「海洋処分」と「蒸発処分」しか書かれていません。敢えて被ばく評価が海洋処分よりも大きい「蒸発処分」が受け入れられるはずのないことを見越して、海洋処分にならざるを得ない誘導をしていると考えられます。
 東電は「貯蔵継続」について、「メリットとして年月の経過に伴いトリチウム量が約12年でほぼ半分、約24年でほぼ4分の1となる」ことを認めています。

 一方で「デメリットとして貯留する処理水量が増加し続け、発生量が1日当たり150立方メートル/日の場合、12年で約66万立方メートル分(現状のタンクエリアの約半分)、24年で約131万立方メートル分(現状のタンクエリアと同等)のタンクが追加で必要となります。」として、貯蔵場所がなくなること、他の設備を作る場所を圧迫し廃炉処分に支障を来すことを否定的な理由としています。

 そのため『上記の小委員会報告を踏まえつつ』と、責任を国に押しつけつつ『「多核種除去設備等処理水を貯留するタンク」「使用済燃料や燃料デブリの一時保管施設」「今後具体化を検討する施設」も含めて、発電所敷地全体の活用を検討してまいります。』と未だ検討中であることを強調しています。

 既に公表されている東電資料では、海洋投棄のシミュレーションでは40年程度を掛けながら行われるので、その間は貯蔵タンクも維持し続けることになります。
 海洋放出を避けて貯蔵を続けるために、トリチウムを濃縮して減量することもできるから、カナダやフランスで実用化されている技術を使うべきと指摘しました。

 やりとりの中でも指摘し、東電も認めたのは、染水問題の根幹が「今後も汚染水が増える」ことです。
 現状の量で増えなければ問題はさほど大きくはありませんし海洋投棄する必要もありません。

 増える原因は、失敗した「凍土壁」の間から侵入する地下水と、建屋開口部(実際には破損した穴)の閉鎖が進んでいないことで起きる雨水の浸入です。
 昨年の豪雨でも侵入雨水、地下水の量が増加したため、一日当たり150トンの目標は実際には180トンに増えてしまいました。これこそが福島第一原発の汚染防止対策で緊急性が高い問題なのです。

(「脱原発東電株主運動ニュース」No292.
 2020年6月14日発行より転載
(「脱原発東電株主運動ニュース」No292.2020年6月14日発行より転載)


┗■2. 6/24(水)講演会のお知らせ
 |  ~TRICK~
 |  朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人たち
 |  1923年関東大震災と朝鮮人、中国人、社会主義者らの虐殺─── 渡辺マリ(たんぽぽ舎ボランティア)
   お 話:加藤直樹さん(フリーライター、編集者)
   日 時:6月24日(水)19時より21時
   会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円  「予約」は必要ありません。

〇 日本帝国主義による朝鮮植民地支配下、様々な理由でやむなく玄界灘を渡ってきた人々を襲ったのは、巨大地震、そして「朝鮮人が暴動を起こしている」などという流言飛語による、軍隊・警察・民間人による虐殺だ
った。
 日本という異国で「何もしていないのに」無惨に朝鮮人は殺された。
〇 忘れてはいけない
 1973年、横網町公園に関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑が建立され、歴代の都知事が追悼文を送ってきた。その誰一人として「虐殺はなかった」などと言う人はいなかった。「史実」だからだ。これを取りやめたのは2017年、小池百合子東京都知事(当時)。
〇 取りやめた理由
 「全ての方々への追悼の意を表しているから」
 「天災による死と、殺人による死とは全く意味が違う」との批判には
 「様々な内容が史実として書かれているものと承知している。だからこそ、何が明白な事実かは歴史家がひも解くもの」
○ 歴史修正主義者の「両論併記」というトリック
 朝鮮人虐殺は「暴動を起こした朝鮮人」に対する「自衛=正当防衛」だった!??
 諸説あるから(小池百合子氏の発言→様々な内容が史実として書かれている)、虐殺が本当の事なのかどうか分からない→史実の否定
(そうすると)分からないものを教科書に載せたり、公的施設での展示はできないことになる。

