詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

水のなかのナイフみたいだった

2006年07月06日 | Weblog
もうじき真夏だというのに
水がひやっと冷たかったので
ふっと母を思い出してしまった

寝たきりになったベッドの上から
しょっちゅう
「お湯をつかいなよ」
と言っていた母

まだ暗い道のあちこちの
凍った水溜りのなかの
冬の星座をひとつずつ
壊して歩かずにはいられなかった
あの頃

人を愛する気持ちは
氷に似てるのかもしれない
重すぎると
こなごなに落下してゆく
殺したあとには
すっかり溶けてしまって跡形もない

沖縄民謡と谷川俊太郎

2006年07月06日 | Weblog
「ちょちょい節」や「芭蕉布」。
「ちょちょい節」は99パーセント意味がわからない。
沖縄のバラードを聞くと
いつも連想する・・うろ覚えの谷川俊太郎の詩。

『僕にもー手当たり次第に殺したいと気持ちがなかっただろぅか・・
あらゆるものを破壊しつくしたという気持ちがなかっただろうか・・
ベトナムやイラクの米軍兵士みたいに
未来のない家畜奴隷日本人みたいに
この地上のすべてを破壊したいという・・
熱い想いはなかっただろうか・・

ほたる

2006年07月01日 | Weblog
内地にやってきて
驚いたのは
田んぼの多さと
蛍だった

田んぼのあちこちから
蛍を捕まえてきては
部屋中に放して
死んでゆく
こころの灯火から
目をはなせなかった

星さえみえない夜には
亡くなった君の魂だと思いながら
橋の上に立ち尽くして
uターンしてゆく蛍を見ていた

死にゆくものは
美しい
死にゆくこころは
わすれられない