詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

落陽

2006年06月22日 | Weblog
海から空への
死者たちの道のように
一番星が浜の上にただひとつ

いつの日も
ぼくの憧れだった
風に舞い飛ぶ花々の
空から海への道

たゆたう海に浮かぶのは
遠い夏の日の洛陽
降り注ぐ火の矢を受けて
瀕死の海鳥の影
初めて愛を告げたのは
浜辺の湾曲の始まりの流木
一点の翳りもなく澄みきった
君の眼差しゆえに

ほんとはデビュー以前の塚本邦雄の短歌をアップしたいんだけど・・

2006年06月05日 | Weblog
僕は結構俵万智が好きだ。彼女の記念碑的な歌集「サラダ記念日」は是非読んで欲しいなーと思う。
詳しくはー■「万智の一人百首


ぼくのお気に入りの歌はー
落ちてきた雨を見上げてそのままの形でふいに、唇が欲し(『サラダ記念日』)

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日(『サラダ記念日』)

男には首のサイズがあることの何か悲しきワイシャツ売場 (『かぜのてのひら』)

ここからは海となりゆく石狩の河口に立てば、立てば天啓(『かぜのてのひら』)

「2001年宇宙の旅」 キューブリック監督 95点

2006年06月01日 | Weblog
最近SF映画はあまり観ないんだけど・・
記憶に残ってる映画はー「ソラリスの陽のもとに」「ブレードランナー」原作とのあまりの違いにショックを受けたのが「バトルランナー」だった。
SFの巨匠クラーク(まだスリランカに健在なのかな?)と一緒にキューブリックが脚本を手がけたのだという。
キューブリックには他にもSF作品が多いのだが(とても笑える「博士の異常な愛情」や過激な未来の暴力社会を見事に描いた「時計仕掛けのオレンジ」等)・・「2001年ー」は何度観てもハラハラドキドキする映画、映像と音楽とがほんとにぴったりとした壮大な映画だ。
この映画を初めて観た子供の頃は、コンピューターの反乱と宇宙船内部と宇宙の映像しか記憶に残らなかったのだが・・
今回三度目に観て思ったのは、ハルという宇宙船のコンピューターの「母性原理」と人間との戦いのように感じた。
その点では、母性原理と父性原理との葛藤を描いた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」とも共通するものを感じた。
父性原理の不在が叫ばれて久しい現代日本社会とも・・