 諸説があるかのような(両論併記)空気を作り出し、公的な場から消し去ろうとする歴史修正主義者の手口を加藤直樹さんにお話していただきます。

 
┗■3.原発処理水の風評被害対策を 茨城の首長ら、国に要求…ほか
 |  メルマガ読者からの原発等情報3つ(抜粋)
 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.原発処理水の風評被害対策を 茨城の首長ら、国に要求
 6/19(金) 17:12配信「共同通信」
 https://news.yahoo.co.jp/articles/61f1e51cf5ac0a98f9b932ee5684b63298f6a502

2.脱原発の河合弘之弁護士、関電株主総会で大阪市代理人に
 6/19(金) 19:21配信「朝日新聞デジタル」
 https://news.yahoo.co.jp/articles/59a314d6bbc3d4113edf14772497abb07dbc175e

3.フジテレビと産経新聞の政治世論調査
 委託先の下請けが回答2500件デッチ上げ 徹底した検証が必要だ
 「木村正人」 在英国際ジャーナリスト6/19(金) 17:25
 https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200619-00184159/


┗■4.東京電力本店前抗議(6/3)での申し入れ書です
 |  コロナ対策・被ばく対策・汚染水対策等追及しています。 
 └──── 坂東喜久恵(原子力民間規制委員会・東京)

 毎月の東電本店合同抗議で、「原子力民間規制委員会・東京」は申し入
れ(勧告)を実施しています。
6月3日(水)の第81回東電本店合同抗議で出した申し入れ書(質問書)
です。

◆東電本店合同抗議での申入書
                          2020年6月3日
東京電力ホールディングス株式会社 
代表執行役社長 小早川智明 様
                     原子力民間規制委員会・東京
                           代表 岩田俊雄

     福島第一原発事故加害企業東京電力への質問書

2011年3月11日の大災害から9年を越えました。福島第一原発4基の大事
故については、10年目に入った現在でも収束には程遠い状況であり、この
先の見通しについても机上の空論状態が続いています。事故炉は石棺化等
で封印する等実行の伴った、被ばく労働を最小限にする方針をきちんと打
ち出すべきです。
 また、汚染水もしっかり保管する方針を早急に打ち出すべきです。コロ
ナ感染の危険も含め重大な時期を利用したどさくさに紛れた海洋放出等、
許されるものではありません。
貴社は柏崎刈羽原発の再稼働を計画しているにようですが、コロナ感染
の収束も見えぬ中、すべての工事を中止すべきです。また、今後はますま
す電力消費の減少は避けられない状況になるでしょう。原発に将来の見通
しはありません。
合わせて近年の知見でも新潟は地震発生の要素が多いことがよりわかっ
てきています。経済性も含め、柏崎刈羽原発はすべて廃炉にすべきです。

また貴社は日本原子力発電株式会社(日本原電)に資金援助をすること
を決定したと発表しています。また、青森県六ケ所村の再処理工場にも電
力会社として一番資金を投入しています。
先の見通しのない危険な事業から早急に撤退することを勧告します。
〇質問
1.今後の福島第一原発事故の収束作業に当たり、コロナ対策や労働者
  の被ばく防止対策はどのようにするのですか。
2.IAEAレビュー報告は、汚染水の発生につながる燃料デブリ冷却水の
  注水量を削減するか、ある時点で注水による冷却を終了するか、また
  は閉じた冷却ループを確立することを推奨しています。これに対し、
  どのように取組みを進めますか。
  海洋放流以外の解決策を早急に取り組むべきです。具体策、スケジ
 ュールを示してください。
3.福島第二原発の廃炉に44年かかるとのことです(現時点)。柏崎刈
 羽原発はやめましょう。

福島第一原発事故の収束はのめどもつかず、先の見通しもままならなら
ず、福島の放射線量もまだまだ高いままなのに、被害者への補償は次々と
切り捨てようとする政府と東京電力の対応は許されるものではありません。
貴社は原発事業を早急に廃止し、福島の本当の復興に全力を投じるべき
です。
東電行動憲章にある「いかなる差別も行わず」の原則にのっとり、民間
規制委員会への回答拒否を撤回し、質問書への回答を 6月24日(水)
までに、Eメールで送ってください。
※次回第82回東電本店合同抗議は7月1日(水)18時30分より
 
