十月の詩（１９） 青空（推敲形）

青空がもう
片目でかすかにしか見えない
もうじきほんとうの青空も
翳りゆく雲も見えなくなるだろう

糖尿病が目にまでやってきたのか
毎日パソコンのやり過ぎなのか
原発事故後安かったので
福島周辺県の野菜を食べ過ぎたのかもしれない

ぼくの青空よと・・
そっと呟いてみる
ほんとうの青空が
いまもずっと
拡がっているはずというのに

子供の頃いつも
原始林のうえに拡がっていた青空
遠いはるかな青空に会えるのは
どこまでも真っ直ぐに歩いてゆける
三月の凍雪季節の午前中ばかり

春にはカタクリの丘で立ち尽くし
夏には逃げ水の草原を海にまで
秋には紅葉を踏む音のままさすらい
そして冬には
かじかんだ雪原で生まれて初めての失恋

福島原発事故のあと
瓦礫焼却や汚染食材で内部被爆というのに
それを利用しての火事場泥棒や
産地偽装で儲ける奴が多い
人体実験の情報を原爆後のように
米国に持参して褒めてもらう奴もいる

いったいぼくらは
どんな地獄へと
進みつつあるんだろうか


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