職場のお姉さんが中型二輪免許を取った。免許を持ってないと言うから「不便じゃない、島で教習所に行ったら?」とぴらにあがそそのかしたら、「車は怖いから、バイクにしました~!」とお姉さん。「バイクの方が怖くない?」と聞いたら、「だって、車だと人を轢きそうで・・・」と慎重なのか恐ろしいのか・・・
それでお姉さん、ヘンな所の勢いがよい。免許の試験を東京に受けに行って、そのままバイクを買って大島に帰ってきた。中古の250ccだけど、まだ1,000Kmも走っていない上等なバイクだ。マフラーなんかピカピカに光って、なかなかカッコがいい。ところがお姉さん、どうもバイクの運転が上手くない(というより、バイクそのものについて無知?)らしく、「なんか調子悪いんですよね~・・・」といつも悩んでいる。バイク好きのSさん、Oさんと点検をしてみても別に異常はないけど・・・。それで今朝も、「やっぱりエンジン停まっちゃって、全然かからなくなっちゃったんですけど・・・」と半泣きでやって来たお姉さん。Sさんと一緒に見に行くと、セルは力無く回るけどエンジンがかからない。ぴらにあが2~3回セルを回したらバッテリーが上がった、どうやら助けを求める前にだいぶセルを回して電気を使い切ってしまったらしい。でもなんか、ガソリンが行ってないみたいだけど・・・。「燃料入ってんの?」と燃料コックを見ると、閉まってんじゃないのよ~!!!
昨日、Sさんがバイクを点検して返した時、燃料コックを閉じたのをそのまま乗ってエンジンが止まった、というだけの話・・・。小雨の中、車のバッテリーをつないでセルを回すと、元気よく回りだすエンジン。「どうもすいません~・・・」と平謝りのお姉さん、「私、バイクの操作ってよく解らないんですよね」というから、「一度、一緒に乗ってみる?」という話になった。
ギヤチェンジが特に苦手だというお姉さん、「あの、2速って教科書には何キロまでって書いてありましたっけ?」と聞くけど、「そんなのいちいち覚えてないし、バイクの種類や排気量によって違うでしょ!」と答えると、「じゃぁ、いつギヤを変えたらいいんですか~・・・」と困っているマジメなお姉さん。「とにかく走ってみようよ!」とぴらにあの後ろにお姉さんを乗せて一周道路へ出る。2速でふかすとなかなかよい加速のバイクちゃん、全然調子悪くないじゃん。「え~、こんなに回していいんですか~!」とキャーキャーうるさいお姉ちゃんは、手はしっかりしがみついているけど、ヒザがだんだん開いていく。う~ん、コーナーを曲がるのも苦手なんだろうな。ぴら奥さんを後ろに乗せた時と同じ、ちゃんと両足で挟んでいてくれないと、右左折する時にフラフラしてホント怖いんだよな・・・
しばらく走るとだんだん慣れてきたようだから、帰りはサンセットパームラインに出る。目の前には利島と新島、その横の海に夕陽が沈んでいく。あんまりきれいだから、「ほらみてみて、スゴイよ~!」と指をさすと、「ハンドルから手を離さないで~!」と無言の叫びが聞こえるよう。職場に戻って「きれいな景色だったね~!」と声を掛けると、「怖くて片目しか見えませんでした・・・」って意味不明だ・・・
「よい走りでした」とぴらにあが部屋へ上がっていくと、「証拠のビデオ取られてましたよ!」とSさんが笑う。たまたま職場で撮っていたビデオに、怪しい2人乗りの現場が写っていたらしい。これってもしかして、「不倫ツーリングの証拠を押さえた!」ってことか?