┗■5.新聞より2つ
 ◆「関電も森山氏を利用していた」「虫のいい話」
  「世間体のためのパフォーマンス」
  関電旧経営陣提訴決定に原発立地の福井・高浜町は…

 旧経営陣提訴を決めた関西電力の高浜原発が立地する福井県高浜町の
野瀬豊町長は15日、「関電内部の問題となるためコメントを差し控えさせ
ていただく」とした上で、「信頼回復に向けた業務改善の取り組みが着実
に実行されているか、今後とも注視したい」と述べた。
 問題を調べた第三者委員会の報告書では、同町元助役、森山栄治氏(故人)
が役員らに多額の金品を渡し、関電から森山氏が関係する企業に不適切な
工事発注があったとされる。
 自営業の男性(73)は「関電も森山氏を利用していた部分がある。森山氏
や前の社長らに責任を押し付けるのは、虫のいい話だ。今の経営陣も責任
の自覚を」と注文を付けた。
 旅館経営者の70代男性は「世間体のためのパフォーマンスではないか」
と冷ややか。「旧経営陣が賠償金を支払えば、会社に責任がないと納得す
るものではない」と突き放した。

6/16(火)0:54配信「産経新聞」
 https://news.yahoo.co.jp/articles/3f7b16aef28c6e43f0ef1850fec51626d7479d10

 ◆再生エネルギー、コロナ下で脚光  太陽光・風力、世界で発電伸びる
  人員少数、感染対策で強み
 新型コロナウイルスの感染対策で世界の電力需要が落ち込む中、太陽光
や風力など再生可能エネルギーの発電量が伸びている。再生エネは多くの
作業員が要らず、感染症にも比較的強い。
 国際エネルギー機関(IEA)も2020年は再生エネだけ増加を予測する。
 意図せず起きたエネルギー構造の変化がコロナ後のニューノーマル(新
常態)となるか注目される。(後略)
  (6月11日、日本経済新聞朝刊5面より抜粋)

〔週刊 本の発見〕『沖縄「戦争マラリア」―強制疎開死3600人の真相に迫る』

2020年06月18日 | 歴史
毎木曜掲載・第162回(2020/6/18)
若い感性が描いた沖縄戦の真実
『沖縄「戦争マラリア」―強制疎開死3600人の真相に迫る』(大矢英代、あけび書房、2020年2月刊、1600円)評者:志真秀弘

 6月23日、沖縄慰霊の日は、敗戦後75年の今年も巡ってくる。新型コロナウィルスのために少し規模を縮小して、しかし今年も例年通り、糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われる。軍民あわせて20万人を越す人々が亡くなり、沖縄県民の4人にひとりが亡くなる過酷な地上戦の果てに、75年前のこの日沖縄戦は終わった。

 本書は、この沖縄戦に起きた波照間島をはじめ八重山諸島から西表島への強制移住がもたらしたマラリア死が3600人を越す事実を追った若い映画監督のルポルタージュである。映像はすでに『沖縄スパイ戦史』(2018年、三上智恵監督と本書の著者との共同監督作品)として公開され、2019年度文化庁映画賞文化記録映画部門優秀賞、第92回キネマ旬報文化映画部門ベストワンなどに選ばれた。陸軍中野学校を出たばかりの士官が15、6歳の少年達を組織し秘密戦をたたかった事実、そして強制移住によるマラリア死の事件を、わたしはこの作品をみて初めて知り、強い衝撃を受けた。

 著者(写真/映画サイトより)は作品でこのマラリア死の事件を、生き残った「おじいおばあ」の証言によって描いた部分を担当した。戦闘などまるでなかったにも関わらず波照間島の人々は、西表島のマラリアが蔓延する密林深くに日本軍の命令によって移住させられ、島民の三分の一にあたる500人を越す人たちが亡くなる。この背景には「総動員警備要項」(1944年8月)に基づく「沿岸警備計画設定上の基準」があり、そこで八重山諸島は「主要警備の島嶼」つまり本土防衛の要となっていた。

