<安倍自公+小池希望維新=3分の2完全確保>
あえて警鐘を鳴らしたい。人類にとって、平和が何よりも大事である。しかし、政治屋の背後には、死の商人・財閥が、隠れて立ちはだかって、緊張をつくり、戦争をも引き起こそうとしている。本日、2017年10月10日の衆院選公示日を迎えてみると、安倍自公の極右の塊と、小池の希望・大阪維新の塊がまとまると、どうなるのか。確実に、戦争しかねない改憲に必要な、3分の2を確保することになる。保保大連立が実現するという現実に、日本とアジアの善良な人々が不安視、注目している。有権者が油断すると、気が付いてみると、途方もない事態が起きかねない、SOSの日本と東アジアを招来させかねない。
<右翼大連立の恐怖・SOS平和憲法>
新聞テレビが報道しない右翼の大連立の行方である。平和憲法を破壊する右翼の共闘を阻止することが出来るのかどうか、が今回の最大の焦点であろう。
安倍は「自公過半数で政権を維持する」といい、反安倍の小池は「自民党との連立」に踏み込んだ発言をしている。公明党が9条改憲に慎重論を見せているが、同党は、いつもながら選挙向け公約で信用できない。
右翼大連立の恐怖に怯えなければならない、現在の日本である。共産・民主で3分の1を確保できるのかどうか、現時点では、かなり困難とみられている。
<改憲軍拡へ驀進>
数年後に9条改憲が実現すると、それこそ想定外の事態を、内外政に招来させるかもしれない。
それは平和憲法に縛られているはずの日本政府が、ここ数年の間に、公然と戦争法制ともいえる特定秘密保護法・自衛隊参戦のための戦争法・共謀罪を、いとも簡単に強行したことである。憲法違反の法律が、3つも、一つの政権で強行されるなどという事態を、専門家でも想定できなかった。過去の政権で見られない現象である。
同時並行して、武器輸出三原則をぶち壊し、軍拡へと大きく踏み出している。
自衛艦の海外遠征から武器供与が、当たり前になっている。創られた中国敵視政策、そして今は北朝鮮脅威論である。ありえない北朝鮮からの核攻撃を、あたかも起こりうるという世論誘導のもとで選挙戦を進めて、自らの犯罪スキャンダルに蓋をかけている安倍・自公と、改革を振りまく小池新党である。
この二つの右翼の塊が結びつくことの恐怖を感じざるを得ない。杞憂といえるのか。
<平和の文化放棄へ>
日本の戦後は、天皇制国家主義を排して、平和で民主主義の日本を憲法で国際公約して、国際社会に復帰した。平和産業で、敗戦後の荒廃した列島を復興して、奇跡の経済国家を実現した。この間、右翼・戦前派・国家神道靖国派の攻勢を、与党内のリベラル派が対抗、排除することで、かわすことに成功してきた。
平和文化の日本は、盤石なものだった。そうした潮流のもとで、中国と歴史的な国交正常化が実現したものである。1972年ごろの日本財界に、死の商人が大きな塊となって、政治を左右することはなかった。
それが、大きく変質したのは、森喜朗内閣の「日本は天皇中心の神の国」からだった。森後継の小泉純一郎首相は、靖国参拝を繰り返し強行して、隣国に恐怖と怒りをもたらした。今の小池の背後の人物でもある。
安倍晋三も小泉が作り上げた靖国派・改憲軍拡派である。平和文化を放棄して、戦争文化に衣替えさせようとの意図を、容易に知ることが出来る。
<不安定な東アジアへ>
歴史を直視しようとしない、反対に正当化する極右の大連合が実現するかもしれない、その先に何が来るのか。
隣国のまともな学者は、そのことに深刻な思いをしていることが、筆者には理解できる。既に日本の軍拡予算は、この5年の間にべらぼうに跳ね上がって、国民の福祉を削減して、格差を助長して、人々を希望のない社会に追い込んでいる。
国内の矛盾は、国外へと人々の目を向けさせるものだ。為政者の常套手段である。極右の大連立政権が存在するとなると、想定もできない事態が起きかねない。東アジアに波風を立たせることに貢献するであろうことは、容易に想像できる。
<死の商人に吸い上げられる血税>
日本の軍国主義化は、人々の生活を容赦なく厳しくさせるだろう。軍国予算は、必ず弱者から搾り取るものである。10%消費税から、さらに10余%へと跳ね上がる。
血税は、死の商人の財閥の懐へと吸収されていく。
人々の反発を抑制するための平成の治安維持法が、特定秘密保護法や共謀罪の乱用であろう。
特定秘密保護法の強行に主要な役割を果たした公明党の国交大臣の太田ショウコウを「裏切り者」と決めつけた最初の創価学会員が、2014年4月28日にやくざ強姦魔に殺害された「木更津レイプ殺人事件」の被害者の戦争遺児である。
太田ショウコウが出馬する東京12区の選挙戦も注目を集めている。
<幻想の北朝鮮危機を口実>
北朝鮮危機は幻想である。言葉の暴走でしかない。
トランプか金正恩のいずれかが、本当に気が狂わない限り、戦争は起きない。いわんや、北からの日本攻撃もない。
両者の出会いで、口からの出まかせは止まる。それだけのことである。その覚悟がトランプにあるのかどうか。はっきりしていることは、こうした事態を招いた元凶はワシントンである。彼らはそうして莫大な武器輸出利益を上げている。今も、である。
同じく北を利用しているのが、安倍・自公内閣、そして今は小池と維新である。正体は暴かれている。この二つの右翼勢力の大連立阻止が、平和文化を欲する日本国民とアジア諸国民の悲願なのだ。
<日米産軍体制の高笑い>
いま大森実の「カストロ」の本を開いたところだが、キューバ革命の背景には、政権の巨大腐敗と貧困が重なっていた。
今の日本では、腐敗と格差と貧困が存在している。財閥が潤う政治に、99%の何割が気づくのか、も注目点である。日米産軍体制に血税が集中する政治に、国民の何割が気づいてくれるのか。無党派が投票所に行かない低投票率だと、自公に有利となる。もう一つは、選挙屋「ムサシ」による不正選挙への懸念である。
北の若すぎる独裁者を悪用する世論誘導を見破る国民が、どれくらい出るのか。3分の1を、護憲リベラルで確保すれば、日本にも夢が沸いてくるのだが。
2017年10月10日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)