僕の生まれて初めてのバイトはまだ16歳の頃だった
札幌までの舗装工事の測量助手だった
原始林に次々と入ってのポール立て
出来たての道路の斜線引きや
目的の良くわからない線路の巡回作業なんかもあった
要領がいい君がいつもどこからか見つけてきてくれた高給バイト
生徒会長で忙しかったというのに
牛乳配達とか変なバイトばっかりやっていた頃だった
いつも君がどこからか見つけてくるバイトが多くて
ホワイトアスパラの採取も中学生の頃だった
君とは東京の雑踏で別れてしまったけれど
あれから故郷北海道にでも帰ったろうか
北の寒々とした朝の砂浜で
ぼんやりと飛んで行く鷗なんかを見上げながら
僕の人生はまるで
山旅のようなものだったかもしれない
そのどれもが忘れられないけれど
アケビをもらったりという喜びもあった
ヒグマに食われても本望だった
たかが80年でされど80年