 本書は強制移住の取材にまつわるエピソードに後日談を交えたルポルタージュだが、1987年生まれの若い感性が全編に漲っていて、読んでいて清々しい気持ちになる。まず波照間島の人たちの生活を自分も体験しようと「サトウキビ畑で鎌を振り、汗を流し、キビを刈」る。最初は理解できなかった島の言葉「ベスマムニ」も3ヶ月するとわかるようになり、「ウランゲーヌアマンタマ(浦中家の女の子)」と呼ばれ、八重山民謡も三線をひきながら歌えるようになる。はじめは戦争証言を記録するぞと構えていた心もねられて柔らかくなり、「おじいおばあ」の心の深いところが見えてくるように思える。

 このあたりは映画には描かれないが、みずみずしい感性は映像表現にもたしかに反映していた。

 島民を西表に追い立てた「山下兵曹」は当初波照間青年学校指導員の「山下虎雄先生」として、沖縄戦が始まる3か月前、1944年の暮れ、島に現れる。「やさしい先生」だった彼は、実は陸軍中野学校を出た大本営派遣の「スパイ」だった。1945年の正月に石垣島司令部へ行き「全島民を西表島に疎開させろ」との軍命をうけると彼の態度は豹変する。家畜はすべてしろと命じ、抜刀して人々を脅して移住へと追い立てた。戦後は酒井清(本名)として生きるが、軍命=天皇の命令を盾に波照間の人々への謝罪はなにひとつ語ろうとしない(1990年、宮良作・元沖縄県議会議員による電話インタビュー)。

 著者は、しかし、もし自分が彼と全く同じ「任務」を与えられたらどうしただろうと考え、自分の中にあるおぞましい弱さにゾッとする。著者の素直な自省心はよりはっきりと戦争の罪を明るみに出す。

 一方、自分を正当化して恥じない「酒井」の態度をあとづけるように、2010年に「新防衛大綱」が閣議決定され「島嶼部における対応能力の強化」が定められる。いま与那国島に自衛隊レーダーが、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島に自衛隊ミサイルが配備された。まるでかつての「主要警備の島嶼」をなぞるかのようだ。戦争マラリアは終わっていない、本当に終わらせるのは「私たちの選択と行動」と著者は書く。沖縄戦は過去のことではなく今の問題です、全身を波照間島に浸すようにして著者は繰り返し訴える。

 なお本書は第7回山本美香記念国際ジャーナリスト賞を受賞した。

 本書といわば対をなす『証言 沖縄スパイ戦史』(三上智恵、集英社新書)は、次のわたしの担当回(7月16日)にぜひ紹介したい。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美、根岸恵子、杜海樹、ほかです。

世に倦む日日 @yoniumuhibi米 国の百貨店、なくなってしまうんじゃないか

2020年05月17日 | 歴史
五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。
草葉も水もいと青く見えわたりたるに、
上はつれなくて草生ひ茂りたるを、
ながながとたたざまに行けば、
下はえならざりける水の、深くはあらねど、
人などのあゆむに走り上がりたる、いとをかし。
   枕草子「五月ばかりなどに」https://bit.ly/368ktKU

大谷本廟にある司馬遼太郎の墓。南斜面をかなり下まで下りて行ったところにある。国道1号線が目の前を走っていて、車の騒音がする。谷を走る国道を挟んだ対面に京都女子大。案内板があった記憶はないが、二度ともすぐに見つけることができた。

ブラタモリで登場した東山五条の鳥辺野墓地。司馬遼太郎のお墓があるところだけれど、鳥辺野という名前が付いているように、鳥葬・風葬の地だったと言われている。たしか丹羽文雄の『親鸞』にも書かれていたような。坂道を下りていくと大谷本廟があって、親鸞の銅像が立っているんですよね。

安倍晋三、また大ウソついていたのか。「インターネット番組に出演し、『黒川氏と2人で会ったことはない』などと語ったが、18年12月11日午後に官邸で当時、法務事務次官だった黒川氏と面会したと報道各社の首相動静に記録」。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200516-25160470-nksports-soci …

JCペニーが経営破綻。つい一週間前にニーマン・マーカスが破綻したばかり。メイシーズも今後3年間で125店舗を閉鎖という報道があった。米国の百貨店、なくなってしまうんじゃないか。ついこの間まで、米国の個人消費、絶好調だったのに。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200516-00000035-kyodonews-bus_all …

日本本土初空襲~ドゥーリトル空襲~ 未来に残す 戦争の記憶

2020年05月16日 | 歴史
https://gyao.yahoo.co.jp/p/00054/v09947/

太平洋戦争開戦から4か月あまり、連戦連勝の日本に冷水を浴びせたのが「ドゥーリトル空襲」と呼ばれるアメリカ軍の攻撃です。真珠湾攻撃を受け、フィリピンで敗退しつつあったアメリカは、空母に陸軍の爆撃機を乗せてひそかに日本本土に近づき、東京や川崎、名古屋など大都市を爆撃しました。日本本土が襲われた初めての空襲です。軍事施設だけでなく学校などが無差別に襲われ、小・中学生も犠牲になりました。東京の各地域でこの空襲を受けた人々の証言で綴る番組です。

スタッフ
Yahoo!ニュース編集部

第二次世界大戦終結から71年 実際に戦争を経験した人々は高齢になり、その戦争体験を直接うかがう機会が失われようとしています。
「未来に残す 戦争の記憶」は、戦争に関する番組や様々なデータ、戦争を体験した人々の言葉などを収集し、未来に残していくことを目的とした特集です。世代を超え、未来へ伝えていくために。

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動が声明 : 日本政府、日本社会こそが責任を問われている

2020年05月14日 | 歴史
李容洙(イ・ヨンス)ハルモニの5月7日の記者会見を発端にして
起こっている韓国・正義連及び正義連前代表の尹美香さんに対
する事態に対して日本軍「慰安婦」問題解決全国行動が声明を
発表したのでお伝えします。(尾沢孝司)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日(5/13)、全国行動は以下の声明を発表しました。拡散をお願いします。
日本政府、日本社会こそが責任を問われている

被害者を追い詰めたのは誰か

「30年間家族のように過ごしてきたハルモニが示された残念な思い、
尹美香(ユン・ミヒャン)前代表が去った時に感じたであろう不安、何
よりもこの問題が解決されていないことへの怒りを謙虚に受け止め、
李容洙(イ・ヨンス)ハルモニを不本意ながらも傷つけてしまったこと
に対し心からお詫びいたします」

日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)の李娜
榮(イ・ナヨン)理事長は5月11日、李容洙ハルモニへの謝罪の言葉
で記者会見を開始した。これに先立つ5月7日、日本軍「慰安婦」被害
者である李容洙ハルモニが会見を開き、「もう水曜デモには出ない」
「尹美香はこの問題を解決してから(国会に)行くべきだ」等と発言した
ことに対して、正義連が謝罪の言葉を述べたのである。

しかし、真に謝罪すべきは誰なのだろうか。李容洙ハルモニの苛立ち
と不満は誰に向けられたものなのだろうか。

30年間、被害事実の認定と心からの謝罪、それに基づく賠償、たゆま
ぬ真相究明と教育等の再発防止策が求められてきたにもかかわらず、
未だその声に応えることが出来ていない日本政府にこそ、被害者をこ
のような状況にまで追い詰めた責任がある。そして、日本政府に責任を
取らせることが出来ていない私たちは、日本の市民として、その責任の
重さを痛切に感じ深く恥じ入る他ない心情だ。

一部韓国メディアは悪質なでっち上げ報道を直ちにやめよ

ところが、この李容洙ハルモニの哀切な訴えを利用して、尹美香前代表
や正義連が明確な説明を繰り返しても「疑惑」があり続けるかのように印
象づけようとする一部韓国メディアの報道が日増しに度を超している。中
でも、2015年の日韓合意をめぐる「疑惑」なるものは、当時の運動過程を
共に歩んだ私たち日本軍「慰安婦」問題解決全国行動にとっても聞き捨て
ならないものだ。それは、尹美香前代表が日韓合意の内容を事前に知っ
ていながら被害者たちには伏せていたという「疑惑」だ。これは、当時の韓
国外交省関係者らが「尹美香代表は事前に知っていたのに、発表されると
豹変して合意に反対した」「外交省は事前に被害者たちとの協議を
15回にわたって行った」等と、これまで吹聴してきたものが再燃した形だ。
これについては、5月10日に発表された共に民主党の論評が簡潔に事実
を語っている。

「朴槿恵政府当時、外交部(外交省)は被害者と関係団体とは何らの事前
の協議もな、12月27日午後に開かれた日韓局長級協議で全ての事項を
決定し、当日(27日)の夜に尹美香・当時の挺対協常任代表に1.責任を痛
感、2.謝罪反省、3.日本政府の国庫からの拠出という合意内容の一部を
、機密保持を前提に一方的に通告した。不可逆的解決、国際社会で言及
しない、少女像の撤去等の内容は外されていた。事前協議というのも外交
部の旧正月等の挨拶訪問のみだった」(()内は訳者補足)。

被害者と協議することが既に不可能な発表前日の夜遅くになって、当然反対
されるであろう内容を伏せて一部の内容だけを尹美香前代表に告げたのが、
外交省の言う「事前協議」の全てであることは、当時の状況をつぶさに共有し
ていた私たちも明に記憶する事実だ。この事実については現在、韓国外交省
も「> 2017年の日韓合意検証で述べたとおり」という形で、尹前代表側の主
張が正しいことを追認している。

他にも、李容洙ハルモニの発言からは遠く離れて、個人のプライバシーにまで
土足で踏み込む報道合戦まで繰り広げられている状況に対して私たちは断固抗
議し、即刻このような権的な報道、根拠なき歪曲報道をやめるよう訴える。
一部韓国メディアの歪曲報道は、日本政府が、そして日本社会が歴史を直視し
て未来の平和へと繋げるための道を邪魔するものになりかねないことを付言し
ておく。

今後も性暴力の根絶と平和を求める道を共に歩み続ける

正義連の運動は、正義連だけのものではない。自らの痛みを吐露することで二度
と同じようなことが起きないよう世界に警鐘を鳴らし、戦時下で、あるいは日常の中
で性暴力の被害に遭った女性たちに勇気と希望を与え、記憶し継承することが再
発防止の道であることを示してくれた日本軍「慰安婦」被害者たちの思いと運動に
連なってきた世界の市民たちが共に築きあげてきた運動だ。その運動を今後は韓
国国会で実現していくという尹美香前代表の新たな挑戦、「今後も揺らぐことなく進
んで行く」という正義連の決意に、私たちは絶大なる信頼と支持を送り、今後も連帯
を強めていく。

最後に、日本政府の責任履行という被害者たちの切実な願いを未だ実現させること
ができていない日本の市民として、李容洙ハルモニをはじめとする各国の被害者、
亡くなった被害者たちに心からのお詫びを申し上げる。今後も、私たちは李容洙ハル
モニの同志として、共にあることを伝えたい。

2020年5月13日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
共同代表 梁 澄子、 柴 洋子


LNJ Logo 〔週刊 本の発見〕雨宮処凛『この国の不寛容の果てに』『ロスジェネのすべて』

2020年05月14日 | 歴史
http://www.labornetjp.org/news/2020/hon158
毎木曜掲載・第158回(2020/5/14)
エッジの効いた言葉がほとばしる

雨宮処凛編著『この国の不寛容の果てに-相模原事件と私たちの時代』(神戸金史・熊谷晋一郎・岩永直子・杉田俊介・森川すいめい・向谷地生良 大月書店)・『ロスジェネのすべて-格差、貧困、「戦争論」』(倉橋耕平・貴戸理恵・木下光生・松本哉 あけび書房)/評者:渡辺照子

 今年の春はコロナが世界を「席巻」している。感染リスクも恐ろしいが、さらに深刻なのは元々困窮状態にある者の生存権が脅かされることだ。住宅喪失者と称される「ネットカフェ難民」、感染リスク回避のためのリモートワークをさせてもらえない派遣労働者、コロナを理由に不当に解雇される非正規労働者等々。

 仕事や住まいを失う不安な時、直ちに頼りになるのは煩雑な手続きで埒のあかない役所より、常日頃、果敢に活動している貧困問題に取り組むNGOだ。その先進的な取り組み、献身的な姿勢には頭が下がる。

 三密が禁止され炊き出しが中止される中、そのような活動体主催の、ホームレスやギリギリの生活を強いられてきた人たちへの相談や炊き出しの場には雨宮処凛(写真)の姿がある。彼女は貧困を通して現代の本質をあぶり出す優れたライターであると共に、常に現場に身を置く活動家でもあるのだ。

 その彼女が昨年の9月、今年の2月と続けて対談本を出した。タイトルで明らかなようにそれぞれ障害者と就職氷河期世代の問題が語られている。対談相手には雨宮と同じくこの国の生きづらさを体感し、さらには分析し、解決をする当事者が名を連ねる。弱い者同士が互いを傷つけ合う状況の背後にあるものが対談で明らかになる。

 対談相手は既述したような共通点がありながら、実は多様な各分野の一人者であることが、対談の内容を面白くし、多角的な視点を提示してくれる。

 医療記者である岩永は「命を語る時こそ、ファクト重視」と提言する。元障害者ヘルパーの批評家、杉田は「さとり世代」を「弱肉強食の世界では文句を言っても仕方なく自助努力するしかないと実感するのだ」と分析する。ネット右翼研究の倉橋は、マジョリティの被害者意識を男性特権/日本人特権の喪失という観点から解き明かした。フェミニズムの視点からの生きづらさ等の研究者の貴戸は社会の寛容度の劣化を「自分だって苦しいのに同情されないマジョリティの痛み」だと喝破する。近世日本研究の研究者、木下は「日本特有の自己責任は江戸時代の農業による村の自治から由来する と解いた。東京、高円寺で「素人の乱」として新たなスタイルのデモを展開する松下は貧乏を楽しむ姿で登場する。

 当事者であるということは、その経験や思いも象徴的であり衝撃的であることになる。重度の自閉症の長男のいる新聞記者である神戸は、相模原事件の植松被告から「いつまで息子を生かしておくのか」と言われた。脳性麻痺の当事者である熊谷は相模原事件後、車椅子での通勤途上で見知らぬ人に突然殴られるのではないかという恐怖にかられた。

 個々の問題に直面し活動する者からはエッジの効いた言葉がほとばしる。現実の矛盾を直視せず、ショートカットで解決する「自分さえ我慢すれば」という発想が実は矛盾の増幅になりかねない「自己犠牲思考」だと示したのは森川だ。障害の枠を超えた「当事者研究」を発信する「べてるの家」の理事である向谷地は、精神疾患を抱えた人は他の人より敏感なアンテナを持つゆえに社会の空気を素直に取り込み、結果として生きづらさや病気になるのだ、として「当事者」から学ぶ姿勢を伝える。

 表層的に貧困を取り沙汰する昨今の言説とは異次元の、実に的確な言葉の数々は、優れた聞き手であり語り手の雨宮だからこそ紡ぎ出された。雨宮はロスジェネ世代の当事者であり、生きづらさと常に向き合ってきたそのライフストーリーとの響き合いが対談に深みを与えている。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美、根岸恵子、杜海樹、ほかです。

社畜か企業戦士か(その2) 晴彩のブログ

2020年05月08日 | 歴史
https://ameblo.jp/minshushugi/entry-12592807003.html


今月5日に「社畜か企業戦士か」と書きました→
https://ameblo.jp/minshushugi/entry-12587044784.html

私は社畜という気は全くなかったのです、平和的な戦士ではありましたが。最近よくテレビで使われる東京品川駅の港南口から外へ向かう人々です。
この人達の向かう先の地図です。

この地図の駅から真っ直ぐに右に伸びた道路の両側とその先にもオフィスビルがあります。

そして、青っぽい色の線で囲んだ部分が旧国鉄の敷地です、一時「Catsシアター」になっていたところですが今は先進的なオフィスビルがいっぱい建ってます。何万人か何十万人かが働いてるのか、私もどこかに・・。

その右側の赤い線で囲った部分は社畜ではなく家畜が処分されるところです。一等地に広い土地ですね。『東京食肉市場株式会社』です。周囲の道路にはされる為に運ばれてきた家畜が乗ったトラックが止まってます。

日本会議のJR東海のボスは品川を新都心として開発を続けてきました、リニアの始発駅にもします。この食肉市場の不動産価格は高騰したでしょうね。土地建物とも借りてるにしても、立ち退きとなったら凄い退去補償金になりますね。

ここも『肉』ですよね。

そのうち、国民は国畜にされるのかな。

世に倦む日日 @yoniumuhibiNHKがここまで積極的に中国を取材して特集報道とは、

2020年05月05日 | 歴史
5/4放送のNHK-BSの「北京の春 市民たちは~コロナ危機を生きる~」。柳絮(柳の綿毛)が空に舞っていた。懐かしい。この季節の北京の風物詩。私が行ったときは、大気汚染で空が暗く、白い空中から白い柳絮が舞っていた。https://bit.ly/2A0jm3P

マルクスの「生産力」概念を想起させられる。生産力とは何か。自然に働きかけて価値を産み出す能力だ。技術力だ。中国の方が日本より生産力水準が高い。中国人の方が日本人より経済的価値を創出する能力が上。中国は今後どんどん労働者の賃金が高くなってゆく。平均的生活水準も日本人より上になる。

私の個人的な見解だけれど、一党独裁の共産党支配のシステムには、(マルクス以上に)レーニンの思想の影響が色濃くて、ロシア人の本来的な社会的感性が強く反映されている。その歴史的な起源と由来はモンゴル人の遊牧集団のリーダーシップと社会システムだ。司馬遼太郎がヒントになる話をしていたが。

そういうことだと思う。日本人って不思議で、それに全体で順応していくんですよね。皆でテレビ見ながら、時間の経過の中で感覚を慣らしていく。拒絶反応しない。抵抗しない。岡田晴恵自身が、こうなったら構いませんから体育館に収容して下さいと野戦病院を扇動している。https://twitter.com/DMerbee/status/1257480490392510465 … https://twitter.com/DMerbee/status/1257480490392510465

挑発的なことを言うようだが、人間って自然の変化に適応して生きていく生きものでしょ。人間だけでなく全ての動植物はそうだ。環境の変化に順応しないと生き伸びられない。適者生存の法則。その法則から鑑みたとき、中国のシステムと米国のシステムと比較してどうなんですか。どちらが優れてますか。

が、NHKがここまで積極的に中国を取材して特集報道するということは、意味があるよね。つまり、米国離れ・中国接近のハーフウェイの態度を示している。次の時代の世界の主役が中国になること、日本もその新しい世界秩序の下で生きるしかないということを暗に示唆している。先取りして告げている。

前者の感想を言えば、先週、内田樹を批判して書いた民主主義論を、そのまま具体例として立証する内容だった。民主主義とはどこまでも民主化のプロセスであって、体制や制度ではない。民主主義に価値があるとすれば、民主化を担う主体の精神に価値があるのであって、体制や制度に価値があるのではない。

昨夜、NHKのBSで中国を取材したドキュメンタリーを2本立てでやっていた。武漢の封鎖生活と北京市民の挑戦。面白かった。後者の感想を言えば、日本人が20年間にやるべきだったことを全て中国人がやってしまっている。リプレイスされ、凌駕された。能力差がついて、もう日本人は追い越せない。

挑発的なことを言うようだが、人間って自然の変化に適応して生きていく生きものでしょ。人間だけでなく全ての動植物はそうだ。環境の変化に順応しないと生き伸びられない。適者生存の法則。その法則から鑑みたとき、中国のシステムと米国のシステムと比較してどうなんですか。どちらが優れてますか。